第48話 推しに会いたいなら接待と銘打って招待すればいいじゃない
「あめちゃんに会いたい、、」
結木課長が頭を抱えてデスクに肘をついていた
「課長、仕事してください」
のんちゃんは冷徹であった
「いやだ、あめちゃんに会いたいんだ、私は」
いい大人がこれである
「はぁ、アイドルは人を狂わすなぁ、、」
前にも聞いたことあるセリフをのんちゃんがいう
まぁ気持ちはわかる、一度会えただけでも奇跡なのに、少し前は隔週で推しと会えていた
課長はあめちゃんロスに陥ったのだ
「またコラボするとかできませんかね?」
とオレ
「そ、それができたら苦労はしないさ、、」
「まぁそうですよね、、」
この前のコラボはこちらから動画編集の指導も兼ねてお金を払って実現したコラボだ
なんども会社のお金を使うわけにはいかない
「はぁ、、来週末には花火大会もあるんだし、それで気を紛らわしたらどうですか?」
「ううーん、あめちゃんがいないなら花火大会なんてどうでもいい」
「そういえば、うちの会社も協賛してる大きな花火大会があるんだっけ?」
「そう、そのポスター」
のんちゃんが壁を指差す
この前、課長が貼ったものだ
花火大会開催
当社協賛のため希望者には屋形船のチケットを優遇
「屋形船から花火見れるんだっけ?」
「そうみたいやね、まぁ結構高いらしいから、家族何組かで買うか
お偉いさんの接待で使うって聞いてるけど」
「、、接待??
それって、、つまり??
新井くん」
「はい?」
「ディメンションコネクト様は弊社の大事なお客様だよね?」
「ええーと、そうですね?」
「じゃあさ、接待してもおかしくないよね?」
「ま、まぁ、お仕事もしたわけですし、おかしくは?ないのでは??
あ!まさか!」
「そうだよ!これに、あめちゃんを招待すればいいんだよ!」
「課長!あんた天才だよ!」
「だろう!もちろん、ひまちゃんも招待しよう!」
「ありがとうございます!一生ついていきます!」
課長に大きく頭をさげる
「ははは!くるしゅうない!チケット確保してまいるから待っておれ!」
「いってらっしゃいませ!」
「、、、はぁ、また始まった」
・
・
・
「新井くん!チケットは確保した!
というか、一隻丸々借り切りにしてもらった!
何人でも呼べるぞー!」
「さすが天才!やりますね!」
「さっそくメールを作りたまえ!チェックしてしんぜよう!」
「すでに作っております!こちらをどうぞ!」
オレは席から立って、課長様を自分の席に導く
「よろしい、なるほどね
よし、ここをこう修正して、うむ、いいだろう
送りたまえ」
課長様がさくっと文章を修正してくれる
「ありがとうございます!
送ります!」
送信ボタンをポチり
メールの画面をジッと見つめる
「どきどき、いつ返信くるかな?」
「どきどき、どうでしょう?」
「2人とも仕事しなー」
「はーい」
「はーい」
のんちゃんに言われてオレたちは仕事を再開することにした
ひまちゃんたちは来てくれるだろうか
・
・
・
「課長!二宮さんからメール来ました!
是非参加させてください!
メンバーは追って連絡します!
ですって!!」
「ホントに!!よっしゃー!!仕事のやる気出てきたー!!」
「オレもです!!課長!!うおー!!」
「うるさいなぁ、、そんなん関係なく、ちゃんと仕事やりやー」
のんちゃんがなにか言ってるが、オレと課長の耳には届かなかった
数日後、ディメコネの二宮さんからメールがくる
以前コラボしてくれたメンバーが全員と、広報の方が二宮さん含めて何人か来る、ということだ
つまり、ひまちゃんも、あめちゃんも、こと様も来る
その連絡を受けたオレと課長は、狂喜乱舞し仕事に打ち込むことができた
のんちゃんがうるさいうるさいと何度も言ってた気がするが、気のせいだろう
オレたちは鬼のように仕事をして、やるべき仕事をかなり前倒し、スッキリとした気持ちで花火大会の当日を迎えることができた
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!
していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません!
ぜひよろしくお願いします!




