第159話 おさげメガネなマゾ女と貸切風呂
ピピ、ウィーン
「こ、ここだよね、、新井さん、、来てるのかな、、」
私は下駄箱の扉を一つずつ開ける
「あ、この靴、、新井さんのだ、、」
♢
「ふぅー、、いい湯だなぁ、、そして景色も最高だなぁ〜」
木の香りがする木製の浴槽につかりながら、腕を広げながら景色を眺める
素晴らしい癒しの時間だ
「、、はぁ、それにしてもあのメモ、なんだったんだろう」
あの4人の誰かが、こんなしょーもないイタズラするかな?
と考える
イタズラしそうなイメージが一番しっくりくるのはあのクソガキだ
でも、さすがのあめちゃんも放置するようなイタズラはしない気がする
あの子がやるとしたら、オレの隣で実行して、ぷーくすくすwと笑いながら煽ってくるようなイタズラをするだろう
だとしたら、誰なのか
ま、このあとの夕食で聞いてみるか
あ、てか長居してると遅れるよなぁ
もう出るかぁ
ものの5分か10分ほどしか入っていないと思うが、
なんだか長湯する気にもならず湯船から立ち上がる
タオルもなにも持たず脱衣所の方に向かうと
ガラガラ
「は?」
「え?」
目の前の扉が勝手に開き、
タオル一枚を胸の前に垂らした女の子がそこにいた
カポーン
「、、、」
「、、やっぱり、、」
「へ?」
「待ち伏せ、、してたんでしょ?」
「へ?」
オレよりもだいぶ小さい女の子
内股で柔らかそうな物腰
そして、タオル一枚では隠しきれないほどのご立派な双丘
メガネにおさげ、気弱そうな表情
リル姫であった
「言いつけ通り、、きました、、」
「は?」
「どう、、するつもり、、ですか、、」
「なにが??」
「こんなところに、、よんで、、」
「よ、よぶ??」
「、、裸、、」
「はい?」
リル姫がペラペラと何か言っていた
頬を染めて、オレのことをじっと見ている
裸、裸とは一体
リル姫の表情はどこか扇状的だ
そして、この子の目は、オレの腹の下をジッと見ていた
あれ?オレって今どんな格好だったっけ?
「おお!?」
「ひゃ!?にゃんですか!?」
「ジロジロ見ないでよ!!」
オレはツンデレも顔負けのセリフを言い放って、お湯の中にダッシュで引き返す
ざぶんっ!
「だ!だって!新井さんがこんなことに呼ぶから!」
「オレがキミを!?そんなことするはずないだろ!出てってよ!!」
「はう!?い!いやです!!」
「なんで!?」
「もう冷たくされるプレイは飽きました!そろそろ躾けてください!」
「はぁ!?なに言ってんの!?正直こわいよ!!」
「だ!大丈夫です!最初はみんなそうです!」
「だからなに言ってんのさ!?」
少しだけ振り返ると、ジリジリとリル姫がこちらに歩いてきていた
「こっちくんな!!」
「はう!!いや!!」
「つ!通報するよ!!」
「し!したら捕まるのは新井さんです!!」
「た、たしかに、、」
「はぁはぁ、、隣、失礼しますでしゅ、、」
ちゃぽん
リル姫がお湯に入ってくる音がする
体洗ってからにしなさいよ
そんな無意味なツッコミを脳内でしてしまうが、マジで無意味だ
マゾ女の暴走は止まらない
ピタリ
「ひっ!?」
背中に手を当てられた
「そ、、そそそ、それで、なにをすればいいですか?」
「なんもせず帰ってください」
「いやです、、もう我慢しないでいいんですよ?」
「してないけど!?キミに興味ないから!!」
「はぅぅぅ、、ひどいことばっか言って、、
きもちぃ、、新井さんは私のツボ、、よくわかってます、、
運命の人、、」
「こわいこわい!!マジで怖い!!
た!たすけて!!」
ざばっ!
オレは身の危険を感じて、お風呂からの脱出を試みる
たしか、扉には鍵があったはずだ
リル姫を閉じ込めてオレだけ逃げる!!
そう決心して、脱衣所への扉を目指し、駆けだした




