病弱なまおうのむすめつかまえたけど、俺の手には負えないので、誰かどうにかしてください。30
青い世界。
冷たいところだった。
そこで私は誰かと向かい合って座っていた。
いや、誰かは分かっている。
これは、私だ。
『……これで良かったのよ。』
「そうだよね。」
『痛かったでしょう。ごめんなさいね。』
「ううん。いいの。あなただって、痛かったでしょ。」
『そりゃあまあ。』
金の目をした私は困ったように笑った。
同じ顔なのに全然違う。
彼女は魔物だから。
人間の私とは違う。
でも、彼女も私も同じだ。
『最後に、あったかかったな。』
「うん、デリス、抱き締めてくれたね。温かかった。」
『ちょっと、戸惑ってたね。』
「うん。最後の最後で、あの暖かさから離れるのが惜しくなった。欲が出たわ。」
『いいじゃない。それ位。』
甘えときなさい、と、彼女は私の頬を撫でた。
冷たい指が頬を滑り落ちた。
「私達は、これからどうなるの?」
『……さあ、どうなりたい?』
「私は……分かんないや。」
『でしょうね。ずっと流されて生きてきたのでしょうから。』
「むう……言い返せない。」
ふはっ、と、彼女は笑うと、そっと私の頭を撫でた。
『分かったでしょ。愛されてたって。』
「……うん。そうだね。」
『……自惚れてもいい……ふはっ…』
「わ、笑うな!恥ずかしい。」
『あはは!いや、良いと思うよ。上手く言ったね、詩人になれる。』
「……怒るよ。」
『あー、人間は怖いなぁ。』
わざとらしい態度も、
これから何があるのか分からず、心細い私にとっては頼れるもののような気がした。
「あなたはさ、こうして終わるのは寂しくないの?」
『ん?なんで?』
「だって、誰にも認識されないままだよ。」
私の中に居る彼女は、
誰にも見えないし感じられない。
それでもたしかにそこにいるのに、
彼女はずっと孤独を感じていたはずだ。
それは、
何か心苦しい気がした。
『う~ん。まあ、今回は運が悪かったと思って、諦めるさ。』
「いいの?それで。」
『仕方ない。仕方ない仕方ないって言っておけば、不思議と諦めが付くものさ。それに、』
少女は立ち上がって、上から私を見下ろした。
金の瞳がキラリと光る。
『あんたがいるから、もう寂しくないさ。』
「えへへ。そうかな。」
『ああ。そうだよ。』
行こっかと、差し伸べられた手を、素直に取る。
進むのは簡単だった。
前見向いて足を動かせばいい。
何にもないここでは、
この先も何もない。
でも、いつかは何かがある。
そのいつかを待つだけだ。
***
こんにちは。
今回短いですね。
まあ、




