第162話 皆の下着姿を見た男の仮釈放
ひまちゃんたちの部屋に連れて来られたオレは、ひとまず椅子に座ることを許されていた
罪人から人間に昇格したらしい
これも、ここまで佐々木さんをおんぶしてきた功績あってのことだろうか
白目を剥いて倒れた佐々木さんはまだ目覚めずベッドに横たわっていた
「う、、ここは?」
テンプレみたいなセリフを言いながら目覚める佐々木さん
「お〜、佐々木っち目覚めたっすかぁ?
どんな気分すか〜?」
「あめちゃん?えーっと、私、たしか貸切風呂にみんなと行って、、
あれ?」
「お?都合よく記憶飛んでてウケるっすw」
「メー、、あんた最悪よ、、」
「ことちゃん、、私は一体、、」
「、、佐々木さんは、マネージャーとして頑張ってますよ」
「え?あ、ありがとうございます?」
「、、、」
その様子を黙ってながめるオレ
「、、なんであの人がここにいるんですか?」
そこでやっと、オレが自分たちの部屋にいることに気づく佐々木さん
「まぁまぁ、パイセンのこと、そんな目の敵にしないでくださいっす
わたし、パイセンのこと好きなんで、佐々木っちにも応援してほしいっす」
「、、はい?好き?あめちゃん?なに言ってるの?」
「だから、わたしはパイセンのことが大好きなんす」
「、、ふぅー、、そっか、夢か、これは、
おやすみなさい、、
すぅー、、」
「およ?寝た、、マジすか、、」
「とりあえず、この男ボコボコにしてええ?」
隣に立っていたのんちゃんがオレの肩を掴んで物騒なことを言い出す
こ、この、、ミントグリーンめ、、
「なんやそのスケベ顔」
「いやいや、いつもの顔ですけど?」
「腹立つわぁ、あんたは罪人なんやで?自覚あるん?」
「そんな、罪人なんて、、
誤解は解けじゃないですか〜」
「クソガキの差金ってのはわかったけど、うちらの下着姿みて興奮しとったやろ?」
「、、、」
「なんか言うてみぃ?」
「黙秘します、、」
「すけべ」
「、、、」
「あらとさん、どうしようね?ことちゃん」
「え?えーっと、奴隷にでもしましょうか?」
「あの、、ここはファンタジーの世界ではないのですが、、」
「うちは賛成や」
「なるほどー、ひまはよくわかんないから、ことちゃんに任せようかな?」
「そんな!?あんまりです!!」
「、、、」
ぷいっ
「ところで、リルちゃんはどうなったの?」
ひまちゃんがオレをみてからスルーしてリル姫のことを質問する
ああ!?ひまちゃんが無視するなんて!
ひまちゃんはそんな悪いことしないはずなのに!
「リルにはお説教してから部屋に戻しておきました」
「それで解決するん?」
「しないでしょうね、、」
「あのマゾもどうにかせんとなぁ」
「うんうん、その通りです、勘弁してほしいですよね、まったく」
「あんたもなぁ?」
「、、、」
「あらとさんはさ、、」
「はい!」
「あらとさんは混浴するつもり、なかったんだよね?」
「もちろんありませんでした!」
「でも、ちょっとは想像したんだよね?」
「、、、」
「あらとさん?」
「すみません!しました!誰とは言えませんが!」
「、、、ひま、あらとさんは悪くないと思う」
ひまちゃん!!
やっぱりひまちゃんは最高だぜ!!
「ひまちゃんは甘いなぁ、うちは有罪派や」
こやつ、、
「パイセンはむっつりなだけで、混浴する勇気はなかったと思うっす〜
だから無罪で」
まぁ、キミにはそう言ってもらわないと困るよ?
「私は、、そうですね、罰は必要かと思います」
「ば、罰とは、、」
「それは考え中です」
「なるほど、、」
と、いうことで、有罪2票、無罪2票となった
キョロキョロとみんなの様子を伺う
結局どうなるん?
「とりあえず、今日は釈放や」
「、、、」
ばっ!
心の中で両手を上げてガッツポーズをする
「罰については後日追って連絡する、行ってよし」
「は、はい、、失礼致します、、」
看守のような物言いの のんちゃんに顎で促されたので、とぼとぼと出口に向かう
こ、この、、ミントグリーンめ、、覚えとけよ、、
「あっくん?」
「はい!」
背中から声がかけられる
「反省するよーに」
「はい!もちろんです!サー!」
顔を見られていないのに、心を見透かされているようでこわかった
ガチャリ
そして、オレは一旦の形ではあるが、釈放された
「しゃ、、シャバの空気はうめぇぜ、、」
ガチャリ
「聞いとったで?反省してへんなぁ?
お仕置きひどいのにするからなぁ?」
ガチャリ
「、、、」
最悪だ、あのミントグリーンめ!
心の中で復讐を誓ってから、オレは自分の部屋に向かって歩き出した




