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第38話 甘梨あめだまとデート(前編)

会社の打合せスペースにて


「ん〜、やっぱりコラボが終わると再生回数伸びなくなったねー」


「そうですよね、、予想してはいましたが難しいですね」


「、、うちの力不足で、、ごめんなさい」


「いやいや、のんちゃんはなんにも悪くないから、こうなることは予想してたし、新人VTuberの中ではかなり伸びてる方だしね」


「そうなん?なら、いいけど、、」


「でも、やっぱり自分たちだけの動画で伸ばしていかないとねー」


「だね、でも、しばらくはマイクラでのお菓子の国作りは続けていこう

リスナーのアイデアはまだまだ沢山あるしね」


「そうですね!」


ありがたいことに、あめちゃんとのコラボのおかげでTwitterには、 Kanonへの建築アイデアが沢山投稿された


うちのお菓子を題材にしてくれたものもあるし、

クレープやパフェ、アイスクリームなど、お菓子を連想する甘いスイーツのお家なんかのアイデアもある


これらをもし全部作っていったら、かなりの動画の本数になるだろう

まぁ、それは冗長になりそうだから、やらないと思うけどね


マイクラ以外にも活動はしていかないといけない


「ゲーム実況と並行して、歌ってみた動画も投稿していきたいですね

やっぱ、Kanonの強みは歌ですから」


「そうだね、じゃあ明日の会議までに、どの曲にするか、みんなで候補を出し合おうか」


「わかりました」


こうして、その日の会議は終了した



ピロンッ


自宅に帰ると、LINEにあめちゃんからのメッセが届いた


あらあらパイセンちわっす〜

今度の土曜日って空いてないっすか〜?


土曜日ですか?特に予定はないですけど


そうすか〜

なら、ちょっと1日付き合ってほしいっす〜


もちろん大丈夫ですけど、なにか困ってることがあるんですか?


あめちゃんがオレに連絡をくれたということは、まだ顔バレ炎上のことで相談があるのだろうか?

と思い質問する


いやいや〜

そういうのじゃないっすよ〜

とにかく、土曜は10時にここに来てくださいっす〜


位置情報が送られてきた

場所はお台場だ


わかりました

じゃあ、当日はよろしくお願いします


はいは〜い

こちらこそっす〜


いったいなんだろうか?

そこでふと、結木課長のことを思い出す


あめちゃんとのコラボ以来、オレはあめちゃんのことも追うようになった


だから、今となっては、あめちゃんのリスナー、ちゅぱかぶら、でもある


そんなオレが熱狂的な ちゅぱかぶらの結木課長を差し置いて、あめちゃんとプライベートで会う、、


「もしバレたら殺されるな、、」


そう独り言を呟いてから、課長のことを考えるのはやめた

怖すぎる



週末


東京テレポート駅で、あめちゃんがくるのを待っている


改札の方をみていると、ロリータなフリフリの服を着た あめちゃんが歩いてくるのを見つけることができた


茶色ベースのスカートに白のブラウス、大きな茶系のリボンを胸のあたりに付けている


「こんちわっす〜

あらあらパイセン」


「こんにちは、コラボ以来ですね

今日はどうしたんですか?」


「ん〜、パイセンは何の用だと思ったんすか〜?

そんなバッチリきめてきて〜」


オレの服装をジロジロと見る


きまっているのだろうか?

女性と会うときの服なんてよくわからないので、マルイでマネキンが着ていた服をそのまま買ったのだが


「えと、女性と会うならキッチリすべきかと思いまして」


「なるほど、なるほど

わたしのことを女性扱いしてくれるんすね〜

さすが、あらあらパイセン

女ったらしっすね」


「えぇ!?そんなつもりは微塵も!」


「ははは、冗談っすよ〜

で、今日はなんでお呼びしたと思いますか?」


「えーと、あめちゃんの相談ごとではない、ということだったので、

こと様のこととか??」


「む〜

デートに他の女の名前はタブーっすよ〜」


「で、ででで、デート?」


「そうっす〜

今日は、あらあらパイセンとデートしたくて、お呼びしました」


「な??なんで??」


「そんなの、わたしがあらあらパイセンのことが気になるからに決まってるじゃないっすか〜

じゃ、行きますよ〜」


そこまで言って、あめちゃんは歩いていく


「えぇ!?」


慌てて後を追った


改めて、あめちゃんのことを見ると、いつものツインテールのリボンが服に合わせて茶系のストライプ柄になっていて、

靴はピカピカのパンプスだ

カバンも新品に見える


コラボのために会社に来たときよりも、オシャレしているように見えた


「あ!あの!デートって一体!?」


「そのままの意味っすよ〜

あ、手つなぎます?」


左手を差し出される


「い、いや!恐れ多いです!」


ちゅぱかぶらのオレがあめちゃんと手を繋ぐなんて許されないよ!


「ふ〜む?まだ手はダメですか、なかなか手強いっすね」


言いながら、あめちゃんは手を引っ込める


「まずは、あそこにレトロな駄菓子屋があるんですよ〜

そこに行ってみましょう」


オレは言われるがままに、あめちゃんについていく


正面には東京ジョイポリスの看板が見えた

その建物に入っていく


「おぉ〜はじめてきたっすけど、面白いっすね〜

昔のアニメみたいな風景っす」


そこには、昭和感があるレトロな駄菓子屋があった

看板をみるとハイカラ横丁と書いてある


「へ〜ホントですね、面白い

なんかワクワクしますね」


「ですよね、あ、このお菓子、あらあらパイセンのとこのですね」


あめちゃんがお菓子の1つを手に取ってそう言う


「ホントですね、うちでこんなの作ってたんだ」


うちのチョコ菓子が、レトロ風なパッケージに姿を変えてそこに並んでいた


「勉強不足っすね〜」


「ははは、そうかもしれませんね」


「、、あの〜」


「なんですか?」


「その敬語やめませんか〜?

わたし、パイセンより年下っすよ〜?」


「え?いや、だって、あの あめちゃんですから

敬意を払わないと」


「なんすかそれ〜

1人の女性として見てくれてるんじゃなかったんすか〜?」


「それは別にそういう意味じゃなくて、、」


「いいから敬語やめてください」


「いや、そういうわけには、、」


「、、」


あめちゃんは無言でカバンを開けてスマホを取り出した

にっこりしながら、オレの方に向けて画面をタップする


『あぁ!オレはあめちゃんとエッチなこと--』


「わぁ!わぁ!なに再生してるんですか!?」


「敬語やめなかったら、この音声を大音量で流します」


それはオレがカラオケであめちゃんに言ったセリフだった


「な、、なんて、恐ろしいことを、、」


「敬語やめてくれますね?」


「わ、わかりま、、わかった、、」


「おっけーっす〜

それじゃ、ぶらぶらしましょ〜」


言いながら店内に入っていった

おそろしい子だ、、


「あ、このラムネ美味しそうっすね〜

パイセン買ってください」


「え、あ、わかった」

オレはねだられるがままラムネを買う


「これどうやって開けるんすか?」


「えーと、この蓋を使ってビー玉を押し込むんだと思う」


「やってくださ〜い」


「わかった」


言いながらビー玉を押し込んですぐ離す


すると、どばどばっとラムネが溢れ出した


「おわっ!?」


あわてて口をつけて飲むが、結構床にこぼしてしまった


「あはは!なにしてるんすか〜

パイセンはおもしろいっすね〜

すいませ〜ん

ちょっとこぼしちゃって〜」


すぐにあめちゃんが店員さんを呼んでくれる


「ま、まさかこんなにこぼれるとは、、」


「それで、ラムネどうでした?

美味しかったっすか〜?」


「ん?そういえば、うん、美味しかったと思うよ」


「なら、わたしも飲むっす」


言いながら瓶をひったくられて、あめちゃんがラムネを飲んだ


「あっ、、」


オレが口をつけた瓶にだ


「ホントだ、美味しいっすね

はい、残りはあげるっす」


ゴクリ、、

え?最近の若い子ってこういうの気にしないもんなの?


「飲まないんすか?

そろそろ次いくから飲んじゃってください」


「わ、わかった」


ええい!ままよ!

と気にしないようにして飲み干す


「、、間接キスですね?」


「んぐ!?ゴホッ!ゴホッ!」


あめちゃんが悪戯っぽい顔でニンマリしていた

気にしてないと思ったら、そんなトラップが!?


「じゃ!次いきましょー!」


先に立ち上がった あめちゃんの横顔は少し赤くなっているような気がした

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