第136話 社員旅行に推しを招待すればいいんじゃない?
「ボー、、」
「ボヤーン、、」
「2人とも仕事してー」
「あいーん」
「はうーん」
コラボ企画が終わりを迎えて、
オレと結木課長の脳みそも終わりを迎えていた
ディメコネと夢味製菓のコラボお菓子が発売されて、1ヶ月
本当にあっという間にこの1ヶ月は過ぎ去った
過ぎ去ってしまった
もちろん、発売されてからは配信で宣伝したり、
ひまちゃんたちコラボを受けてくれた4人と順番に生配信でコラボしたりと忙しい日々を送ってきた
配信するたびに、リスナーの人からお菓子買いました!っていう反響を見て一喜一憂し、
ヤル気もやり甲斐もどんどん上がって、
毎日ハイテンションで働いてたと思う
そして、1か月が過ぎてコラボが終わった
「ボー、、、」
「ボンボヤージュ、、、」
これが、その反動である
「はぁ、、2人とも、燃え尽きてしもたんやなぁ、、」
「へ?」
「あーん?」
「あーんってなんやねん、ケンカ売っとるんですか?」
「、、いえーいw」
「うざ、、話すら通じへんし、、」
オレの目の前で、のんちゃんと課長がケンカしている
とめないと
「け、ケンカは、よくないでぇ〜」
「は?あっくん?
はぁ、、こっちもか、、」
なんかのんちゃんが、頭を抱えてる
どうしたんだろう
大丈夫だろうか
オレは働かない頭でのんちゃんを心配するボー、、
「早くどうにかせんと、、」
トゥルルル
「あ、電話や
誰か、、ダメやな、、
えっと、この番号は内線やな
はい、営業部広報4課です
はい、結木ですか?
えー、、ちょっと手が離せないようで、、
はい、はい、わかりました
伝えておきます」
ガチャリ
「課長」
「あーい、、」
「総務の人から社員旅行どうするか回答してくださいって言われましたけど」
「シャイーンリョコー??」
「そんなアイーンみたいに言われても」
「、、のんちゃんっていくつだっけ?」
「はぁ?しばいたろか?」
「あ、ごめんくさい」
睨まれて少し頭が覚醒する
そして、ふと思いついたことがあって席を立って、課長の席に向かう
「課長、課長」
抜け殻になってる結木課長に近づき声をかける
「んあー?なぁーに?あらいくーん」
「社員旅行って、社員しか行けないでしたっけ?」
「社員?リョコー?
いやー?家族もいけるよー??たしかー」
「そうですよね
えっと、家族とか関係なく、取引先の人って招待できないんでしたっけ?」
「はにゃー??」
課長が首を傾げる
「いや、だから、ディメコネのみなさ」
ガタン!!
「新井ー!!」
「は!はい!!」
「オメーは天才か!?」
「そうかもしれません!!」
「オッシャー!総務に聞いてくらぁー!!」
ダダダ!!
課長は勢いよく立ち上がったかと思えば、その勢いのまま部屋を飛び出していった
「な、、なんやの、、いったい、、」
「あー、社員旅行にディメコネの皆さんを招待できないんですっけ?
って聞いてみたらああなった」
「なるほどなぁ、、
なぁ、あっくん」
「なぁに?」
「あんた公私混同してへんやろなぁ?」
「え?い、いや、、だって、せっかくコラボしてくれたんだし、、
お、お礼くらいしてもいいんじゃないかな?
って思っただけで、、」
ウソである
ボーっとした頭で考えたのだ
ひまちゃんたちと温泉旅行、、浴衣姿、、
いいね!!
と
「、、、」
あせあせ
「ふーん?あっくん」
「へい、、」
「うちの目見て答えてみい?」
「な、なぜ、、」
「怒らへんから」
チラリ
のんちゃんの方を見る
笑ってる
怖い
スッ
目を逸らした
「なんで目逸らすん?やましいことあるん?」
「ないよ??あ、あー、、のんちゃんの浴衣楽しみだなぁー」
「、、なんやそれ」
「えっと、、」
「えっち、、」
「えっち!?」
「そうやろ!!女の子にむかって!!」
「女の子?」
「おい」
「冗談!!冗談だって!!こわいよ!!」
「なら怒らせること言わんといたらええやろ!」
「かたじけない!!」
バーン!!
「よく考えたら総務部って、別の支社じゃん!!
誰か言ってよー!!」
課長が勢いよく帰ってきて騒ぎ出す
「電話!新井くん電話貸して!!」
「あ、はい、どうぞ」
内線をとって、課長に渡す
課長はルンルンで電話をかけはじめ、のんちゃんとのいざこざはうやむやになった
「誤魔化されへんで、、」
「、、、」
うやむやにならなかった
課長が電話してる間、オレはのんちゃんに平謝りして、本音ではひまちゃんたちに会いたいだけだと白状させられた
「それを公私混同って言うんや!」
と怒っていたのんちゃんだったが、課長がとまるわけもなく、話はどんどんと進んでいく
電話を切った課長は、すぐに別のところに電話をかけた
「あ!二宮さんですか!夢味製菓の結木です!
はい!はい!
こちらこそありがとうございました!
えっとですね!
この度のコラボのお礼としまして!
弊社で企画している温泉旅行に皆様をご招待したいと考えているのですが!
いかがでしょうか!
はい!はい!
では!メールにて詳細を送らせていただきます!
失礼致します!」
ピッ
「あらーい!」
「はい!課長!」
「メールの準備だ!」
「イエッサー!!」
「はぁ、、結局こうなるんか、、」
ノリノリの2人、頭を抱える1人
いつもの光景であった




