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第131話 マゾとのフラグをへし折ってやるんだからね!

「おはようございましゅ!」


ぽろっ


「はわっ!?大丈夫ですか!?」


「ああ!いえ!大丈夫!大丈夫です!すみません!」


オレは落とした手帳を慌てて拾いながらそう答える


ひまちゃんたちとの相談会から1週間くらい経った今日、

イラストレーターさんから上がってきたパッケージイラストの最終確認のためにディメコネ本社に来ているのだが、

会議室に入ってきたのは、二宮さんとリル姫であった


事前に聞いていた話では、今日は二宮さんだけのはずだったのだが


「すみません、リルもパッケージを見たいらしくて、

今日は簡単な打合せだったので、連れてきてしまいました」


「よろしくお願いしましゅ!」


「そ、そうですか、、あの、、島野さんは?」


リル姫だけだとなにかと気まずいので、壁役の人の姿を探す


「島野はマネージャー会議に出ているかと、

あら?もしかして、島野がお目当てでしたか?」


二宮さんがニンマリと笑い出す

はて?

あ!この人、オレが飯塚さんと島野さんに手を出してるって勘違いしてるんだっけ!


「いいえ!お目当てとかそんな!全くありません!」


「そうですか?私としては興味があるので色々聞きたいんですけどね、ふふ」


「あにょ??」


「あー、リルの前ですみません

打合せに入りましょう

リルは私の横に」


「はい!」


リル姫は元気よく二宮さんの横に腰掛ける

座りながら


チラリ


オレの方を見て、目があった


「、、、」


すぐに目を逸らして資料の方を見る


「はう、、」


なんか鳴き声が聞こえたような、、


「で!では!パッケージの最終確認を行いましょう!」


「そうですね、よろしくお願いします」


オレは、サンプルのパッケージを2人に渡し、リル姫の方にはなるべく目線をやらないようにして、打合せを進めた


「かわいく描いてもらえてるわね」


二宮さんがリル姫のパッケージを見ながら、リル姫に話しかける


「そうですね!嬉しいです!

ありがとうございます!」


リル姫がオレに頭を下げる


「、、さすが、なまこママですよね」


オレはリル姫の方を見ないように、スルーして、話を進める


「はぅぅ、、」


な、なにか間違ってないよな?

リル姫とは距離をおく、距離をおく


そう念じながら、話を進めたところ、15分ほどで会議は終了となった


「では!今日はこれで失礼しますね!」


「そうですか?島野に会っていかないんですか?

あ、それか飯塚の方でしょうか?」


「何度も言ってますが!なんにもありませんから!」


「ふふ、新井さんはシャイなんですね

いいんですよ、うちは自由恋愛の会社なんです

知りませんけど」


なんなんだ、最近の二宮さんはグイグイ首を突っ込みたがってくる

何度も打合せしたことで仲良くなったとは思うけど、勘違いで暴走するのはやめて欲しい


「誤解のないよう言っておきますが、自分には気になる方がいましてですね」


「はいはい♪で、どっちなんですか?

島野ですか?飯塚ですか?」


「え、、そうなんですか、、はう、、」


「どっちも違います!」


「んー、なかなか口を割りませんね

リルからも聞いてみてもらっていい?」


「え?わたしから?、、あにょ、、」


なんでここでリル姫に!?


「新井さんは、、Sですか?」


「はい?」


「あ!な!なんでもありませ!」


「あ!あー!Mです!」


「じゃあ!島野がいいんじゃないですか!

いや、、飯塚もあんまりしゃべらないですが、結構Sっ気があるし、、

どっちもありですね!」


この人マジでなに言ってるんだ

いや、大声でM発言してるオレも大概か


「えむ、、そうなんだ、、」


リル姫は見るからにガッカリしていた

よし!!よーし!!

恥はかいたがこれでいい!いいぞ!


「叩いたのに、、」


!?


「叩いた?リル、なんの話?」


「な!ななな!なんの話でしょーねー!

じ!自分はそろそろホントに失礼しますね!

お疲れ様でしたー!」


「あら?はい、お疲れ様です

帰っちゃった

んー、結局どっち狙ってるのかしら?

気になるわー

リルはどう思う?」


「え?、、わかりません、、」


「そうよねー、リルは新井さんと2回くらいしか会ってないものね

ねぇ!島野に新井さんと何かあるのか聞いてみてくれない?」


「え?、、でも、、この前、、しまゆーさん、、新井さんのこと、、きらいって、、」


「ええ!?そうなのー!?

だったら、飯塚の方なのかしら?

いや、それとも三角関係がもつれて!?

面白いことになってるわねー!

私からも聞いてみよ♪」


二宮さんは楽しそうにして会議室を出て行った


「、、えむ、、ホントなのかな、、」


新井さん、打合せのとき、私のこと、、ずっと、無視、してたよね?

あの冷たい目、ゾクゾクしたのに、、えむなんて、、ウソなんじゃないかな、、


わたしは自分の頬を触る

新井さんに引っ叩かれたことを思い出して、ゾクリと身体を震わせた



ゾクリ


オレは、ディメコネのビルを出たところで悪寒を感じて振り向いた


「だ、誰もいないよな、、」


独り言を呟きつつ、周りを確認してから会社への帰路につく


とりあえず、今日の打合せはOKだ

それに、リル姫にM発言したからこれでリル姫フラグもへし折ったはず


OK OK

なにも問題ない

これ以上問題は増やせない

すでに頭パンクしそうなのに


オレは問題は片付いたと考えて、軽くなった心で電車に乗りこんだ



仕事を終え、自宅に帰った後、今日の成果をこと様に報告することにした

LINEを開く


今日、ディメコネ本社でリル姫にオレはMだって言ってきたからもう大丈夫だよ!


はい?おにいさん?なに言ってるんですか?


ええっと--


オレは今日の一連の会話をこと様に説明する


それは、うーん、なるほど?


だから、大丈夫だよね!


そうなんでしょうか?うーん


おかしいな、こと様は褒めてくれるかと思ったのに


だ、ダメだったかな、、


え?いえ、よくわからなくって


そ、そっか、、


いえ!とりあえず良かったかもですね!


だよね!


じゃあ、これで、おにいさんはやっとコラボに集中できますね


コラボ自体はちゃんとやってるよ!

集中できてるよ!


ふふ、そうですよね

両立できて素晴らしいです


だって!すごく大切な人たちとのコラボだから!


、、なるほど、やっぱり天然たらしですね、、


な、なにが?


いえ、とにかく、今回のコラボ、私も楽しみにしてます

商品がコンビニに並ぶの待ち遠しいです


だよね!グッズも楽しみ!


またサイン書いてあげましょうか?


ホントに!?すごい嬉しいよ!!

ありがとうございます!!


いえいえ、私もちゃんとアピールしたいので

おにいさんだけの特別なサインを書きますね?


あ、ありがとう

ドキドキします


ふふ、ではそちらも楽しみにしていてください

次は勉強会ですよね、それではまた


うん!楽しみにしてる!

またね!


こと様にも認められ、リル姫フラグをへし折ったことを確認したオレは軽やかな足取りで風呂場に向かう


「明日からまた仕事がんばるぞー!」


風呂場に入りながら独り言を呟いて明日に備えて疲れを取ることにした


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