第35話 幼馴染とサシ飲み
グビグビグビっ!
「あぁー!
もう!あっくんはホントあかん!
ぜんぜんなっとらん!」
のんちゃんがビールを煽りながら愚痴っていた
「ディメコネ!ディメコネ!
ひまちゃん!ひまちゃんって!
あっくんの担当は、うちやろ!」
そう言ってジト目で睨まれる
「あはは、、ごめんごめん」
オレも隣に座ってビールを飲みながら答える
「ホントに悪いと思っとるん!?」
「おもっとるおもっとる」
のんちゃんをテキトーにあしらう
「ぷー」
のんちゃんは不満そうだ
「それにしても、無事コラボが終わってよかったね
あめちゃんの炎上のときは焦ったけど」
「それは、うちも焦ったけど
写真集を出すなんてな〜
びっくりやわ」
「だよね」
「でも思ったんよ〜
なんか、あめちゃんと、あっくんさ〜
炎上騒ぎの後から仲良くなった?」
「え?そんなことないと思うけど」
「そうかなぁ〜
うちの気のせいなんかなぁ」
ドキドキする
プライベートで、あめちゃんたちと会ってたなんてバレたら、めっちゃ怒られそうだ
「いやー!
それにしても、のんちゃんと、あめちゃんが仲良くなってよかったよ!
最初はどうなるかと思ったけど!」
「あー、最初はからかわれて、歌とか歌わされたなぁ」
「あ、でも、のんちゃんのアカペラすごい良かったよ
なんだか小学生のころを思い出した
あのときは、いつも公園でアカペラで歌ってくれたもんね
あのときもキレイな声だったなー」
「ん〜
(小声)急にキレイとか言うな、アホ、、」
「え?」
「なんでもないわ!アホ!」
そういう、のんちゃんの頬は少し赤いような気がした
飲み過ぎだろうか?
「アホですいまへん」
「そうや!アホんだらー!今日は飲むでー!」
そう言って、のんちゃんはグビグビと飲み進めた
・
・
・
2時間後
「いや、だってさー
オレはマネージャーじゃないし、推しにデレデレするのはしょーがないよー」
「しょーがなくないわ!
このやろ〜
おまえは、うちのマネージャーだろ〜」
「いや、違います」
「んあ〜?」
のんちゃんの受け答えが怪しくなってきた
だいぶお酒が回ってきたようだ
「とりあえず、お水飲もうね」
「ん〜
いらな〜い」
「はいはい、お水ですよ」
「ん〜
飲ませて〜」
「はいはい」
コップをのんちゃんの口元に運ぶとチビチビと飲み出した
「んな〜」
飲み終わったあと、机に突っ伏す
完全に出来上がっていた
「あー、、」
自分の限界知らないパターンだったか
ちょっと酔いが覚めるまで待たないとダメそうだな
ということで、しばらく1人で飲んで時間をつぶすことにした
・
・
・
1時間後
ゆさゆさ
「のんちゃん、そろそろ帰るよ」
オレはのんちゃんの肩を揺らしながら声をかける
「ん〜
あいあい、わかったわかった」
のんちゃんは一応目を開けて立とうとする
でも、その足元はおぼつかない
危なそうなので、肩を支える形で店を出ることにした
お会計を払ってお店の出入口に向かいながら、のんちゃんに声をかける
「のんちゃんの家ってどこなの?
送っていくよ」
「ん〜?
まだ帰らないよ〜?」
「はいはい、おうち帰りましょーね」
やれやれ、という感じであしらいつつ、ドアに手をかける
外に出たら、とりあえずタクシー捕まえるかー
「じゃぁ〜
今からあっくんのおうちにいく〜♡」
のんちゃんがそんなことをいいながら抱きついてくる
「ちょっ!?
さすがに幼馴染でもやりすぎ!」
大人になった、のんちゃんはそりゃ出てるところは出てるわけで
抱きつかれたら、さすがにドギマギしてしまう
でも、この酔っ払いを払い除けるわけにはいかず
どーしようと店の前であたふたしていたところ、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「、、浮気」
?
「浮気の現場だ、、」
???
花守りであるオレが聞き間違えるはずがない
だって毎日聞いてるわけだし
だって大好きなわけだし
そんな人の声を聞き間違えるはずないし?
そこにいるはずがない
ひまちゃんがそこにいた
オレの方を見て
「うわき、、うわき、、」
と呟いている
オレの方を見てはいるが首は斜め下を向いていた
目は光を失って一点を見つめている
「ひまちゃん?」
オレは恐る恐る声をかける
「うわき、、うわっ」
声をかけられた
ひまちゃんが口を閉じ
首をゆっくりと上に動かして
オレと目が合う
「、、、」
なにも言わない
「えと、ひまちゃん、こんばんは?」
いるはずもない、ひまちゃんに気の抜けた言葉しかかけれなかった
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