病弱なまおうのむすめつかまえたけど、俺の手には負えないので、誰かどうにかしてください。31
邪魔なレースを引きずるのも、
重い髪飾りを支えるのも、
女にとっては一苦労である。
どこが洒落ているのか分かったものじゃないが、
どうやら一般的にはこれが〖お洒落〗、もしくは、〖おめかし〗と言うものらしい。
まあ、嫁入りならば当たり前だ。
…………。
たとえ、望んでいようがいまいが、
女に生まれて、育ったならば
美しく魅せて嫁いでいく。
それが仕事なのは重々承知の上だ。
しかしながら、
しかしながらだ。
初恋は叶わぬものとは知ってはいるが、
ここのに止めた相手がいるのにもかかわらず、その人とは違う人に嫁ぐのは、苦痛のほかない。
………、人とは何か。
そんな哲学的な話をしたいわけでは無い。
たとえ話をしよう。
どうしてもどうしても恋い焦がれ、
その人のこと以外を見れなくなった相手がいるとしよう。
沢山手紙を送って、
一目見ようと忍ぶこともある。
いつか、ともにあるはずだと根拠のない自信を持つ、 ある意味自分勝手になるほどの相手がいたとしよう。
そんな相手にようやっと会いに来れたとして、それが全くの別人に成り果てていたとしたら、それは一体誰なのか。
自分の全てを捧げてもいいほどに、
もっと生々しく言うなら、彼との子を産みたいと月に願うほどの相手が、そう願っていたころの知ったる面影をまるっきり隠し、
見知らぬ相手と錯覚するほどになっていたら、
それは、一体誰なのか。
立場や容姿の話をしているのでは無い。
勿論、その二つも人を構成する大切な要素ではあるが、
それより大切な何か。
たとえば人間性。
たとえば考え方。
たとえばその身に纏う光。
それらが違ってしまったら、私はそれを同一の人物として見られるだろうか。
否。
出来ないだろう。
薄情かも知れない。
でも、
でも、
そう言って私を罵る者がいるならば、逆に問いたい。
あなたはそれを同じとして見れるのか。
………………、
まあ、
ただの戯言だと思ってくれていい。
あなたの恋人が、
凄く優しく、常に笑みを浮かべているようなその人があるとき人を殺したら?
あなたは彼の微笑みを思い出せるのか?
屈託ない笑みを彼のものだと断言できるのか?
一つの間違いを償うのは難しいことなのだ。
たった一つですら。
では、私は。
私達は。
何もかもを間違えた私達は一体どう償えばいい?
それに意味はあるのか?
「ごきげんよう、魔王様。お久し振りですね。」
「ああ、元気だったか?」
「ええ、おかげさまで。私は楽しくやらせていただいておりますわ。なんて言ったって国はてんやわんやですもの。私のことを気にする者は誰もいない、私は自由を手に入れました。」
「それは、良かった。」
「ええ、」
にっこり笑った。
何もかも変わった彼だけど、
私はそれでも、彼が好きなのかも知れない。
でもできれば、
勇者様に嫁ぎたかったなぁ。
〖魔王についての定〗
魔王たるもの、国中の民の頂点に立つものである。
魔王が次期王を指名する、もしくは空席になった魔王の座を誰かが手に入れることで、次期魔王を決する。
魔王には王城にある全ての財宝、国内の土地の所有権が与えられる。しかし、それらを荒々しく振りかざすことは好ましくない
統治の仕方は時の王の望むようにするべし。
伝統ある魔族を統べる者。
それ相応の覚悟を持ってかつての王等に敬意を払い。
良き就任期間になることを祈る。
「………噛ませ犬ってやつか。」
「アルマデス、まだ言ってるの?」
「まあ、そうですね。噛ませ犬……と言うより、噛ませ魔物ですが?」
「チェスタ。君は国に帰ってもいいぞ。」
「いいえ、ここは面白い。ぜひ、いさせてくださいな。それに……」
紅茶は薄手のカップに限る。
赤い色が白いカップから透過して入る光によって、
もっと赤く見えるから。
私のそれと同じくらい、
「人間ってすぐ死にますから。目先が短いやつは、思考が短絡的で面白いではないですか。」
「うわぁ…チェスタ。ないわぁ~」
「意外と恐ろしいな。」
「私より恐ろしい方達に言われたくないですわ。」
***
こんにちは。まりりあでぇ~す!
最終回ですよ?
誰がなんと言おうと最終回ですよ?
含みとかないんで、素直に受け止めてくださって結構ですよ?
さて、長ったらしくなったこの話ですが、
割と伏線を張った気がしますので、
回収しきれているかどうか……。
確認しに戻るのは、ちょっと……自分の文章って読むの恥ずかしいから…。
何か、あったら教えてください。
では、長いお付き合いありがとうございました。
気が向いたら他の作品もよろしくお願いします。




