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第20話 餅は餅屋、VTuberのことはVTuber

「そういえばさ、キミ、お仕事でVTuberのマネージャーやるんだよね?」


「あーうん

マネージャーというよりは、どんなことをやっていくか企画したり、本人をサポートしたり運営していく感じになると思う」


「ふ、ふーん?

それでそのデビューする子が幼馴染なんだ?」


「うん、そうなんだよ

10年以上会ってなかったからビックリしたよ、ホント」


「へーー

ちなみに、その子かわいいの?」


「?一般的に言えばかわいいんじゃないかな?」


「む、キミは誰が一番かわいいと思ってるの?」


「?ひまちゃんだけど?」


「、、、

なら、、いいけど」


さっききたジュースのストローをちゅーちゅーと吸いながら、ひまちゃんが下を向く


?なんだったんだろう?


「それで、どんなキャラクターにするのかは決まったの?」


「いや、デビューの仕方は決まったんだけど、キャラデザはまだ何もやれてないんだよね

やり方もよくわからないし」


このあたりは今後議論していくことだが、デザイン経験がないオレたちはかなり苦戦しそうな案件だった


「それならイラストレーターさんに依頼した方がいいんじゃない?

社内でオリジナルで作ってるところは少ないんじゃないかなぁー?」


「た、たしかに、、」


ひまちゃんや、こと様には、生みの親のイラストレーターさんがそれぞれいて、

VTuber界隈では、そのイラストレーターさんのことを○○ママ、○○パパという愛称で呼ぶのが通例だった


「キミの会社ってあのお菓子メーカーなんだよね?

だったら大きい会社だから断られることはないと思うよ

有名なイラストレーターさんは、個人からの依頼はNGにしてる人がほとんどだけどね」


「ふむふむ、なるほど」


「もし困ってるなら、なまこママにお願いしてみたら?

Twitterのプロフィールに連絡先書いてあるから、そこにメールすれば返信あると思う

不安ならわたしから一声かけておくし」


「マジで!?

なまこママにお願いできるなら最高だよ!」


なまこママとは、ひまちゃんの生みの親、花咲ひまわりのキャラデザをしたイラストレーターさんだ

なまこママ自身もVTuberをやっていて、たまにひまちゃんとコラボなんかもしている


「あ!でも、まだ会社で方針決まってないから、ちょっと待ってもらっていいかな!?」


「うん、おっけー♪

大丈夫だよ♪

じゃあ、今度のデートのときにまた打合せしよっか♪」


「う、うん!

そうしてもらえると嬉しい!」


仕事のことも大事だけど、

ひまちゃんと会う口実ができたことの方が嬉しい、というのが正直な気持ちだ


「じゃあ、今日はそろそろ行こっか」


「うん、今晩も配信あるもんね」


「さすがリスナーさん♪」


オレたちはカフェを出て駅まで一緒に歩いていく


「またね♪」

と手を振るひまちゃんに


「またね!」

と少し大きな声でオレは答えた



それから、ひまちゃんにはキャラデザのこと、Live2Dのこと、3Dのことなどを相談にのってもらった


依頼先をどこにするかとか、どんなソフトを使っているか、など色々だ


「これって情報漏洩とかにならないよね?」

と確認したが、


「ネットで調べればわかることしか教えてないよ〜

さすがにね」


とのことで、やはりひまちゃんはしっかりしていた


ただ、

「このデザインって相場はいくらくらいなの?」


と聞いたところ


「あ、そのあたりの詳しい金額はマネージャーさんしかわからないかも、、

うーん、、

あ!もしかしたら!」

と言って、ひまちゃんは電話をかけ出した


「あ!ことちゃん!

今、渋谷のいつものカフェにいるからきてくれない!?

うん、うん

おっけー!ありがと♪」


「え?こと様呼んだの?」


「うん!だって、キミ、ことちゃんと知り合いなんでしょ?」


あ、手紙を渡してもらったときに、知り合いだって把握されたんだっけ


30分くらいして、こと様登場


「、、、なんで、おじ、、

あなたがいるんですか?」


オジサンと言おうとしたが、ひまちゃんの手前気を使ってくれたのだろう

わざわざ言い直してくれた

ちなみに、オレはまだオジサンって年じゃない


「ことちゃん!来てくれてありがとー!

ちょっと聞きたいことがあって!

ことちゃんのときってキャラデザのデザイン費用いくらだった?」


「え?なんですか?突然?」


オレはこれからVTuberに関わる仕事をすること、その件についてひまちゃんに相談にのってもらっていることを説明した


「はーなるほど?

それを口実にデートしてるということですか?」


「いや?べつに?」

「いや?そうではないが?」


オレとひまちゃんが同時に反応する


「、、はー、まぁいいです

わたしもあなたにはお世話になってますし、協力しましょう」


「あ、ありがとうございます、こと様」


オレは頭を下げる


「あはは、キミって、ことちゃんのこと、こと様って呼んでるのー!?

おもしろすぎなんですけど!」


「そうなんです

この人、最初っからずっとこの呼び方なんですよね」


「いや、だって、リスナーとしては、こと様呼びが普通だし」


「まぁそうかもだけど、リアルで様付けの人なんて、ほとんどいないよー!」

ひまちゃんはまだ面白そうにしていた


「そ、そうなんだ」


そんな具合に、相談会には、こと様も加わり主に金額面について教えてもらうことが出来た


それから、多いときには2週間に一度、少なくとも月に一度は、ひまちゃんと会って相談に乗ってもらってきた


最近は相談内容も薄いものであったが、この会合を無くしたくないとの思いが強くて、無理にでも相談内容を作って、ひまちゃんを呼び出していた

ちょっとズルい気もするが、ひまちゃんはいつも楽しそうにしてくれるので、それに甘えてしまっている


と、いうことで、ひまちゃん、そして、こと様の協力もあって、Kanonは無事にデビューすることができたのだ


その過程をよく知っているから、Kanonのデビュー当日に、ひまちゃんがメッセージをくれたのだ


ここ数ヶ月のことを思い出していると

LINEに新しいメッセージがあることに気付く


Kanonさんのデビューおめでとうございます

とても素敵な歌とCMでした


こと様からであった


オレはすぐにスマホを手に取り、こと様への返信内容を考え出した


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