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第115話 美人マネージャー3人衆に詰められる

「あらぁ〜?新井〜、久しぶりですね〜?

このやろ〜」


「、、、」


会議室に入って第一声、しまゆーこと、島野マネージャーにそう言われた

こと様のマネージャーさんだ


「ええ!?島野先輩!お客様ですよ!失礼ですよ!」


「ササちゃんはお座りしてましょうね?」


佐々木さんがフォローしようとするが肩を掴まれて着席させられる


島野さんは、グレーのスーツにタイトなミニスカート、長い髪で細目なおっとりとした雰囲気の女性だ

セリフ以外は。


いや、バインバインに強調されたお胸もオットリはしていなかったが、そんなところを見ていたら殺される雰囲気だということくらいオレにもわかる


何も言わず、何も見ないように心掛けた


「いのちゃん、呼んでくれてありがと〜

私もこいつとお話したかったの〜」


「だと思ったから呼んだだけ」


ドスッ


飯塚さんはオレの前を素通りし、椅子に腰掛けた


「新井さんも座ったらどうですか?」


飯塚さんにそう促されるが、テーブルを挟んで左には飯塚さん、右には佐々木さんが座っていて、その前には島野さんが立ちながらオレを見ている


これは、飯塚さんの隣に座ればいいということか?

そう思い、一方踏み出す


「三股かけてるブタヤローが椅子に座る気ですか〜?

屠殺しましょ〜かぁ〜?」


「、、、」


足を止める


「私も同じ意見です」


飯塚さんにも詰められる


「あ、あの、、三股って、、なんの話ですか?」


佐々木さんは知らないようだ


「ブタさんは床に正座

しましょ〜ね?」


「、、、」


「座らないんですか?ブタ、、新井さん」


「すぅぅーー」


オレは言われるがまま、カーペットの地面に正座した


「新井さん!?お2人とも!お客様にこんなことさせちゃダメです!!

なんですか!?

2人が二股かけられたんですか!?

なら、会社の外でやってください!」


痺れを切らした島野さんが立ち上がって大きい声を出す

真面目な人だ


年齢は多分オレより若くて、あめちゃんのマネージャーらしい、可愛らしいファッションをしている

フリル付きのワイシャツに膝下くらいのスカートを履いていた

髪はウェーブがかかっていてフワフワだ


「ひまちゃんと〜、ことちゃんと〜

それに、あめちゃんのことです〜」


「え?なに?なに言ってるんですか?」


「三股かけられてるの、私たちの担当アイドルが〜

この新井に〜」


「え?、、新井さん?」


信じられないものを見る目で見られる

なにも言えない


否定しても、否定したとしても、

三股じゃなくて、答えを待ってもらっている、いわゆるキープしてる現状は十分に罪に値する

なにも言う資格はない


「なんで、なにも言わないですか?」


「、、、」


「ホントなんですか?」


「それを〜、いまから聞くの〜」


「、、、」


佐々木さんは、見るからにキレてる表情になりつつも、爆発しないように我慢し、オレを睨みつけながら黙って座った


地獄のはじまりだ


「それで、ブタ、おまえ、どういうつもりだ?

うちのアイドルに手ぇ出してただで済むと思ってんのか?」


飯塚さんがなんの遠慮もなくなった


「そうですよねぇ〜?前から気に入らなかったんですが、私のことちゃんをたぶらかしたんですか〜?

ねぇ〜なんなんですか〜?あたまどうかなってるんですか〜?」


「いや、、」


「ブタさんは許可なくしゃべらないでくださぁ〜い」


「、、、」


「しまゆー、とりあえず事実確認はしないと

ブタにもしゃべらせよう」


「そうですねぇ〜そうしましょ〜か〜

ブタさんでもちゃんとしゃべれますかぁ〜?」


「おい、結局のところ、三股かけてるんだよなぁ?

説明してみろよ、ブタぁ」


「、、かけてません、、」


「はぁ?なら、今どういう状況なんだよ?

ひまは恋のライバルが2人いるって言ったんだぞ?」


「ことちゃんは、メーには負けないって言ってました〜

つまり、こいつが三股かけてるってことです〜」


「サイテー、、」


飯塚さんと島野さんは、ひまちゃんとこと様のセリフからオレを三股ヤローだと勘違いしているらしい

そして、佐々木さんも今それを信じたようだ


「いや、、違います、、」


オレは正座して両手を膝についたまま、下を向いて話す


「どう違うんだ?あぁーん?」


ガチャリ


「あらあらパイセーン、ココっすかぁ〜?

ひま先輩とことも待ってま、、

なにしてるんすか?これ?」


「あ、あめちゃん、、」


救いの女神の登場に、オレはあめちゃんに熱い眼差しを送る


「あめちゃんに近づかないでください!」


それを見て、

佐々木さんがあめちゃんにかけより、オレから守るように抱きついた


「わぷっ!

なんすか!?なんすか!?

なにやってるんすか!?

ちょっと!佐々木っち!落ち着いて!」


「あめちゃん!目を覚まして!三股男なんてダメです!」


「は、はぁ〜?三股〜?」


あめちゃんはマネージャー3人と正座させられてるオレを順番に見て、状況を理解したらしい


「あぁ〜、なるほどぉ〜

まっ、たまにはパイセンも反省した方がいいんじゃないすか〜?

それでは〜」


あめちゃんは手を振って会議室から出て行こうとする


「まま!待って!あめちゃん!助けて!!」


「あはは!冗談っすよー!

必死になって!おかしー!

そんなに怖かったんすか〜?

あー、おもしろwww」


「メー、なに笑ってるの?」


「あ!あらとさんいたー!もー!展示室で待ってたのにー!

あれ?なんで正座してるの?」


こと様とひまちゃんも登場


「お、お助けを、、」


「ちっ!」


目の前の飯塚さんの舌打ちが聞こえてくる

この豚とはまだ話がある

邪魔が入ったな

そんな感情が込められていた


「なんか、うちらのマネージャーがあらあらパイセンを問い詰めてたっぽいっすよ〜

うちらが三股かけられてるとでも勘違いしたんじゃないすかね?」


その通りである


「えー!ひまたちそんなことされてないよー!

ねー!ことちゃん?」


「ええ、はい、、んー、まぁ、三股は、はい、、三股はされてませんね、三股は」


は、を強調するのやめて欲しい


「そうなんですか?よ、よかったたぁ〜

私、てっきり、あめちゃんが悪い男に騙されてるのかと思いました〜」


「あはは、違うっすよ、佐々木っち

心配ありがとうございます」


「ササちゃんは単純ね〜

3人がウソついてるのかもしれないわよぉ〜?」


「ウソなんですか!?」


「ウソじゃないっす

しまゆー、もうその辺で」


「え〜、いやです〜」


「島野さん、やめてください」


「は〜い、、」


島野さんはこと様の言うことは聞くようだ


「私はコイツを許さない」


「いのちゃん!どうしちゃったの!」


「ひまのことは渡さないから」


「な!なな!なに言ってるの!?いのちゃん!」


「こんなやつのなにがいいの!ひま!」


「ええ!?

えーっと、、あらとさんは、ひまがツラいときに助けてくれて、優しくて、ひまのこと1番わかってくれて、、えへへ、、」


「やめて!聞きたくない!」


「いのちゃんが聞いたのに!?」


カオスだ、カオスだった


そのあと、飯塚さんはオレのことを糾弾しようとしばらく騒ぎ続けた

しかし、それをひまちゃんがメインになってなだめてくれ、なんとかその場は落ち着いた


そして、ひまちゃんたちから、三股はかけられてない、ということをマネージャーさんたちに説明してもらい、

本当に一応ではあるが、マネージャーさんたちは溜飲を下げてくれた


ただ、飯塚さんと島野さんについては、別れ際までオレのことを睨んでいたので、

今日はとりあえず見逃してやろう、といったところなのかもしれない


次に会うのが憂鬱すぎる

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