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第41話 自宅でJKと勉強会(後編)

不機嫌そうな、こと様を横目にパソコンを起動して、机に座る

ソファの正面、テレビのすぐ横にパソコンデスクはあった


「こと〜、素直になったらどうすか?」


「うっさい」


2人は後ろでまだ言い合っていた


「あの、起動しました」


「はい、じゃあ、はじめましょうか」


「あ、椅子これしかないんですが、大丈夫でしょうか?」


一応、クッションがついた折りたたみ椅子を2つ買ってきていた

オレはゲーミングチェアから立ち上がって、2つの椅子を設置する


「いいっすよ〜

あらあらパイセンは、そのまま自分の椅子に座ってください

わたしはコッチで〜」


あめちゃんは椅子を持ってオレの左側に座った


「、、、」


こと様は右手に座る


JKに包囲されることになり、ドキドキする

なんだか左右から良い匂いがしてくるんだが、、


「じゃ、編集ソフト開いてください」


「!、、わかりました!」


(よこしま)な気持ちを封印して画面に集中する


「まずは、カットとシーン切り替えについてですが、おじさんのところの動画は少しテンポが悪かったり、急にシーンが切り替わって見にくいことがあります

そこを直していきましょう」


「お、お願いします」


「へ〜教えるのは積極的なんすね〜」


あめちゃんは両肘を机について、こと様の方を見ている

オレとの距離が近くて肩が当たりそうだ


「、、うっさいわね、あんたが誘ったんでしょ」


「じゃ、ことに任せるっす〜」


こうして、いつも画面の中で見ている2人に直々に習う動画編集の勉強会が始まった

とは言っても基本的には、こと様が教えてくれて、あめちゃんはちゃちゃを入れるだけだ


「なるほど、勉強になります

ありがとうございます、こと様」


「いえ、べつにこれくらい、大丈夫です」


「はぁ、かわいくないっすね〜」


「うっさい」


2時間ほど教えてもらって、今はまたソファに戻って休憩している


「ねぇ、パイセン、次はいつ空いてますか?」


「え?土日は、ひまちゃんと、こと様との相談会以外は空いてるけど?」


「相談会?なんすか?それ?」


「動画投稿のことを相談させてもらってるんだ

月に1回か2回くらいかな」


「ふ〜ん、わたしには抜け駆けしてたんすね?」


「あんたがそんな気持ちなんて、知らなかったし」


「ま、いいっすよ

じゃあ、わたしとの勉強会も月1くらいでやりましょ

なんだかんだでスケジュールパンパンですしね

あ、ことも来てもいいっすよ

来なくてもいいっすけど」


「、、来る」


「そっすか」


話がオレ無しで進んでいく


「あの〜ありがたいんですけど、オレの家でやるのは色々問題なのでは?

2人はアイドルですし」


「あ〜パイセンも男っすからね〜

襲われちゃうかもですしね?」


「じゃ!じゃあ!カフェとか!個室のあるお店とかにしますか!

ノーパソとか持ってって!」


襲ううんぬんの否定を忘れて提案する


「でも、ダメっす〜

ここでやるんすよ」


あめちゃんがニッコリとオレの方を見ながらスマホをチラつかせる


あの音声をばら撒くぞ?


そう言われている気がした


「、、はい、わかりました」


「じゃ!次はこの辺の日程で!」


あめちゃん主導で次の日程が決められた


「これから楽しみっすね〜

あ、そういえば、オタクの部屋のくせに、わたしたちのグッズがないのは、なんでなんすか?

なんかムカつきますね」


「え?あ〜、祭壇は寝室だから、、」


「祭壇!祭壇あるんすね!

見たいっす!」


「ええ!?、、ま、まぁいいけど、、」


少し恥ずかしいが、オレがディメコネのファンだというのは2人は知っている

というか、その対象の2人だ

まぁいいだろうと思って、寝室の間仕切り扉を開いた


ベッドの隣にある、本棚兼用の祭壇を紹介する


「おぉ〜、これがあらあらパイセンの祭壇っすか

まぁでも思ったより派手派手じゃないっすね

リスナーの中には部屋中グッズだらけの人もいますから

これくらいなら、わたしは全然キモイと思わないっすよ」


、、つ、つまり、部屋中だとキモイということなのだろうか

す、すこしショックだ


オレの祭壇は本棚3段分くらいでグッズも20個あるかどうか程度だった

祭壇としては質素な方だが、あめちゃん的にはそれが良かったらしい


「私のサイン、飾ってくれてるんですね」


「はい!それはもちろん!

こうやって、ライトアップもできるんですよ!」


オレは、こと様にディメコネ本社でもらったサイン入りカードを自慢げに紹介する


アクリルボードに入れて、さらに透明なカバーをかけて、その中にLEDテープでライトアップできるようにしているのだ


もちろん、ひまちゃんのサイン入りカードも同じようにしている


「、、ひま先輩と同じ」


「はい!2人に貰った宝物です!」


「そうですか、、」


「嬉しいくせに素直じゃないっすね〜」


「メー、あんたホントうっさい」


「はいはい

てか、わたしのグッズ、一個しかないじゃないすか

ムカつきます」


そう、オレはあめちゃんを推しはじめたのは最近だ

だから、この前の誕生日記念配信のアクリルスタンドしか持っていない


「ご、ごめん、正直、最近推しはじめたから、、」


「ふ〜ん、最近は推してるんですか?」


「うん、そうだね」


「ならイイっす

あ!わたしもサインしてあげますよ!

そのアクスタ貸してください!

ペンありますか?」


「えぇ!?いいの!?

あー!でもサインペンなんてないな!

な、なんてことだ、、」


「ふふ、じゃあ次回、サインしてあげますね」


「マジか!神だな!」


また、祭壇がグレードアップしてしまう

おそろしいが、嬉しすぎる


ひまちゃんにサインをもらったときは、うだうだと断ろうとしていたが、

今となってはサイン欲しい欲しい病にかかっていた


あのときは、非売品をこっそり手に入れる、というファンとしての禁忌を犯すことにビクビクしていたが、今は違う


だって、毎日推しのサインを見ていると幸せになれるんだもの


やっぱり欲しいよサイン


「そっかー!次回が楽しみだな!」


「子どもみたいっすね〜

無邪気な一面もいい感じっす」


「あ、なんか恥ずかしいな、ごめん、はしゃいじゃって」


「大丈夫っすよ、あっ、そろそろ配信の準備しないとっす

そろそろ帰りますか〜」


「そうね、そうしましょう」


「あ、2人とも今日は色々と教えてくれてありがとうございました

また、よろしくお願いします」


オレは玄関で頭を下げる


「いいっすよ〜、わたしが無理やり押しかけたんすしね〜

じゃ、また〜」


「おじさん」


「なんでしょう?」


「いえ、、また来ます」


「はい、お願いします」


2人に手を振って見送る


「ふぅ、、緊張した〜」


2人が帰った部屋はガランとしていて、いつもより広く感じた


少し寂しさを感じつつ、さっき、こと様に教えてもらったことを復習して、

メモに残す作業を始める


せっかく、あの、こと様に習ったんだ

絶対に活かしたい


そんな気持ちでいっぱいであった



--甘梨あめだま視点--


あらあらパイセンとの帰り道、わたしは親友と話していた


「ことは、あらあらパイセンのこと好きなんすか〜?」


「あんたには関係ないでしょ」


「わたしは結構好きなんすよね」


「、、、」


「だから、ことに報告したんです

略奪愛になるかもって思って」


「、、、」


「いいんすね?

パイセンのこと、とっても?」


「、、ダメ」


「ふ〜ん、ま、今はそれでいいですけど、わたしはガンガンアピールするっすから

よろしくっす〜」


「、、、」


その日、わたしは、改めて親友に宣戦布告した


はじめて気になった人だ

負けてあげるつもりはない

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ぜひよろしくお願いします!

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