表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/32

病弱なまおうのむすめつかまえたけど、俺の手には負えないので、誰かどうにかしてください。30

青い世界。

冷たいところだった。


そこで私は誰かと向かい合って座っていた。

いや、誰かは分かっている。


これは、私だ。


『……これで良かったのよ。』

「そうだよね。」

『痛かったでしょう。ごめんなさいね。』

「ううん。いいの。あなただって、痛かったでしょ。」

『そりゃあまあ。』


金の目をした私は困ったように笑った。

同じ顔なのに全然違う。

彼女は魔物だから。


人間の私とは違う。

でも、彼女も私も同じだ。


『最後に、あったかかったな。』

「うん、デリス、抱き締めてくれたね。温かかった。」

『ちょっと、戸惑ってたね。』

「うん。最後の最後で、あの暖かさから離れるのが惜しくなった。欲が出たわ。」

『いいじゃない。それ位。』

甘えときなさい、と、彼女は私の頬を撫でた。

冷たい指が頬を滑り落ちた。


「私達は、これからどうなるの?」

『……さあ、どうなりたい?』

「私は……分かんないや。」

『でしょうね。ずっと流されて生きてきたのでしょうから。』

「むう……言い返せない。」


ふはっ、と、彼女は笑うと、そっと私の頭を撫でた。


『分かったでしょ。愛されてたって。』

「……うん。そうだね。」

『……自惚れてもいい……ふはっ…』

「わ、笑うな!恥ずかしい。」

『あはは!いや、良いと思うよ。上手く言ったね、詩人になれる。』

「……怒るよ。」

『あー、人間は怖いなぁ。』


わざとらしい態度も、

これから何があるのか分からず、心細い私にとっては頼れるもののような気がした。 


「あなたはさ、こうして終わるのは寂しくないの?」

『ん?なんで?』

「だって、誰にも認識されないままだよ。」


私の中に居る彼女は、

誰にも見えないし感じられない。

それでもたしかにそこにいるのに、

彼女はずっと孤独を感じていたはずだ。

それは、

何か心苦しい気がした。


『う~ん。まあ、今回は運が悪かったと思って、諦めるさ。』

「いいの?それで。」

『仕方ない。仕方ない仕方ないって言っておけば、不思議と諦めが付くものさ。それに、』


少女は立ち上がって、上から私を見下ろした。

金の瞳がキラリと光る。


『あんたがいるから、もう寂しくないさ。』

「えへへ。そうかな。」

『ああ。そうだよ。』


行こっかと、差し伸べられた手を、素直に取る。

進むのは簡単だった。

前見向いて足を動かせばいい。

何にもないここでは、

この先も何もない。

でも、いつかは何かがある。



そのいつかを待つだけだ。



***

こんにちは。

今回短いですね。

まあ、



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ