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第113話 推しの事務所とお仕事の提案

月曜日、ディメコネ本社


「よし、、」


「準備はいいかい、、新井くん」


「はい、、」


オレは、課長と一緒にディメコネ本社に来ていた

エレベーターで5階に上がり、ひまちゃんたちが描かれた壁の前に立っている


「では、、」


オレは扉の方に近づき、手前の台に置いてある電話を手に取った


トゥルルル、ガチャ


「お待たせしました、ディメンションコネクト株式会社でございます

お約束のお客様でしょうか?」


「はい、お世話になります

夢味製菓の新井と申します

14時に二宮様とお約束をして参りました」


「はい、お待ちしておりました

扉を開けますので少々お待ちください」


ガチャリ


すぐに受付の方が扉を開けてくれる


「新井様、結木様お待ちしておりました

こちらへどうぞ」


受付の方は、来客が2人であることを把握していたようだ

中に招き入れてもらい、会議室に案内してくれる

会議室までの道中は、以前と同じでディメコネメンバーの等身大パネルがズラッと並んでいた


「それでは、二宮を呼んで参りますので、少々お待ちください」


受付のお姉さんがお茶を出してくれながら、そう案内してくれる


「はい、お願いします」


ガチャ


「ふぅ、、」


「緊張するね、、」


「ですね、、」


課長と2人になったところで本音が出る

数回目とはいえ、推しの事務所への訪問だ

緊張しないわけない


ガチャリ


扉が開いたのでオレたちは席から立ち上がる


「ご無沙汰しております、新井さん」


「あ!二宮さん!ご無沙汰しております!」


「お世話になります、、」

「お世話になります!」


二宮さんの後ろについて、飯塚マネージャーと佐々木マネージャーが入室する

ひまちゃんとあめちゃんのマネージャーさんだ


「お2人もご無沙汰してます!」


課長と一緒に頭を下げる

二宮さんは機嫌良さそうな笑顔、飯塚マネージャーは無表情、佐々木マネージャーはハキハキといった雰囲気だ


「今日は3人でお話を聞かせていただきます

その方が話もスムーズだと思いまして」


「そうなんですね!

それはあの!期待しちゃってもいいんでしょうか!?」


「ふふ、それはどうでしょう

でも、私個人としては、ぜひご提案を実現させたいと思っております」


「わかりました!何卒よろしくお願いします!」


やはり、二宮さんの反応は上々だ

コラボすることを想定して、マネージャー2人も連れてきたのだとしたら、イヤでも期待してしまう


「では!こちらが本日の資料になります!」


オレはディメコネのお三方に印刷した資料を配る

そして、大きめのタッチパネルをお三方に見せながら、プレゼン資料を開いた


「あ、今日はタッチパネルなんですね

以前は紙の資料だけだったような気がしましたが」


「はい!最近設備として導入されまして!

本日はこちらで説明させていただきます!

では、まずは1ページ目から---」


オレは最近導入されたタッチパネルを使いながら、今回の企画について説明していく


今回、ディメコネには、4名のVTuberとのコラボを依頼した

内容は、うちのお菓子のパッケージに印刷させてもらうこと、

対象商品を2個以上買うと、パッケージに描かれたVTuberの描き下ろしクリアファイルが貰える

という企画の提案だ


さらに、購入したバーコードを読み込んでポイントを貯めていくとクジに挑戦できる企画も考えている

もし当たりが出れば、アクスタやポスターなどのグッズがもらえるかも、というものだ


そのような内容をなるべく丁寧に3人に説明していく


イラストの構図やイラストレーターの例は提示するが、あくまで例であり、ディメコネ側で選びたいのであれば合わせます、とも伝える


途中、なんどか資料について質問を受けたが、順調に説明は進み、

45分ほどで全ての資料の説明か終了した


「--以上で説明は終わりになります

あの、いかがだったでしょうか?」


不安とワクワクが入り混じり、答えを急かしてしまう


「そう、、ですね

私個人としては、素晴らしいと感じました」


「ありがとうございます!」


「お2人はどうですか?」


二宮さんがマネージャー2人に話を振る


「うちのひまわりはお受けできます

スケジュールはなんとかします」


「甘梨もいけます!がんばります!」


おぉ!2人とも了承してくれた!


「確認になりますが、今回は3人は指名、1人はこちらで決めてよろしいのでしょうか?」


「はい!その認識で大丈夫です!」


そう、今回うちからは、あめちゃん、ひまちゃん、こと様の3人をコラボ相手に指名した

そして、残りの1人はディメコネで選んでもらっていいですよ、と事前に伝えていたのだ


これは、こと様のアドバイス通りの提案で、自由枠があるとディメコネの上層部が承諾しやすいと聞いていたからだ


「ありがとうございます

では、花咲、甘梨、洲宮の3名にオファーを出しつつ、もう1人はこちらで検討致します

おそらくですが、5期生の誰かになるかと思います」


「なるほど!承知しました!」


5期生というのは今年デビューした5人だ

オレはあまり追えていないが、みんな個性的で人気が出ているようだった

でも、やっぱりディメコネとしては、新人を売り出していきたいのだろう


「それでは、今回の資料を持ち帰らせていただき、検討させていただきます

この度はこのような素晴らしいご提案をいただき、ありがとうございます」


二宮さんが笑顔でお礼を言ってくれる


「いえいえ!そんな!私どもの方が!

恐縮です!

こちらこそありがとうございます!」


「では、本日の打合せはこれで、よろしいですか?」


二宮さんがみんなの顔を伺う


「、、、」


誰も何も言わない

なので、これで会議は終了かと思われたところ、、

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