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病弱なまおうのむすめつかまえたけど、俺の手には負えないので、誰かどうにかしてください。 17

並べられた言葉に、頭が追いつかなかった。

私が自分を卑下に見ている?

それが人を傷付けている?

なにそれ?

考えないようにしている?

そんな馬鹿な。

私は、私のことも他人のこともこの上ないくらい考えて考えて考え抜いて一歩ずつ進んできたはずだ。

それなのに、

私の思考はまだ足りなかったのか?

『足りないんじゃない。要領が悪すぎるの。』

「要領?」

『他人と関わらないから、一つの見方しか出来てない。魔王の娘がこの為体父上と母上が泣くわ。』


……。先ほどから、なんなのか。

ずっと私の中にいたくせに。

大変なときも、寂しいときも、すべて私にこの体を任せきり、出てきてくれも、変わってくれもしなかったくせに。

出てきたと思ったら文句を言って。

うるさい……


「うるっさいなぁ。急に出てきてなんなのよ?そんなに言うなら、あなたがこの体を動かせばいいじゃ無い。」

『出来たらとっくにやってるわ。でも、私が体を動かしたら、この体は壊れてしまう。それは私もあなたもいやでしょ。』

「………。」



『ふぅ~。まあ、いいや。あのね。あなたはあなたが思っているより他人とつながっているべきなのよ?』

「どういうこと。」

『デリスはね。あなたがあの場にとどまったら、きっと魔王殺しには行かなかった。』

「どうしてそう言いきれるの?」

『あなたがそこにいたからよ。』

「でも、デリスの仕事は魔王をっ…」

『仕事より、あなたが大切だった。そう言ってるの。』

………。

はっ?

そんなわけ。

だって、私は、魔王の娘で、

彼からしたら敵討ちされるかも知れない相手。

自分を言うか殺すかも知れない危険因子。

それが、仕事より大切?

いや、そんな私がいるから、仕事に行って私から離れる方が……

『愛をいくら与えられても、受け取ることも出来ないくせに、一丁前に愛を求めないで。あなたは愛されていたのよ?私が、他人からはそこにいても気付くことすら出来ない私が永久に手に入れることの出来ないものをあなたは溢れんばかりに与えられていたのよ?』

「ち、ちが……わたしは…」

『言い訳しないで、自分自身に。あなたも私もあなたなのよ?』

そんなこと……

じゃあ、私は。




『とんでもないことをしでかしたわねぇ。人間のミミィ。』

「っ!!」


血の気が引くのが分かった。

額のあたりが冷たくなる。

頭に冷水をかけられたような冷たさ。

頭の中で言われることで実感したから。

反射的早さで立ち上がっていた。

帰らなくては。

今すぐ。

『止まりなさい。今更遅い。』

「でも!」

『そのやり方じゃ、ね。』

「他に、方法があるの?」

『あるわ。』

一言の希望に足を止める。

分かっていた。おそらくデリスはもう家をでた後。

もしかしたら、国を出ているかも知れない。

しかし、どうすれば良いのか、混乱した頭では導き出せなかった。


『落ち着きなさい。急に走ると苦しいでしょう。』

「はっ……はっ、」

『ほら、やっぱり。』

「は、早く!方法を……」

『分かってるわよ。』

苦しさも、足の痛さも忘れていた。

ただ、自分のしたことの後片付けをしなくてはいけないと、必死だった。

デリスを、

この世界で唯一、今でも愛してくれる彼を救うため。

私は、どうにかしなくてはいけなかった。

何か、何でも言い、なんとしてでも彼を、止めなくては。

焦れば焦るほど呼吸が乱れて、頭に酸素が足りなくなる。

足がガクガクと震え、立っていることも危なかった。

『………落ち着いて。座りなさい。』

「で、でも。」

『良いから座れ。脆い体で無理するな。』

「っ……分かった。」

その場に再び座り込む。

あごを引いて、起動を開ける。

少しでも、呼吸を楽に。

『勇者が死なない方法はただ一つ。魔王に、殺されなければ良い。』

「そんなの、私にはどうにも。」

『出来る。それだけの力が私にはある。』

「っ…あなたにあっても私には。」

『出来ると言っている。あなたでも出来るわ。』

「わ、私は。魔族なのに体も弱いし、魔法も使えない。」

いってた自分でむなしくなるようだ。

私には、本当になにもない。

『能力だけが力じゃない。語彙力だって文章力だって使い方によっては暴力を振るえる。あなたの父は、そうして王位に昇ったはずよ。』

__私の父は……助けてやるの一言で魔王になったのだ。


『聞きなさい。やり方を教えてあげる。あなたの目標は、魔王よ。あなたが魔王になるの。そして、』


何をすれば良いのか。大体予想は付いた。

文字通り、決死の方法だ。

だが、それでも良い気がした。


『魔王としてデリスの前に立ちはだかり、デリスに殺されなさい。』

「分かった。死ぬその時まで、よろしくね。魔族のミミィ。」

『勿論よ。人間のミミィ。』




***

こんにちは。まりりあです。

悔しそうに魔王を殺す勇者が見たい。

そんな妄想から書いてきましたが、ようやくここまで来たかぁ~って感じです。

多重人格キャラはあんまり好きじゃないのですが、仕方がないですね。

さて果て、どうなるものか。

作者にも、分かりません!!

誤字脱字あったらお教えください。

では、これを見てくださっている方々。

稚拙な文ではありますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

また、次の機会に。

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