第73話 ハッキリさせたい女と待っててあげる女
「それで、結局チケットは当たったんすか?」
「オレは当たらなかったけど、のんちゃんが当ててくれたからライブには行けるよ!」
「へぇ、かのちんが
つまり2人でくるってことっすか?」
「そうなるね!」
「Kanonさんと、、」
週末、あめちゃんと こと様がうちにきて動画編集を教えてくれていた
今日は文字などのテロップのデザインについて教えてもらっている
「浮気っすね」
「う、うわき?」
「そうっす、だってわたしがこんなにアピールしてるのに他の女とデートするなんて」
左側に座っているあめちゃんが擦り寄ってきた
もともと距離は近かったが更に近づかれてドキドキする
「あの、、真面目な話してるんで、おっぱいばっか見るのやめてもらえるっすか?」
「、、なら、そんな服でくるのやめてもらえるっすか?」
今日のあめちゃんは、肩と胸元が見えているフリフリの白キャミソールを着ていて、
あめちゃんの豊満なものがとても強調されていた
キャミソールは肩ひもだけでぶら下がっていて、防御力が低そうだ
ぽろりもあるよ?
「いやで〜す、だって誘惑してるんですから〜
むらむらするっすか?」
「、、、なるほど、ここがこうなってこうか」
「あれ?お〜い」
あめちゃんから目を離し、画面に集中する
「それでKanonさんとは進展しそうなんですか?」
「え?」
終わらせたと思った話をこと様に蒸し返される
「おにいさんは結局誰が好きなんですか?」
「えっと、、」
「いいんすよ〜パイセン、ゆっくりで
わたしはずっと待ってますから」
にっこりと微笑んでくれるあめちゃん
そして腕を組んできた
「メー、そういう作戦でいくわけ?」
「なんすか〜?ちゃんと自分の気持ちも言ってない人は黙っててくださ〜い」
「、、、」
オレの目の前で2人が睨み合う
とても居心地が悪くてソワソワする
「テロップ、もうちょっと可愛くしましょーよ」
「え?あ!うん!それもいいかもね!」
あめちゃんが助け舟を出してくれたので、画像編集ソフトを操作してデザインを修正する
「べー!」
その横で、あめちゃんがこと様を挑発していた
ソワソワ
「、、、」
黙っていること様、今日は喧嘩にはならないようだ
「、、5周年のグッズはなにか買ったんですか?」
「あ!それはもちろんフルセットと!
あと!あめちゃんとひまちゃんと こと様のアクスタ!」
「そうですか、グッズが届いたらサイン書きましょうか?」
「ホントに!?ありがとー!!」
「いえ、いつもお世話になってますので」
こと様が微笑んでくれる、溜飲は下がったようだ
「いつまでも同じことしてても進展しないっすよ〜、つまんない女っすね~」
「はぁ?」
下がったものがまた上がってきた
「ならどうしろって言うのよ!」
「自分で考えてくださ〜い
あ、あらあらパイセン、わたしもサイン書いてあげますね♡」
「う、うん!ありがと!」
依然として、腕を組んだあめちゃんにそう微笑みかけられてドキッとした
すりすり
「な!なにしてるの!?」
あめちゃんが頭をオレの肩にすり寄せてきた
「なんとなく、こうしたかったので、、ダメっすか?」
上目遣いで質問され
「だ、だめじゃないけど、、」
ついそう答えてしまう
「、、、」
ぎゅっ
「え?」
右側を見ると、こと様も控えめに腕を組んでいた
「あ、あの、、こと様、、」
「なんですか?」
「いや、、腕が、、」
「メーもしてるじゃないですか、私はダメなんですか?」
キッ!と睨まれる
「滅相もございません!」
「ほ!ほら!手が止まってますよ!」
「は!はい!」
美少女2人に腕を組んでいただきながら、動画編集の勉強を進める
謎の状況に戸惑いながらも、がんばって集中しようとした
「パクリ〜」
「うっさい、バーカ!」
物理的にはありがたやな状況なのに、精神的には気まずかった
「こ、、こと様、、あんまり動くとその、、」
柔らかいものが当たってしまいますよ、、
「っ!?へんたい!!」
「ご!ごめんなさい!」
「可愛くないっすね〜、パイセン、わたしは怒りませんよ?」
「え?あ、ありがとう??」
「いえいえ♪」
「むか、、」
「ざーこ、べ〜」
「イライラ、、」
ついに、こと様の口から直接イライラという言葉が発せられた
爆発しないだろうか?
この後、小競り合いは頻繁にあったが、なんとか爆発は起こらずに勉強会は終了した
2人が部屋を出る前に、玄関の前で少し話す
「それじゃ、5周年ライブ楽しみにしててくださいっす
パイセンはわたしのことだけ見てて欲しいっす」
ぎゅっと両手で右手を握られた
「あ、、えと、、」
「なーんて!本心ですけど、ライブ自体を楽しんでくださいっす!」
パッと手を離されてニヒヒと笑ってくれた
「う、うん!楽しみにしてる!」
「おにいさん、私も全力で歌います、見ててください」
「わかった、がんばって!」
「はい、ありがとうございます、それでは」
「また来まーす!」
2人は手を振って帰っていった
5周年ライブは来週末だ、楽しみすぎて待ち遠い
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