第102話 4人目は幼馴染
「おはよぉさん」
「おはよー、朝早くからごめんね」
朝の8:30
今日ものんちゃんが来てくれた
「ううん、ええんよ
病院のご飯美味しくないやんな
今日もたくさん作ってきたからなぁ」
「ありがと、楽しみだー」
「朝ご飯準備するからなぁ」
「うん、お願いします
、、ねぇ、ありがたいんだけど、2日も来てもらってよかったの?
せっかくの休みなのに」
「大丈夫やって、どうせ家にいてもやることないしなぁ」
「そっか、そうなんだ
でも、明日はさすがに会社行くよね?」
「行かない」
「え、でも、同僚の看病のために有休ってのはちょっと、、」
「いかへん」
「でも、、」
「あっくんがツラいときは一緒にいたいんや」
「あ、ありがと、でもオレそんな辛くないよ?
ほら、課長も言ってたじゃん
トラウマ克服記念?
はは、そんな感じで気分は晴れやかだからさ」
「、、、
怪我人はだまっときー
大人しく看病されてたらええんや」
「うーん、、」
「なんや?うちがいたら迷惑なん?」
「そんなことは全然ないけど」
「なら、今は甘えてればええんよ
そもそも課長の許可は取ってあるしなぁ」
「そ、そうなんだ、わかった」
さすがに、親族でもない人物の看病を理由に有休はどうなんだろうと思ったが、のんちゃんの意志は固いようだ
説得できそうもない
会社のことを考えるがm企画はひと段落してるし、あとは会社内で承認手続きを進めるだけ
オレたち一般社員には仕事はなくて、課長とそれ以上の人たちがポチポチとハンコを押していくだけのはずだ
それに、今の部署にはオレとのんちゃんと課長の3人しかいない
課長が許可を出してるなら別にいいか
そう考えた
「はい、ご飯、朝はさっぱり目にしてあるから」
「あれ?カツ丼は?」
「それはお昼なぁ」
「わぁーい」
「はい、あーん」
「あーん」
今日も今日とてのんちゃんに看病してもらう
ありがたい限りだ
もぐもぐ
「美味しい」
「ゆっくり食べぇ」
「あーい」
そして、しばらくのんちゃんと2人で過ごす
「なぁ、あっくん」
「なぁに?あ、お水とってもらっていい?」
「うん、はい」
「あんがと」
「あの3人に告白されたのってホントなん?」
「んぐっ!?ゴフっ!」
「なにしとるんや、、」
「ゴホ!ゴホ!、、だって、突然そんなこと聞くから、、」
「そんでどうなん?」
「、、うん、ありがたいことに、、」
「へー、モテますなぁ
そんでなんで誰とも付き合ってないん?」
「えーっと、、みんな魅力的で、、決めれなくて、、」
「サイテー、、」
「うん、、」
「サイテーや、、」
「自覚してる、、」
「、、で、その候補にはもちろん うちも入っとるんよね?」
「ん?どゆこと?」
「だから、お付き合いする候補や」
「え?ははは、、な、何言ってんの?冗談だよね?」
「、、なぁ、あっくん」
「は、はい、、」
「ただの幼馴染のために3日も付きっきりで看病するんかな?」
「え?えっと、、のんちゃんは優しいから、、」
「あんたなぁ、、もうちょっと女の子からの好意に敏感になった方がええで?」
「あの、、それって、、」
「今はこれ以上は言わへん」
「、、なるほど、、」
「なにがなるほどや
はい、あーん」
「あむっ、、おいちいです、、」
「感謝しながら食べぇ
あっくんのためだけに!作ってきた料理やからなぁ」
「、、そ、そっか、、」
「はい、あーん」
「あーん、、」
そんな、まさかのんちゃんもオレのことを?
いや、これはもう、まさか なんて言ってられない
のんちゃんもオレのこと、、好きなんだ、、
「あの、、いつから、、」
「だから、教えへんって、自分で考えなさい」
「は、はい、、」
ご飯を食べながら、のんちゃんのことを観察する
少し赤くなってるようで、
少し、手が震えていた
勇気を出して、伝えてくれたんだろう
、、いつからなんだろう
オレはずっと、のんちゃんのことを親友みたいな感じで扱ってきた
女の子、というよりは親友というか、相棒というか、そんな感じだ
たしかに、パソコンを組み立てにのんちゃんの家に行ったときは、かなりのんちゃんのことを女性として意識したが、
少し時間が経ったらまた元の関係に戻っていた
でも、のんちゃんはずっとオレのこと、意識してくれてたのかな、、
そう思うと申し訳ない気持ちになる
「、、なんか、ごめん、、」
「なに謝っとるん?」
「だって、女の子として扱ってなくて、、」
「そうやなぁ、あっくんは失礼な男や」
「ごめん、、」
「でもなぁ、うちはそれでもええと思うんよ」
「え?」
「だって、ずっと一緒にいる人って、その方が気楽じゃない?
ずーっと気を使い続ける相手より、友達みたいにテキトーに話せる人の方がええんかなーって
うちはそう思うんよ」
「ふ、ふむ、、」
「ま、あっくんもよく考えるとええわ
うちは、結局あっくんはうちの元に帰ってくると思っとるから」
「、、自信満々じゃん」
かっこいいこと言われて、恥ずかしくなり、冗談めかしてツッコんでみる
「あはは、そうやね
お口、汚れてるで」
ふきふきと拭いてくれる
「あ、あんがと
うん、わかった、ちゃんと考える」
「そうやね、そうしてもらわんと困るわぁ」
「うん、わかった」
こうして、また新しい悩みができた
ありがたい悩みだ
オレなんかには
そっか、のんちゃんも
昔からの友達で、相棒で、会社でも助けてくれて、最高の歌姫
そっか、、
オレは昔の のんちゃんとの思い出も思い出しながら、2人の未来について想像した




