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第51話 花火大会(後編)

しばらく、食事と会話を楽しんでいると、そろそろ花火が始まるので消灯します

とアナウンスが入った


少しして、屋形船の照明が落ちる


「ねぇ、あらとさん」


「なになに?」


テーブルからひまちゃんが乗り出して声をかけてきた


「隣、こない?」


「っ!うん!行く!」


オレはすぐに机を跨いで、ひまちゃんの隣に腰掛けた

ひまちゃんと一緒に、机とは反対側を向いて船の外を見る


「もうすぐ始まるね、楽しみだね」


「う、うん、そうだね」


オレは、花火が始まることよりも、ひまちゃんがすぐ隣にいることの方がドキドキしていた

ついつい、ひまちゃんのことを見てしまう


「も〜、ひまのこと見過ぎ〜」


あははっ、と指摘される


「ご、ごめん!」


「まっ!いいんだけどね〜♪

あ!はじまったよ!」


ひまちゃんが指を差すので、つられて空を見上げた


空が光って、大粒の火花がはじける

遅れて大きな音が聞こえてきた


「きれ〜」


そういう ひまちゃんの横顔を見る

花火の光で明るくなったり、消えたら暗くなったり、そんなひまちゃんの横顔は飽きることがなかった


「だからー!ひまのこと!見過ぎだぞ!

今は花火見なさい!」


ひまちゃんがオレの肩に両手を乗せて、耳元で伝えてくれた


普通に話したら花火の音で声が聞こえないし、同じことをやる勇気がないので


コクコク、と大きく頷く


ひまちゃんを見るのを我慢して、花火を見ることにした


たしかに綺麗だ


ぼーっと眺める


すると、床についていた右手の上に、そっとあたたかいものが被せられる


「え?」


右手を見たら、ひまちゃんの手がのっていた


ひまちゃんは空を見ている


「あ、あの、、」


声は届かない

でも、、


オレは手のひらを上に向けた


そしたら、ひまちゃんがその手を握ってくれる


「あ、ありがと、、」


そう呟くがひまちゃんには聞こえない


今は花火をみないと、、

ひまちゃんに言われたことを思い出して、前を向こうとしたら、ひまちゃんがこっちを見た


ニヒヒ


いつものいたずらっぽい笑顔を向けられる


その魅力的な笑顔と、右手の感触を交互に考えて、恥ずかしくなって、オレは前を向いた


情けない、でも、そのまま見てたら、耳まで赤くなった自信がある


オレはそれから花火が終わるまで、ひまちゃんのことが見れなかった



花火の打ち上げ時間は30分か1時間だったか、、

とにかく、体感ではあっという間に花火は終わり、屋形船の照明が再び点灯した


「あっ!」


オレたちは、どちらからともなく、あわてて手を離し、

その後、オレは元の席に戻る


「き、きれい、だったね、、」

ひまちゃんに話かけられる


「う、うん、、すごく、、どきどきした、、」


「あはは、、それって、花火のこと〜?」


「ううん、、ちがう、、」


「そっか、、あはは、、うん、実は、ひまも、、」




「よし!それじゃ!締めますか!」


結木課長が立ち上がって、大きな声で締めの言葉を語り出した


内容は覚えてないけど、なんか、ちゃんとしゃべっていた気がする

さすが大人である


オレはもう、いっぱいいっぱいだった


船から降りて、来客の皆さんに挨拶をする


今日はありがとうございました

とか

今後もよろしくお願いします

とか

そんな感じだ


もっと、ひまちゃんと花火見てたかったな、、

挨拶をこなしながらも、オレの頭はそんな気持ちが支配している


でも、ひまちゃんは帰り際に、


「素敵な思い出ができたね♪」


って耳元で呟いてくれて、


今度は、幸せな時間だったな、って考えに上書きされる


オレは、離れていくひまちゃんにずっと手を振っていた




「ねぇ、こと、、」


「なによ、、」


「まずいっすよ、これは、、」


「そんなの、、前からよ、、」


「もう、そういうの、やめにしませんか?」


「うっさいな、、」


「、、協力しましょう」


「え?」

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