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第119話 推しのVTuberが自宅に集合

「へ〜、それで結局、あいつは会社辞めるんすね

あ、パイセン♡ココはこうした方がいいですよ♡」


あめちゃんが左腕にからみつきながら、耳元で甘い声を出す


「あ、うん、なるほど、、」


「私としては社会的に抹殺したいところです

おにいさん、手、まだ痛いですよね?

私が代わりにマウス動かしますよ?」


こと様がオレの右手をそっと上から握りしめ、上目遣いでマウスを動かしてくれる


「そ、そう?な、なら、、ありがと、、」


「ねぇねぇ!ひまもあらとさんの隣がいーい!

あらとさんあらとさん!

あ!ひまはココでたくさんハート出すと可愛いと思うよ!

あと!ネコちゃん!ネコちゃんのマーク入れようよ!」


ひまちゃんが後ろから椅子越しに首に抱きついて、そんなこと言いながら騒いでいた


「ほ、ほほう、、それはなかなか独特な動画になりそうだね、、」


日曜日、オレは、3人を自宅にお招きして、動画編集についてアドバイスをもらっていた

今日は、はじめてひまちゃんにも来てもらい、4人での勉強会だ

さっそく動画編集の相談をしているのだが、3人ともすごく密着していて、ドギマギしっぱなしであった


「ねぇねぇ!あらとさんもひまに教えてほしいよね!?」


ぎゅー

ひまちゃんの腕がオレの首に巻きつく


「ぐぐ、、ぐるじい、、ひまちゃん、、」


「パイセン死んじゃうっすよ」


「あっ!ごめんなさい!」


「ふ、ふぅ、、うん、全然大丈夫」


「ひま先輩落ち着いてください、もうちょっとしたら変わってあげますから」


「はーい、、、それっていつ?」


「、、1時間後とか、、」


「えー!もっと早く変わってよ!ことちゃん!

あと5分!」


「ひま先輩の頼みでもそれはイヤです!

そもそもジャンケンに負けたのは、ひま先輩じゃないですか!」


「そ、それはそうだけど!

がまんできないんだもん!」


「パイセン♡アホ2人はホッといてイチャイチャしませんか?♡」


左腕のあめちゃんが頭を肩にすりすりしてきた

かわいい、、


「えっと、、」


「あー!あめちゃんばっかくっつかないでー!」


ぎゅー

またしても首がしまる


「ぐるじいよ、、ひまちゃん、、」


「あ、ごめんなさい」


パッと解放される


「ふ、ふぅー、、」


「おにいさんがかわいそうです」


「だ、だって、、好きなんだもん、、」


耳元でそんなことを言われ、顔が熱くなる


「む、わたしもパイセンのことが大好きです♡」


「あ、、へへ、、」


「ちょっと!!おにいさん鼻の下伸びてますよ!!」


「あ!はい!ごめんなさい!!」


「はぁ、、わかりました、、あと10分で交代するので、ひま先輩は大人しく待っててください」


「わぁーい!ことちゃん大好きー!」


「はいはい、、

あと、、私も大好きですよ、、」


「え、、あ、、」


オレから目を逸らしながら、ポツリと言うこと様

頬は赤く染まっていた


「ほら!おにいさんはちゃんと集中してください!」


「は、はい!」


照れ隠しなのか、強い口調になったこと様に言われて姿勢を正す


「ことはかわいくないっすね〜

で、例のパワハラオヤジのこと、ホントにもういいんすか?

わたしんとこの弁護士ならまだ戦えますけど」


「ううん、ありがと

もう十分だよ」


「そうすか?んー、なんだかなー」


「えっとね、オレとしては、あいつにビビらなくなったことと、トラウマが克服できたことがすごく大きくて、満足してるんだ

それもこれも全部あめちゃんのおかげで、、

すごく、感謝してる

改めてありがとう」


「そ、そうすか?

は、はいっす、なら、よかったっす、、

ふふ、パイセンの助けになれて、すっごく嬉しいっす♡」


「あはは、あめちゃんには何度も情けないところ見られちゃったよね

めんぼくないっす」


「そんなことないっす

情けないなんて、全然思ってません

辛いときはそばに居ます♪」


「あめちゃん、、」


「パイセン、、」


2人して見つめ合う


「ふふ、それに弱ってるパイセンも可愛いっすよ♪」


「な、なんだよ、それー」


「ふふふ、冗談っす♪」


あはは、うふふと、2人で笑い合った

さも、2人っきりであるように


「、、ムカつく」


「2人の世界、、シューン、、ひまも入りたい、、」


「あ、、」


「無粋な人たちですね〜

ね〜?パイセン?」


「あ、えっと、、

ちょ!ちょっとお手洗い行ってきます!」


オレはすっくと立ち上がり、そそくさとトイレに向かう


「あ、逃げた

ちぇー、ま、いいっす、探検しましょ」


スパーン!


後ろからオレの寝室の扉を開ける音がしたが気にしないようにした

今戻っても気まず過ぎる

一旦トイレに退散し、深呼吸して心を落ち着かせる


「ふぅー、、」


それにしても、推しのVTuberが3人も自宅にいる

冷静に考えてもすごいことだ


あめちゃんとこと様には何度も来てもらって慣れつつあったが、

今日はひまちゃんもいる


オレがVTuberにハマったきっかけになった子だ

緊張しないわけもない


それに加えて、3人はオレのこと、、

今日もみんなから好意を寄せられて、ドキドキして、でも答えを出せてないことにモヤモヤして、でもやっぱりドキドキして、の繰り返しだった


「よ、よし、落ち着いた、、

戻ろう、、」


オレは用も足してないのに、一応水を流して、さもトイレ帰りのような(てい)で部屋に戻ろうとする


「あ、おかえりっす〜」


そうすると、オレの寝室からあめちゃんが悪びれもなく出てくるところだった


「、、なにしてたの?」


「ふふー♪

ひみつっすー♪」


「、、、」


クソガキのニヤつく顔に嫌な予感しかしなかった


「あ、、おかえりなさい、、」


「ん?ただいまー」


あめちゃんの後ろのひまちゃんがどこか浮かない顔で声をかけてきた


「あれ、ひまちゃんももしかして、オレの祭壇見ちゃった?

あはは、恥ずかしいな〜」


もしかして、祭壇に飾ってあるグッズがひまちゃんだけじゃないことにショックを受けたのかな?

と思い、ちょっとした探りを入れてみる


「え?あー!うん!ひまたちのグッズ沢山あって嬉しかったよー!」


あれ?違ったのかな?

じゃあ、なぜ浮かない顔を?


不思議に思っていると


「えと、、えと!ひまもおトイレ!」


「あ、うん、どーぞ

廊下を出て左手です」


「はーい!」


オレの横をひまちゃんが通り過ぎていく


「ふふーん♪」


前にいるあめちゃんがなにか得意げな顔をしていた


「どしたの?」


「いえいえ♪ぜんぜんなんでもないっす♪

余裕の微笑みってやつです♪」


浮かないひまちゃんに対して、あめちゃんは上機嫌だった


「はぁ、、あんた大人気ないわよ、、」


「べー!

これは戦いなんすから、いい子ちゃんしてても勝てないんす!

この負け犬ー!」


「まだ負けてないわよ!」


「おおう、、」


ことだまは今日も絶好調だ

てぇてぇという名のケンカが始まった


「あ!あらとさーん!」


「おおう?」


廊下の向こうからひまちゃんに呼ばれる


「なにー?」


「ちょっと来てー!」


なんだろう?トイレットペーパーはあったはずだけど

hololive SUPER EXPO 2024も開催決まりましたね!

今年も現地いくでー!!

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