新種
前回の続き。
死因は、新種のアリによる、新種の蟻酸(ギ酸)と特定された。
被害者の身体の下や、靴の底から、つぶされた昆虫がいくつか発見された。
また、解剖された遺体から、これまでに存在しない、新種の蟻酸が検出された。
昆虫について専門的に研究している人たちから、
「昆虫の体の色は、ヒアリに類似していますが、
獲物を集団で包囲して襲うやり方は、グンタイアリと同様です。
DNA を解析したところ、ヒアリとグンタイアリを
交配させて、
新種が生み出された可能性があります。
新種の性格は、従来のグンタイアリに比べると、きわめて凶暴で、
いったん襲われると、刺されたところから体内に入る毒物の作用を防ぐのは無理です」。
ヒアリは近年の日本でたびたび発見され、
2019年10月には、東京湾の埠頭で約50匹が見つかっている。
このときの処置だが、数日後の皇室行事に多数の警察官が動員され、
ヒアリが発見された場所には殺虫剤が散布されただけ。
専門家は、「50匹はたまたま見つかった分だけで、
見えないところにも相当数のヒアリがいた可能性も」。
新種の蟻酸については、「毒物の化合に精通した人間が、何らかの操作を加えて生成した可能性がある」。
新種のアリは、公園にいつ運ばれたのか?
身体の露出が全くない防護服を着用したヒトでないと扱えない。
現場の公園は、ほとんどの範囲が防犯カメラの死角で、
いつ、どのような人が出入りしたかまで、万全の記録は存在しない。
あと、前述の通り、DNA の扱いや、蟻酸の毒性を最強にする操作ができる人間は限られる。
新種のアリが、「獲物」を倒した後で、すぐに引き揚げる習性についても、
生化学的な操作が加えられたのかもしれない。
今後について最大の懸念は、
いつ、どこで、新種のアリが集団で暴れ狂うかの予測は全くできないこと。
現場には、ヒト以外の動物、つまり、野生のイヌ、ネコ、鳥類等の死骸も残されている。
専門家は、さらに不気味な予測を。
「獰猛な性格や、毒物の致死性がさらに増大することもありえます。
毒物の速効性が加重された場合、襲われて1分も経たないうちに絶命も考えられます。
それと、新種のアリが耐寒性になると、
季節を問わず出没することも考えられます」。
季節のない実験施設で、猛毒性のアリのさらなる進化をめざす取り組みが続けられているのかもしれない。
次は、東京以外で凄惨な事件が起きるのかも。
冬でも温暖な日に、犠牲者が続出するかもしれない。




