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第156話 不機嫌の理由、まだ負けてない

みんなで温泉街から近くの駅に歩いて行き、ロープウェイが乗れる駅まで電車で移動する


こと様のアドバイス通り、お土産は駅のコインロッカーに入れてきた

だから身軽だ


「えへへー、ここからはひまが隣〜」


ぎゅ


電車の座席に座りながら、左側のひまちゃんが手を握ってくる


「あわわ、、」


「わたしのことも忘れないでくださいっす」


ぎゅ


右側のあめちゃんも同様に手を握ってくれる


「わ、わすれるわけないけど、、」


温泉街では、のんちゃんとこと様が手を繋いでくれていたが、時間制限があったらしく、

このあとは、ひまちゃんとあめちゃんに交代したようだ


隣のひまちゃんとあめちゃんと会話しながら、ジト目の正面の2人をあまり見ないようにしていると、

電車はロープウェイに乗り換えできる駅まで到着した


電車から降りて、ロープウェイ乗り場に向かう


チケット売り場が見えてきたので、


「ここはオレが出すよ、みんなには父さんのことでお世話になったし」


と声をかける


「そっすか?ならお言葉に甘えるっす」


「いいのー?ひまは大丈夫だけど」


「ひま先輩、ここは男を立てるところだと思います、きっと」


「そ、そっか、なるほど、じゃあお願いします♪」


「うん、待ってて」


オレはみんなから離れてチケットを買いに向かった


「、、、」


「メー、あんた顔に出てるわよ」


「なにがっすか?」


「ひま先輩と喧嘩しないでよ?気まずいのよ」


「、、わたしは大人なのでそんなことしないっす」


「はぁ、、どこがよ、、」



「おまたせ〜、みんなの分買ってきたよ

15分後に出発だってー」


「ありがと♪あらとさん」


「ありがとっす〜」


みんなにチケットを渡し、近くのベンチで待っていると、ロープウェイが上から降りてきたので、係の人の案内に従って乗り込む


ロープウェイはすぐに出発した


「おぉ〜、、結構高いっすね、、」


隣のあめちゃんが怯えた様子で身体を寄せてくる


「あれ?絶叫マシンは楽しそうにしてたじゃん?」


「あれはなんというか、、

パイセンと遊んでで、、楽しかったから、、」


「え、、あの、、」


突然、上目遣いで塩らしいことを言われドキドキする


「おにいさん、そいつ高いところ平気ですよ

ぶりっ子です」


「へ?」


「ちっ、、余計なこと言うなっす

ホント邪魔な女っすね」


「あんたがあからさまだからよ」


「いー!ばーか!」


「バカはあんたでしょ!」


「ま、まぁまぁ、、」


ことだまてぇてぇがまたはじまってしまったのでなだめるのが大変だ

仲良いんだからもう


やんややんやと騒いでいると、頂上までは15分ほどで到着した


ロープウェイは山々の間を縫って進むような感じで、

下を見ると断崖絶壁で結構怖かった


でも、窓からの景色は自然豊かで絶景であった



「んー!頂上は空気がおいしいねー!」


ひまちゃんが両手を伸ばしてのびをする


「んー!たしかにそうだねー!おいしい気がする!」


オレも真似してみた


「うち、ちょっとお手洗い行ってくるわ〜」


「あーい、いってら〜」


「あらとさん!そこの展望台いこうよ!」


ひまちゃんが階段の方を指さしてそう言った


「うん!のんちゃん!展望台ね!」


「わかった〜」


のんちゃんに声をかけてから、4人で展望台への階段を上ると、そこには大自然を一望できる景色が広がっていた


山々の間には小さな町があり、ロープウェイが動いている姿も確認できる


「きれー!素敵な景色だね♪あらとさん♪」


「うん!そうだねー!」


「、、、」


「ほら、いくわよ、メー」


「うっさい、、」


「なんなのよ、あんた、、」


ぎゅ


遠巻きにおにいさんたちを見ながら、

悪態をついてるメーをめんどくさがっていると、

メーの方から手を握られる、珍しいことだ


「、、なによ?」


「わたしでも、、解決できたんす、、」


メーは展望台ではしゃぐひま先輩とおにいさんを恨めしそうに眺めながらそういった


「、、、そう、、」


自信満々にそんなことを言うメー


おにいさんとお父様のトラブルの件のことだろう


私は、なんて言ってあげればいいかわからなかった


だって、私には、、解決できなかったと思うから、、


「負けてないっす、、」


「、、、うん、そうね、、」


私はメーの手を握り返すことはできず、

メーのやつが握ってくる手の熱だけを感じていた


「負けないっすから!」


気合をいれたのか、少し力強くそう言って、メーのやつがおにいさんたちのところに向かう


アホのあいつは後ろからおにいさんに抱きついてあわあわさせていた


「、、ホント、、アホのくせに、すごいわ、、」

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