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第16話 幼馴染

「へー!

2人は幼馴染だったのかい!

たまたま同じ会社に入るなんて!

そりゃすごい偶然だねぇ!」


結木課長がビール片手に驚きの声をあげていた


「はい、オレもビックリしました」


コクコクッ

と、のんちゃんも頷く


オレたちは、新部署の懇親会と題して、結木課長に居酒屋に連れ込まれていた

今日は奢ってくれるらしい


「へー!

Kanonちゃんは、昔も歌が上手かったのかい!?」


「そうですね

のんちゃん、、あ、鈴村さんは小さいころから歌が上手でしたよ

よく聞かせてもらってました」


「あ、昔みたいに、のんちゃんでいいよ

うちもあっくんでいいよね?」


「あーでも、仕事中はどうなんだろ?」


課長の方をチラッと見る


「いいさいいさ!

ウチは3人だけだしね!

来客があったときに(わきま)えてもらえればオッケーさ!」


「ありがとうございます

じゃあ、また、のんちゃんって呼ばせてもらうね」


「うん」

カクテルをチビチビ飲みながら、のんちゃんはニコニコしている


「ふーん?」

結木課長がのんちゃんの方を見て

「なるほど」

と呟く


「ところで、新井くん」


「はい?」


「キミは彼女はいるのかね?

あ、これはパワハラじゃないよ

モラハラでもないよ」


なんか言い訳がましい

まぁたしかに最近すぐモラハラだのと問題になるし

役職がある人は注意しているのかな


「あー

残念ながらいませんね」


「へーそうなのかい」

「へーそうなんだ」


結木課長とのんちゃんが同時に反応する


「なんですか?2人して?」


「いやべつに」

「いやべつに」


またハモってる


「まぁ今日は楽しく飲もうじゃないか!

ささ!チェリーの新井くんも!」


ピッチャーを片手にオレのグラスにビールを注ごうとする


「、、、

課長、それはセクハラです、、」


「いやー!すまなかったね!

気をつけるよ!」


手のひらを頭にあてて、

たはー!

とでも言いそうな顔をしている

こいつ反省してないな、、


否定しても変な流れになりそうだったので、素直にお酌を受け入れてビールを飲む


ふと、のんちゃんの方を見ると、コップに口をつけながらこっちを見ていた

少しだけ目が合って逸らされる


なんだろう?

、、オレがチェリーなのを笑っているのだろうか?

いやいや、被害妄想がすぎるな、それとも酔いが回ってきたか


2時間ほど飲み会は続き、今日はその場で解散となった


「じゃあ、明日からよろしくねー!」

課長が手を振りながら去っていった


「うちらも帰ろっか」


「うん、そうだね

のんちゃんも電車?」


「うん」


同意を得られたので、駅に向かって歩き出す


「、、、よく、うちだってわかったね」


「え?」


「歌でわかったんでしょ?

うち、昔より上手くなったと思うんだけどなー

、、なんでわかったん?」


「んー、、

あのころ、のんちゃんが公園でよく歌ってくれてたじゃん?

オレ、それがすごい好きでさー

会社でのんちゃんの歌声聞いたとき、なんか、懐かしい感じがしてさ


あ!もちろん、今の歌もめっちゃ上手くて感動したよ!

なんていうか、心に響くっていうか!

鳥肌たったもん!」


「ん〜

(小声)そんなん言われたら、もう怒れんやん、アホ」


「え?」


「なんでもないわぁ

アホ」


そういう、のんちゃんの頬は少し赤いような気がした

飲み過ぎだろうか?


「アホですいまへん」


「、、なにふざけてるん」



のんちゃんとは幼稚園から小学校低学年のころまでよく遊んでいた


親の仕事の都合で京都に住んでいたころの話だ


のんちゃんは地元の子で、引っ越してきたオレと家が隣だったこともあり、仲良くしてくれた


でも、また親の仕事の都合で

小学2年生のときに引っ越すことになって、それっきり会えていなかった



「それにしても懐かしいなー

あのときは、あんなに小さかった、のんちゃんがこんなに大きくなって」


「それは、お互い様やろ」


「まぁたしかにね

そういえば、のんちゃんはいつオレのこと気付いたの?」


「最初からやね」


「え?な、なぜ?どうやって??」


「社員証の名前見て気づいた」


「あ!なるほど、、」

オレたちの会社では、首から社員証を掛けることになっているので、それを見たということか


「あっくんはアホやからなぁ〜」


「いやいや、でも人の社員証じっくり見る習慣ないし!」


「はいはい、言い訳はいいから」


「あーだから、最初会ったときと、次に会ったときで態度違ったのかー

オレが全然気づかないから怒ったわけね」


「そうやけど

あっくんから言われるとなんか腹立つなぁ」


「あい、ごめんなさい」


「ま、えぇけど?

うちの歌が大好きで歌聞いたらやっと気付いた、あっくんさん?」


「なんか

のんちゃんから言われると腹立つな」


「ふふ」


「ははは」


オレたちは、昔のように、遠慮のない、でも心地のいい雰囲気に戻りつつあった


「じゃあ、うちはこっちやから」


「あ、わかった

じゃあまた明日ね」


「うん、また明日

おやすみ」


「おやすみー」


オレは、のんちゃんを見送ったあと帰路につく

いやー面白い偶然ってあるもんだな


電車に揺られながら、これから、のんちゃんをどうやってVTuberとしてデビューさせるか考えていた


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