第107話 久しぶりの出社、最高の職場
「おはようございます!」
「おはよー!会社ではひさびさだね!新井くん!」
「はい!今日からまたよろしくお願いします!」
「こちらこそだよ!よろしくね!」
「おはよーさん、元気やなぁ
手ぇ痛くないん?」
「うん!大丈夫!」
「ならええけどなぁ、無理はしないよーに」
「はーい!」
退院後、久しぶりの出社だ
課長とのんちゃんに挨拶をして自席に着く
よし!さっそくディメコネへのコラボ依頼のメールを作ろう!
そう意気込んでPCを操作し始めた
「んー、やっぱりギブスがあると、タイピングしづらいなー、、」
「ゆっくりでええからなぁ」
「ありがと」
「うん、 Kanonちゃんの言う通り、ゆっくりで大丈夫だよ
今は余裕ある時期だしね」
「はい、ありがとうございます」
オレの独り言に2人が反応してくれる
2人とも優しいなー
本当にいい職場であった
苦戦しながらも、メールの文章を作成する
頭の中ではもう完成していたので、入力するだけだ
休みの間、時間はたっぷりあった
コラボのことを考える時間ももちろんだ
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株式会社ディメンションコネクト
広報部
二宮 様
ご無沙汰しております。
夢味製菓の新井です。
この度は、貴社との新規コラボレーション企画についてご提案させていただきたく、ご連絡差し上げた次第です。
以前、貴社とは弊社VTuberのKanonとのコラボレーション及び業務指導という形でお仕事をさせていただきましたが、今回は弊社製菓部門とのコラボレーションをお願いしたいと考えております。
例えば、弊社で製造、販売しているチョコ菓子、飴菓子、グミなどのパッケージに貴社VTuberのお姿を印刷させていただくことなどを考えております。
具体的には、是非お会いしてご説明差し上げたいのですが、お時間を頂戴することは叶いませんでしょうか?
ご検討のほど宜しくお願い致します。
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「うん、うん、OK!
送ってくれたまえ!」
「はい!それでは!!」
苦戦しながら書いたメールを課長にチェックしてもらい、少し修正してもらってからOKをもらう
「ポチッとな!」
「ドキドキ」
「ドキドキ」
「早く連絡くるといいね、、」
「そうですね、、」
「そんなすぐ来るわけないやろぉ
仕事しなぁ」
「はーい」
「はーい」
ディメコネオタク同士でたむろしていたら、のんちゃんに叱られてしまう
課長は自席に戻っていった
「じゃ、パッケージのデザイン考えようかな!」
「あっくん、絵なんて描けるの?」
「上手くはないけど、ざっくりはね!
もちろん商品のパッケージには、有名な絵師さんに依頼するつもりだけど、構図とか指示できるとスムーズだし、
あと、文字とか会社のロゴとかはオレたちで決めてかないといけないから!」
「ふーん、なるほどなぁ
じゃ、勉強のために作業みせてもらいまーす」
いいながら、のんちゃんが椅子を押してきてオレの隣に座る
「教えてしんぜよう!」
「はいはい、よろしくなぁ」
そして、利き腕が使えない状態で絵を描こうとする
「、、ムリだ」
そもそも、そんな上手くもないのに、左手で絵を描くなんて出来なかった
「ま、そうやろなぁ
とりあえずロゴとか文字の配置やったら?
板チョコあたりから」
「そ!そうだね!それだ!」
気を取り直して、パッケージのデザインを始める
ディメコネとのコラボはまだ決まっていない
だから、コラボが実現しなければ、この作業は無駄になる
でも、やるんだ
少なくとも二宮さんはミーティングは設定してくれるだろう
そのときに、具体的であればあるほど、コラボの成約率は上がるはずだ
そのために、できるだけ準備はしておきたかった
「あっくんも、センスは、あるんよねぇ」
「ありがとー
ん?センスは?」
「そこは引っかかるんや」
「どういう意味、、」
「センスはあるけど、女の子にはだらしないんよなぁ」
「だ、だらしなくは、、ない、、よ、、
優柔不断なだけで、、」
「へー、、」
のんちゃんに詰められて気まずくなり、顔をそらす
「、、、」
?
何故か課長に睨まれていた
「課長?」
「ん?なんだい?」
「な、なにか?」
「いーや、新井くんはモテモテだもんねぇ」
「な、なんのことでしょう?」
「さぁ?なんのことだろうねぇ?」
あれ?もしかして課長もオレの現状知ってるの?
まさか、のんちゃんが言った?
そう聞きたくて、のんちゃんの方を見ると
のんちゃんは首を横に振った
うちは言っとらんでぇ
そういうことらしい
じゃあ誰が?
わためぇ(角巻わため さん)のジンギス団スタジャン迷わず購入!!
今年のエキスポには間に合うのかしら?




