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第62話 お互いの本音

あめちゃん、昨日は本当にごめん

直接話して謝りたい

何時でもいいから時間くれないかな?


あめちゃんに対して、何度目かのメッセをLINEで送る


昨日、オレはあめちゃんと遊園地デートをした


オレの中では、この前散々からかわれた復讐のためのデートだと銘打って、あめちゃんを連れ出し、

その目的はスーパー怖いお化け屋敷で達成した


だから、その後は普通に遊園地を楽しんで、なんだか良い感じになって、

でも、最後にあめちゃんに生意気なことを言われたから、

からかうつもりでキスをするような素振りを見せてやって、

実際にはデコピンをした


そしたら、あめちゃんは泣き出してしまい、走って帰ってしまった



あれから、ずっと後悔している


なんであんなことをしてしまったんだろう

いや、泣くなんて思わなかったのだ


つまり、キスしようとしたら、


なんすかー!キスなんてしませんよ!ちょっとドキッとしたじゃないすか!ムカつくっすー!


みたいな反応が返ってくるのかと思ったのだ


でも、実際には赤くなって目をつむってしまった


キス、、してもいいよって、、そういうことだった、、のかもしれない


そんな女の子を裏切った

最低だ

謝らないと



ソワソワして、LINEを見る


「、、そっか、そうだよね、、」


既読がついていた

でも、返信はない

嫌われたんだ


「いやだな、、」


オレは苦しくなって、電話をかける


、、もちろん出てくれない


「あめちゃん、、」


でも、諦めることができなくて、何度も謝罪のメッセージを送った



「あっくん、なんかボーッとしてる?」


「え?あぁ!いや!大丈夫だよ!」


会社でのんちゃんに心配されてしまう

それほどにオレは集中力を欠いていた

あめちゃんと連絡が取れなくなって4日目、今日は水曜日だ


「私も集中できないよ、、Kanonちゃん、、」


結木課長がしおしおになりながら、話しかけてきた


「どうかしたんですか?」


「ここ数日、あめちゃんの配信がなくて、、

どうしたんだろう、、体調でも悪いのかな、、」


そう、土曜のデートの後、あめちゃんは一度も配信をしていない

いつもなら日曜日は必ず配信してるし、2日に1度はやっていたので、異常事態だ


Xもチェックしているが、なんの呟きもない

あめちゃんのリスナー、ちゅぱかぶらのみんなも課長と同じように心配している


「どうなんやろ?単純にお休みしてるだけじゃないです?」


「だったら!一言あるはずなんだよ!でも、Xでも何も言ってないし、、

心配だ、、」


「そういうものなんですね、、たしかに心配ですね、、

もしかして、あっくんもそのことが原因でボーッとしてたん?」


「え?あー、、まぁ、そうだね、最近あめちゃんの配信よく見てたから」


「おぉ、、ちゅぱかぶらへようこそ、、」


「ははは、、」


課長と元気なく微笑み合う


「はやく、あめちゃん復活するといいですね」


ホントにそうだ

でも、今回のことは、オレのせいな気がしてならない

オレがなんとかしないと、、

でも、オレは嫌われちゃったし、、


そう思うとまた苦しくなる、、


今日も帰ったらメッセ送ろう

そう決めて、午後の仕事を片付けはじめた



自宅


今日もあめちゃんのチャンネルとXのアカウントをチェックするが、なにも音沙汰は無い

スマホを持って、LINEを送る


あめちゃん、電話でもなんでもいいから話せないかな?


送信ボタンを押して、そのまま画面を見る


そわそわ


「、、、」


すぐに既読マークがついた


「、、、」


でも、返信はない


「、、あめちゃん、、」


ピンポーン


今の時刻は22時すぎだ

宅配の時間は終わってるし、そもそもなにも頼んでいない


インターホンのモニタをチェックする


「っ!?」


モニタを確認して、通話ボタンを押さず、すぐに駆け出した


ガチャ!


「あめちゃん!!」


「、、こんばんわっす」


「会いたかった!!

この前は!本当にごめん!!」


「、、あの、、中に入っても?」


「あっ!もちろん、、」


暗い顔のあめちゃんを見て、少し冷静になる

脇によけて、彼女を招き入れた


「おじゃまします、、」


「どうぞ、、」


今日のあめちゃんは、短パンにTシャツというラフな格好だ、部屋着のまま来てくれたのだろうか


リビングに入って立ち尽くしてしまう、あめちゃん

いつもは勝手にうろうろするのに、、


「あ、あの、、ソファ、座って?」


「はいっす、、」


お願いした通り、ゆっくりとソファに座ってくれる

オレはお茶も出さずに、ソファの対面のテーブル越しに座って、話し出した


「土曜日の帰り際のこと、ずっと謝りたいと思ってた

ほんとにごめんなさい」


頭を下げる


「、、、」


「オレ、あめちゃんのこと、傷つけようなんて思ってなくて、、

なんていうか、、その、、からかってやろうって、、

いつもの仕返しだって、、思って、、」


情けない言い訳を並び立てる


「、、、」


「でも!あめちゃんの涙を見て、それが間違いだって気づいた!

オレ!あめちゃんといると!すごく楽しくて!

だから!なんていうか!友達みたいになんでも言ってもいいし!なにしても怒られないかなって!勘違いしてたんだ!

でも、、

あめちゃんは、女の子で、、

いや、それは、わかってたんだけど、、

あんなことして、傷つけちゃって、

ホントにごめん!!」


再度謝罪をして、今度は床に手をついて頭を下げた


「、、、あらとさんは、、」


「え?、、うん、、」


いつもの呼び方とちがう、、

不安になりながら、頭を上げて、あめちゃんを見る


「あらとさんは、、なんで、、わたしが泣いたと思いますか?」


「えっと、、それは、、キスしても、イイって思ってくれたのに、、オレが、それを、冗談で流したから、、だと思いました」


「、、、そうですね、、だいたい合ってます」


「ごめん、、」


「いいんです、、ホントはわたし自身もなんで泣いちゃったのか、最初わからなかったんす、、

だから、今まで考えてました、、」


「、、、」

あめちゃんの言葉を彼女をまっすぐ見て、黙って聞く


「そしたら、自分の気持ちがわかったんです、、

はじめて、デートしたとき、あらとさんに、あらとさんのこと気になってるって伝えましたよね?」


「うん、、」


「あのときは、炎上騒ぎを解決してくれた あらとさんのこと、少しイイなーくらいに思ってたんす、、

そんなに気持ちは大きくなかった、と、思ってました

でも、

何度も話して、からかって、笑って、どんどん好きになったんす

で、、これが初恋だって、、気づいたんです」


「あっ、、うん、、」


「でも、あらとさんがひま先輩のこと、好きなのは、わかってたから、

だから、、はじめてデートに誘ってくれて、すごく嬉しかった、、

それに、デート中のあらとさん、すごくカッコよくて、、

キスされそうになって、、

わ、、わたしのこと、、選んでくれたのかなって、、思って、、でも、、ちがった、から、、」


ポロッ


「あめちゃん、、」


「あ、、大丈夫です、、ぐすっ、、

そう思って、泣いちゃったんです、、

でも、、考えてたんです、、

あらとさんは、、わたしのこと、恋愛対象として、見れませんか?」


「そ、れは、、」


「怒らないので、教えてほしいっす」


「オレ、オレは、、ひまちゃんが、好きだ」


あめちゃんは泣きそうになってしまう

そんな子に、こんなこと言っていいのか、、

でも、正直に言わないと


「でも、最近は、、あめちゃんのことも、、すごく意識してる、、」


「え?」


「この前の遊園地デートは、、あめちゃんに写真集の件でからかわれたことの、復讐のつもりで、誘ったんだ、、

その復讐のために、あめちゃんの過去の動画をたくさんみて、弱点無いかなって探しまわって、、

ずっと、あめちゃんのこと考えてた、、

それで、遊園地には実は1人で行って予習しておいたんだ、、

だから、お化け屋敷では余裕ぶれたし、

怖がってるあめちゃんを見て、ひそかに復讐成功だ、なんて思ってた

そんな、大人気ないことして、、

でも、すごく楽しくて、あめちゃんが怖がってるのも、オレを頼って手を繋いでほしいって言ってくれたことも、ホントに可愛いと思って、、

お化け屋敷の後の、遊園地もすごく、、楽しかった、、

それで、バイバイって、素直に別れればよかったんだけど、、

最後、あめちゃんにからかわれて、、なんか、オレもからかい返さないとって、、そういうやり取りが、、なぜか、正解かと思って、、

その、、からかい合うのが、オレたちかなって、、勘違いして、、

あんなことを、、

ごめん、、」


「、、、」


オレのまとまってない、長い話を、あめちゃんは静かに聞いてくれた


「、、じゃあ、、あらとさんは、、わたしのこと、、女性として意識してるんですか?」


「うん、すごい、意識してる」


「でも、ひま先輩が好きなんですよね?」


「そうだね、、ごめん、、」


「、、、わたしのことも、、すき、、ですか?」


「それは、、わから、ない、、」


「ずるいっす、、」


「ごめん、、」


「、、わかりました、、あらあらパイセン!」


「はい!」


あめちゃんが立ち上がって元気に言うので背筋を立てて目をつぶる


引っ叩かれる!そう思ったからだ


あめちゃんが近づいてくる気配がする


しかし、なかなか衝撃はこない

おそるおそる片目を開けると


ちゅっ


両頬をつかまれて、キスをされた

、、唇に


「あ?え?なん、、で?」


「パイセン」


「はい」


「パイセンのこと、大好きです」


「、、、」


「ひま先輩より、わたしのこと、

わたしの方が好きだって、パイセンに思わせてみせます

これは、その宣戦布告です」


「、、あっ、、えっと、、」


「だから、覚悟してくださいっす

わたしのこと、大好きになる覚悟」


「あの、、でも、、」


そっと、頬から両手が離された


「わかりましたか?」


「う、うん、、でも、、オレ、、」


「大丈夫です、ゆっくり、考えてください

これから、たくさん、わたしのこと、見て、知ってください」


「、、うん、、」


「じゃあ、今日は帰ります

これからも今まで通り、からかいあっていきましょう♪」


ニヒヒっとイタズラっぽく笑いかけてきて、ドキっとする


立ち上がって、玄関の方に向かうあめちゃん

オレは立ち上がれずに、眺めていた


「あ、、あらあらパ〜イセン」


「な、なに?」


くるりと振り向いて、人差し指で自分の唇に触れる


「さっきのキス、わたしのファーストキスです♡」


「あ、、え?」


「彼女にしてくれたら、他のはじめても、パイセンにあげますよ♡

、、、

あはは、ちょっとやりすぎました、、

今のは、、無しで、、」


真っ赤になる


「じゃ!じゃあ!これからもよろしくっす!」


「あっ、、」


オレはまともに答えれないまま、その場に座り続ける


ガチャン、と玄関が開いて、閉まる音がした

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