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第142話 温泉街に着いたらどこに行く?

「あれ?なんで課長が?」


「あっくん、ごめん、撒けへんかった」


待ち合わせ場所の旅館のロビーに行くと、そこには、のんちゃんと結木課長が待っていた

他のみんなはまだいない


というか、事前の打合せでは、課長は呼んでいないのだが


「新井くーん?あめちゃんと遊ぶのに、私のこと誘わないなんて、そんなヒドイことしないよねー?

まさかねー?いつもかわいがってるだろ?

キミの大切な上司だよね?私は?

ねぇ?ねぇ?」


「あ、、はい、、」


課長がずいずいと詰め寄ってくる

誘わなかったことを根に持っているようだ


誘ってないから部屋に戻れ、そんなこと言ったら殺されかねない


「も、もちろん課長も誘うつもりでしたよ?」


うそだ


「だよね!さすが新井くん!わかってるね!

あめちゃんいるところに私あり!だよ!」


「おまたせっす〜」


課長が満足げにしていると、タイミングよくあめちゃんたちがやってくる


「やっほー!待ったー?」


「ううん、今きたとこ」


「あれ?結木っちも来るんすか?」


「もちろんです!あめちゃん!」


「そうすかー、ちょうど良かったかもですね」


どういう意味だろう?


疑問に思ってると、あめちゃんの後ろの人物と目が合う


「私が、私が守るんだ、、みんなを、、私が、私が、、」


佐々木さんであった

ブツブツ言いながらオレのことを睨んでいる


「Oh…」


「佐々木っちもついてくるらしいっす

置いてこようと思ったんすけどね」


「そういうわけにはいきません!

私はマネージャーですから!」


「んー、なんか今日の佐々木っちこわいんすよねー

結木っち」


「はい!なんでしょう!」


「あとでちょっとお願いがあるっす」


「はい!なんなりと!」


あめちゃんがニンマリしている

悪巧みをしてるときの顔だ

、、オレに被害が及ばないことを祈る


「あ、あにょ、、」


「ん?」


クイクイ


後ろから服を引っ張られて振り向く


「、、、」


リル姫であった


「わ、、わたしも、、ついてって、、いいですか?」


「え?あー、えっと、、」


オレたちが遊びに出ることをどこで聞きつけたのか、リル姫もついてきたいらしい

オレとしては極力接触したくないのだが、、


「もちろんいいですよ、一緒に行きましょうね、リル」


こと様が独断で了承してしまう


「あ!ありがとうございましゅ!」


「ちょ、、こと様、、」


こと様に近づき、小声で話しかける


「冷たくしたら余計喜びます」


「で、、でも、、」


「大丈夫です、私が見てますから」


「あ、ありがと、頼みます」


予期せぬゲストが3人も増えてしまったが、出かける準備は整った

オレたちはみんなして、旅館の外に出る


温泉街の街並みは多くの人で賑わっていた


「雰囲気あるなー」


「せやねぇー、うち箱根温泉ははじめてや」


「オレもー」


「ひま!温泉まんじゅう食べたい!」


「いいっすねぇ〜、甘いもの食べるの賛成っす」


「はいはい、それは後で

目的に向かいましょう」


「はーい!ことちゃんお願いします!」


「では、こちらです」


オレたちはこと様に道案内を任せて目的地に向かう

道順を事前に調べてきてくれたらしい

しっかりしてる子だなぁ


「そーいえば、おばーちゃんはどうしたんすかー?」


「お、温泉に行くって、、旅館の、、」


「あー、なるほどっすー

リルはパイセンが気になってストーカーしてたんすか?」


「しょ、、しょんなことは、、」


「ふーん?パイセンはあげないっすよ?」


「ふえ?」


「メー、あんたリルに絡まないの」


「絡んでないっす〜、牽制してただけっす〜」


「それが絡んでるっていうのよ」


「あらとさんあらとさん!温泉街って歩いてるだけで楽しいね!」


「そうだねー!」


「あ!足湯だよ!湯気がモクモクしてるね!」


「だね!モクモクだね!」


うふふ

あはは


「、、頭お花畑ペアやな、、」


「花咲の名前通りっすね〜

頭に花咲いてるっていう」


「うまい!さすがあめちゃん!」


「、、ツッコんでほしいっす〜、こと〜」


「はいはい、アホなこと言ってないでキリキリ歩く」


こと様のナビのもと、10分くらい歩くと目的地についた


「ここみたいですね」


目の前の施設の入り口には、

大きな立体的な看板と、

リゾートっぽいヤシの木が生えていた


看板には、スパリゾートHakoneと書かれている


そして、その下には大きな立て看板があり、こう書かれていた


遊んで!浸かって!癒されて!

みんなで入れる温泉プール!


「おぉー、ここが例の、、ごくり、、

でも、ホントにいいのかな?」


「んー?なにがー?ひまたのしみー!」


「だ、だって、、み、水着、なんだよね、、」


オレ以外はみんな女の子だ

なんだか、悪いことをしてるような気分になる


「はぁ、ここまで来て何言ってるんですか

なんども話し合いましたよね?

それに、、私とは水着デートしたじゃないですか、、」


こと様はナイトプールのときのことを思い出したのか、顔を染めてオレの方を見てくる


「そ、そうだよね、何度も話し合った、うん、、」


「ホントは嬉しいくせに〜、むっつりパイセーン、行くっすよ〜」


「ゴーゴー!」


あめちゃんとひまちゃんが先陣を切って中に入っていく


「み!水着!?だ!だだだ!ダメです!!

あめちゃん!!」


佐々木さんが大慌てで後を追っていった


「みずぎ、、持ってきて、、ない、、です、、」


「レンタルがありますから大丈夫ですよ、いきましょ?」


「は、はい、、」


「あめちゃんの水着たのしみだな〜♪」


「あっくんもいくで〜」


「、、、」


とり残されたオレは、不安3割、期待7割くらいの心持ちで、プールへの一歩を踏み出した

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