第65話 5周年ライブ チケット争奪戦
数週間後、会社、昼休み
「そわそわ」
「そわそわ」
「2人とも何してるん?」
「そろそろ、ひまちゃんたちのライブチケットの当選発表なんだ」
オレと課長は並んでスマホを眺めていた
当選発表は12時だ、5分前に早めの休憩をとって待機している
「新井くん、、当たってるといいね、、」
「そうですね、課長、、」
「キタ!時間だ!」
2人してメールの更新ボタンを連打する
「、、、と、当選!当選だ!!やったー!!」
立ち上がってガッツポーズを取る課長
「、、、」
「あ!新井くんは!?」
「、、お、落ちました、、」
「Oh、、、」
「、、、」
「な、なんて声をかければいいか、、」
「かえりたい、、」
「あっくん、ダメやで〜、ほら、お昼いこ」
「うん、、」
オレはしょぼくれたまま、のんちゃんと食堂に向かう
ふと、振り返ると、また課長がガッツポーズを取っていた
殴りたい、、
「ほんで、そのライブチケットの抽選ってのは、今回で終わりなん?」
「ううん、今回のはファンクラブ先行だから、一般の抽選と販売がまだあるんだ
一般販売はかなり厳しくって、開始5分で売り切れるから、一般抽選にかけるしかないんだよね、、」
「へ〜、そうなんや、ま、頑張ってなぁ〜」
「うん、のんちゃんも祈ってて、、」
「はいはい」
・
・
・
2週間後、一般抽選、当選発表日
「おわった、、、」
オレは会社の自席でスマホ片手に放心状態になっていた
「あっくん?どうかしたん?」
「一般抽選も落ちた、、、帰りたい、、、
消えてしまいたい、、、」
「あ〜、今日当選発表の日やったっけ
あ、うち当たってるわ」
「え?、、」
のんちゃんを見ると、スマホを見ながら、そんなことを言っていた
「あっくんが言うてたから、うちも応募してみたんよ
あめちゃんのステージ興味あったし」
「そ、そうなんだ、、おめでとう、、」
「これ、見て」
「?、、」
当選画面を見せてきた、いじわるだろうか?
「、、おめでとう、、」
「ちがうってば、枚数のとこ」
「?、、2枚?」
「そう、よかったら一緒に行く?」
「歌音様!!女神様!!ありがとうございます!!ありがとうございます!!
私めにチャンスを与えてくださり!!
感謝致します!!」
隣に立っている のんちゃんの腰に抱き着く
「ちょ!?ちょっと!!」
ビシッ!!
「いてっ」
チョップされた
「この変態!!」
「あ、すんません」
ペコリと頭を下げる
「、、、」
「いやー!ライブ楽しみだなー!
うふふ、あはは、うきうき」
「、、チケットあげへんよ、、」
「なんで!?」
「自分で考えときや〜」
自分の席に戻ってしまう、のんちゃん
「あぁぁぁ、、
あの、のんちゃん様、、あの、、」
すぐに後を追う
「なんや?」
「肩でもお揉みしましょうか?」
「そうやね、やってもらおうかな」
「喜んで!!」
すぐにのんちゃんの肩をもみだす
「いやー!お客さん!こってますねー!」
「、、、」
「このへんとかどうでしょう!?」
反応がイマイチなので必死で媚を売る
「まぁまぁやね」
「ありがとうございます!」
「あっくん、お茶」
「はい!喜んで!」
走って会社の売店にお茶を買いに行く
「どうぞ!」
緑茶を渡す
「うち、麦茶がよかった」
「申し訳ございません!すぐにもって参ります!」
オレはまた売店に走った
「、、くすくす、キミたちって見てて飽きないね」
「なんですか?課長」
「だって、Kanonちゃん、ここぞとばかりに、ふふっ、あんまりやりすぎると逆効果だよ?」
「課長、あっくんに余計なこと言ったら、、ぶっ飛ばしますよ?」
にっこり
「、、はい、ワタシハナニモイイマセン」
「よろしい」
その日、オレはのんちゃんの奴隷になった
「ねぇ、あっくん」
「なんでしょうか!」
終業後、駅までのんちゃんのカバンを持って付き添ってきた奴隷1号はハキハキと返事をする
「今週末ひま?」
「暇でございます!」
「なら、買い物付き合ってよ」
「もちろんです!よろこんで!」
「なら、あとでLINEするわぁ
また明日ね、カバンありがと」
「承知しました!
お疲れ様でした!」
オレはカバンを手渡し、改札でのんちゃんに頭を下げる
「ふぅ、、」
今週末?なんの買い物?
いや、そんなことはいい、のんちゃん様の機嫌を損なわないように振る舞わねばならない
「オレはのんちゃんの奴隷、奴隷、」
ぶつぶつと呟きながら自分が帰る路線の改札に向かう
なんとしてもライブチケットが欲しい奴隷1号であった
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