表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

天才詐欺師からの手紙

作者: 竹田聖司

ある王国がありました。そこに天才詐欺師がやって来ました。


彼は口調こそ丁寧ですが、サギの世界では知らぬ者がいない、という存在でした。


ある日、天才詐欺師は王国の財宝を狙い、身分を偽ってその王国の姫に近づきました。


やがて二人は道ならぬ恋をしました。


立場はちがいますが、二人は本気で恋をしました。


少なくとも詐欺師は姫のことを深く思いました。愛してしまいました。


当初の計画通り、詐欺師はやがて王国の財宝を盗み出します。


足がつく前に逃げ出さなければなりません。


二度とこの国には来ないつもりです。


詐欺師は迷いました。


愛する姫に自分は詐欺師であると真実を告げ、その場を去った方がいいのか。


それとも何も言わずに去った方がいいのか。


とりあえず落ち着かないので、詐欺師は自白する手紙を書き始めました。


姫に渡すとしたら、それを読んだ姫はだまされていたという真実を知ることになります。


王国の財宝を盗まれ、しかも盗んだ犯人は詐欺師本人だった、ということ。


でもこれは言う必要があるのか。本気で愛した女性に、さらに要らぬ追い討ちをかけるのか。


やっぱり知らせないほうがいいのか。


つまり自分が本気で愛した女性をだましたまま生きるのか。


真実を告げ、その場を去った方がいいのか。


それとも何も言わずに去った方がいいのか。


詐欺師は判断できずにいます。


詐欺師は自白する手紙を書き進めています。読んだら姫はどう思うんだろう。


とりあえず、ことばや文法がおかしくないか、調べながら書いています。


丁寧に入念に書きました。


こんな真剣な告白なのにミスがあったら恥ずかしい。誰でもそう思います。


見たところ間違いはなさそうです。大丈夫そうです。


これなら読んで分からないことはないです。


よし、おわり。やっと書き終わりました。


意外と、手紙の最後の方まで来てしまいました。


念のためもう一度最初から読み返してみます。慎重です。


詐欺師はここで、手紙を読み始めます。(冒頭へ)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ