第69話 おまえをサンドバッグにしてやろうか?
--新井新人 視点--
日曜日、今日はのんちゃんの家でパソコンの組み立てだ
オレは数年前に使っていたケースとドライバーなどの工具を持って、電車と徒歩でのんちゃんの家の前までたどり着いた
PCケースを持ち出すのは地味に大変で、デッカい手さげ袋をホームセンターで購入して、ここまで持ってきた
またレンタカーにすればよかったかな?
いやいや、これだけのためにレンタカーは贅沢すぎる、節約せねば
推し活にはお金がかかるのである
5周年グッズも買ったし、ライブのペンライトとかタオルも買った、金欠になりそうだ
ピンポーン
エントランスでのんちゃんの家の番号を入力してチャイムを鳴らす
「はーい」
「あ、来たよー」
「開けるわー」
「うーい」
インターホンからのんちゃんの声がして、自動ドアが開く
エレベーターを使って部屋の前まできた
ピンポーン
ガチャ
「はい、どうぞ」
「あーい、お邪魔しまーす」
のんちゃんが扉を開けてくれたので、中に入る
「じゃ、とりあえずリビングに」
「うい」
のんちゃんを見ると、薄いカーキのブラウスにクリーム色のスカートを履いていた
スカートには細い黒のベルトをしている
いや、そんなことよりも、、
結構ミニスカだ、、
生足がだいぶ見えている、、
靴下はくるぶしくらいが隠れる短いものを履いている、だから余計に生足が際立った
「、、、」
「なにしてるん?こっちやけど」
玄関の前で立ち尽くしていたら声をかけられた
「、、はーい」
なんで、そんな短いスカート履いてるんすか、、
「そこ座って」
ソファを指さされた
「はーい」
「コーヒーか紅茶どっちがええ?」
「アイスティーで」
「了解」
キッチンに行ってカチャカチャと音を立てる
対面式のキッチンなので、作業している のんちゃんがよく見えた
「パソコンってどこに置くの?」
「うちの部屋〜」
「そっかー」
まぁそうだよな、とりあえずはリビングで一服させてくれるらしい
「ねぇー、同居人の人はー?」
「すみれ?今日は出掛けてるよ」
カチャカチャとお盆に紅茶とお茶菓子をのせて、のんちゃんが戻ってくる
「なんか高そうなお菓子だ、、」
「そんなことないでー」
ミニスカのんちゃんが隣に腰掛けた
スペースは空いてるのに結構近くに座る
生足が眩しい
「ま、好きに食べて」
「、、ありがと」
もぐもぐ
落ち着くために、高そうなクッキーを食べてから紅茶を飲む
「美味しい」
「そ?それは良かった」
「紅茶も飲んだことない味がする」
「まぁ、市販品じゃないからなぁ」
「へぇ〜、自分で淹れたってこと?」
「そうやね」
「のんちゃん、そんなこと出来たんだ」
「どういう意味?」
「家庭的なイメージ皆無だったから」
「締めころしたろか?」
にっこりと腕を掴まれた、こわい
「ごめんなさい、、」
「口には気をつけやぁ」
「わかりました、、」
「、、、ねぇ」
「なにー?」
もぐもぐしてたら、なんだかもじもじと気まずそうに話しかけられる
「今日の服装どうかな?」
どう答えればいいのだろう、、
えっちですね
素直に答えればこうなる、殴られる気しかしない
「あー、、」
「はよ答えぇ?」
悩んでると笑顔の鬼、、のんちゃんに急かされる
「かわいい、、と思います」
「そ、そっか、、ありがと、、
でも、さっきから、うちの脚ばっか見てるのなんなん?」
「、、見てません、、」
「はいはい、じゃ、そろそろパソコンやってもらおうかな」
「はーい」
「うちの部屋こっちやから」
後ろをついていくと6畳くらいの部屋に案内された
全体的に白を基調にした部屋で、シンプルにまとまっている
整理整頓されていてキレイだった
へぇ、これが女の子の部屋かぁ
はじめて女の子の部屋に入ったのでキョロキョロしてしまう
あ、でも、こと様の部屋にもこの前入ったな、緊急事態でちゃんと見れなかったけど
「キョロキョロしんといてぇ、はずかしいわぁ」
「あ、ごめん、サンドバッグとかないんだねぇ、あはは」
「あっくんをサンドバッグにしよかぁ?」
「あははー」
「もうふざけるのはええから、この机に設置して」
キレイに整頓されたデスクに案内される
シングルモニターなら十分な広さだ
ギリギリ、デュアルもいけそうではある、今回はやらないけど
「デスクトップの本体は床置きでいいよね?」
「うん、そやね」
「なら、この机の右側に置けばいいかな?この辺」
机と本棚の間を指差す
机の下には一体型のラックがあるので、デスクトップを下に置くと、邪魔そうであった
だから、机の外側を提案する
「うーん、そやね、そこでええよ」
「わかった〜、なら組み立てるね」
「よろしく〜、うちはここで見てるわ」
ベッドに座って、コッチを見てるのんちゃんであった
「うぃー」
と答えてパソコンの組み立て作業を開始する
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