表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/48

4

そして大体2年が経った。

俺は8歳になり10歳になったら学校に行く事を話されたが、俺にはそれよりも悩みがあった。


魔法の環境が悪いのである。


これ以上土属性を使うとなると錬金術が必要不可欠になるし、火属性は広くないと危ない。水は……理論が難しいからもっと集中出来るような所でやりたいし、闇と聖は……そこまで伸び悩んでいる訳じゃあない。


やはり風属性はそこら辺で鍛える上では最も簡単に鍛える事ができる。


そのおかげで風属性だけは前世の20代くらいの時の俺と同じくらい扱える事ができる。


……やっぱ不味いな。


このままだと風属性だけになっちまう。


……俺のアトリエに行くか?


あそこならこれ以上無いくらいに道具は揃ってるし、俺の魔力に反応しないと開かないから盗みが入ってる可能性は少ない。


それにここはアトリエからそこまで遠くはないしな……


一回行っちまえば空間魔法で戻ってこれるだろうし。


うっし、行こっかな。


「《ブースト》」


無属性……どんな属性紋様でも絶対に使える属性。これは使い手がまず居ないのでこれにスペリオルはいない。


……?ちょっと待て、今なんか面白い考えが浮かんだ。


「《ブースト》《エアリアル》」


エアリアル、俺が最初に発明した魔法。


効果は空中に浮くだけだ。

空を飛ぶにはこれが大前提という、俺の生涯作った魔法の中でもでもトップを争える程有能な魔法だ。


後はこれの後に俺が魔法を飛ばせばそれの逆ベクトルに飛べるっつう魔法なんだが。


無属性も例に漏れず波長が同じだった為にフュージョンマジックを使えると踏んだ。


そして。


「成功だな……」


俺は空を自在に飛べる様になって居た。


魔力の消費は激しいが、俺の無尽蔵の魔力なら何とも無い。


これならここから3時間でアトリエに着く。


「……さてえ、あいつはいるか?」


確実にまだ生きているだろう駄目イドの事を考え、ぜってえ掃除とかしてねえだろうなと思いながら、だがやっぱり愛着があったのか、再開を少し楽しみにアトリエに向かった。






アトリエのあるだろう山に着くと……


「おいおい、どういう事だ?こりゃあ……」


素の口調に戻ってるが、それはどうでもいい。


ただ、そこにはアトリエがあった。


しかしそれ以外は何もない。


アトリエ以外の近くにあった木々は根元から倒れて、土は抉れていた。


そしてアトリエは何もなかったかのようにそこに居座っている。


状況から推測すると、俺が死んだと知ったスペリオル野郎がこのアトリエを潰そうと考えたのか?


まあ、このアトリエは俺の結界を張ってある。五人で協力するならまだしも1人や2人の神級魔法程度なら跳ね返していただろう。


それでこの有様か。よく見ると、近くにあった山が丸々消えている。


バカかあいつら。


まあいい。駄目イドはどうなってるか……まあ、あいつのことだしとっとと逃げたんだろうな。


入るか。


そう思って、地面に降りると、空中からでは見えなかったものが見える。


白い布切れが落ちていた。


「布?」


不審がって近ずくと、どうやら布ではないらしい。あの大きさから察するに……


「子供……か?」


何でこんなところにいるか知らんが、だいぶ弱っている様にも見えるな……


「おい、大丈夫か」


体を揺すって見ても起きない。

死んだかとも思ったが、胸が上下しているどうやら生きているらしい。


衰弱っぽいな。


しかも飯を食っていないんだろうな。


それで彷徨ってたらこの家を見つけるも入れずにここでの垂れたのか……


運がいいなこいつ。


そう思って担ぐ。


俺が体を鍛えてるからか、こいつが痩せすぎてるのかは知らんが、軽く運べた。


結界を通ろうとすると、最初は拒もうとしたものの、俺だと分かると直ぐに入れてもらえた。


「さて……」


どうやら駄目イドは居ないらしい。


ならば仕方ない。こいつは俺が洗うか。


さっきから臭い。


どうやらなかなかここら辺を彷徨って居たらしく、服はボロボロ髪はボサボサ、顔は正気がなくて男かも女かもわからん。


股間あたりが汚い事を見る限り、トイレにも行けずに垂らしてたのか、それともの垂れてるところで粗相したのか……まあどうでもいいか。


俺はこれ以上の臭いはよく嗅ぐから精神的には大丈夫だがこの体はそんな事はない。鼻が悲鳴を上げてきているから面倒だし、風呂に入れるか。という事に至った。


飯は……まあなんかあるだろう。




歩き慣れた廊下を渡って風呂場につく。


廊下は埃まみれで歩くと宙に埃が舞った。


面倒だったので、風魔法と水魔法のフュージョンマジックで洗い流しながら歩いた。


そして風呂場。ここも例に漏れず埃まみれだった。


面倒だったので蛇口を捻ってみると、赤い粘性のある水がドボドボと出てくる。


「ッチ、錆びてやがるか……《クリエイトウォーター》《ファイア》」


風魔法で埃を外に飛ばしたのちにフュージョンマジックを行う。


火属性の操れるものは温度だ。


水は形状。


土は色々。


これで大体四十度くらいにして風呂を満たす。


……さて……


「ここまではやったが、どうするか……」


上は全部脱がした。汗とか土でまあまあ汚かったが、それでもそれだけだ。


骨が見えるくらいにはガリガリだし、流石に居た堪れないので何か食わそうと考えているが……


問題は下だった。ぶっちゃけこいつが女だろうと関係ないが、下は汚い。


上とは比べ物にならないくらいには。


こんな時に聖魔法の《クリーン》が使えれば便利だが、残念ながら今の俺は使えない。


いや……何を思ってるんだ俺、錬金術とかは最も超列な臭いと言われているドラゴンの糞に入ってその中の魔力のカケラを集める事だってあるんだ。人間程度の汚物で何を迷うことがあるのか!


そう考えて一気に下を脱がした。







「女か……」


股間にはナニがついてなかった。


取り敢えずもう触りたいとは思わないので闇魔法で絶対に覚えたほうがいい魔法、《シャドウ・チェスト》の中に入れる。


《シャドウ・チェスト》はその便利さから闇属性を使う気がなくても絶対に覚えておけと言われる魔法の一つだ。


《シャドウ・チェスト》の効果は自分の陰にものを入れることができ、チェストの大きさは魔力分だけという非常に有能な魔法だ。


アイテムゲートってもんもあるが、あれは無属性の中でもとりわけ難しい。今の俺が使うなら10分くらいかけないと使えないだろう。


まあそんな事は今はいい。


こいつを風呂に叩き入れる。


バシャン!!


と音がするが、こいつは目を覚まさない。


……実は死んでるか?


「う……うう……」


そう思ったが、唸っている所を見ると死んではないっぽいな。


……さて、どうしようか……風呂に入れたのはいいがこれから先の事は考えてなかった。


頭洗わせたほうがいいか?けどシャンプーなんて500年前のもんしかねえしなぁ……


ちょっと押してみると、緑色の粘液が”ブニュ“と音を立てて出てくる。


捨てた。


やっぱなんもねえか……服は……ああ、駄目イドのがあったな。


デカイから切るか。


と、風呂を確認すると、黒ずんでいた。


「……もうちょい洗うか……」


そんなこんなで彼女は目を覚ます事なく3回ほど洗った。

少しでも面白かったらブクマや評価、感想お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ