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「うし、んじゃあ基本的な魔法使いぶっ殺す戦い方はわかったな?」
「ぁぁ……」
掠れた声で言うのは地面にうつ伏せになっているルージュ。
7日間みっちり扱いてやったが、中々どうしてこいつには才能があった。俺も少し興奮して10日分しごいたが、ついて来れたしまあ良いだろう。
「それよりも……リド様は?」
「駄目イドに色々教わってるだろうよ」
あの後、何となくリドに魔法を教えてやろうと思った俺は取り敢えず叩き潰してそのあと色々見た結果駄目イドに預けるのが一番良いと判断した。
「……なぁ、グレイシア様はどうなっているんだ?」
「グレイシア?死んではねえよ。順調に俺への殺意と魔力が上がってる」
「……ど、どこに行ったんだ?」
「お前も行くか?」
「生きて……帰れるか?」
「無理」
こいつがあそこに行った瞬間に蒸発する気がする。
「勧めないでくれるか! ?」
「まあ良いじゃねえか。んで?魔法大会、優勝できるよな?」
「まほ……《ウィザード・コロシアム》の事か?まぁ……学年で1位にはなれると……思う」
何言ってんだこいつ?学年とかどうでも良いんだが?
「ああ分かってる!分かっているが落ち着いて考えてくれ!相手は私よりも3年2年も長く生きているんだ!魔力が違いすぎる!」
「そうですね。それに6年のあの子が強すぎますから」
後ろで待機していたリドが話しかける。
「あの子?」
「おや?知らないんですか?『クローズ・リッガー』この学園最強と名高い6年生です。明らかに手加減をしているのに超上級魔法を打てるなど、対戦してはいけないと言われているんですよ」
クローズ・リッガーね?ああ、あいつか。
「なるほどな。じゃあ優勝しろよ」
「話を聞いてくると私も嬉しいんだがな?」
「あーはいはい。高々才能があるからって大した努力もせずに生きていた甘ちゃんだろう?戦い方すら知らねえ奴が勝てる程魔法は万能じゃねえからな」
「だ、だからと言ってもだな。どうやって勝つと言うんだ?」
「は?それ俺が教える意味ねえだろ。自分で考えろよ」
「むぅ……確かに……」
「んじゃあ帰るか」
夜もさらに暗く成りつつある中、俺たちは自分の部屋に戻った。
▽
「ウィザード・コロシアムか……」
私はベッドの上で寝転がって明日のことについて考える。
明日はウィザード・コロシアムの対戦相手が発表される。と言うか、各クラスの代表がくじを引きのだが。
リド様のクラスは6-A、そして件のクローズのクラスは6-Bだ。
私としても、勝ちたい。負けるなんて事は嫌に決まっている。それに……あんなにも頑張ったんだ。一矢報いてやる。
私達のクラスからは後の二人は順当に選ばれたが、侮る様で悪いが私について来れないだろう。だから、私のやるべき事は早急に相手のリーダーを倒す事だ。その後に彼らのフォローに回る。それが出来れば5年生までは倒せるだろう。
「アリ……」
彼は本当に私が勝てると思っているのだろうか?いや、彼が無理だと思うような事を言うわけがないし、恐らく勝てる可能性はあるのだ。なら、それを信じて私は全力を尽くす。
「今日は早く寝よう」
恐らく明日は筋肉痛だから。
◇
そして、私は箱に入れた手を一枚の紙を取って箱から出す。
ここは会場。私達が箱の中から番号のついた紙を取って、トーナメント式に対応した数字のクラスと戦う。
「6」
私達と戦うのは7番。
6-Bだ。
「っ! ?」
「んあ?俺と戦うの三年かよ!はっはっは!こりゃあかわいそうだな!」
笑っているのは、黒髪黒目の男、クローズ。
私よりも大きその体に私ははっきり言って戦意を失いかけた。
「貴方が、6-Bの代表のクローズ・リッガーか」
「お?こんな可愛い子が相手かよ〜こりゃあ手加減しなきゃ怒られちまうなぁ!安心しろよ、お嬢ちゃんの体には傷一つ付けやしないぜ」
だが、こんな男に負けるその腹立たしさが、私を奮い立たせた。
「絶対に勝つ」
「おー、頑張りなよ〜」
私は絶対にあいつには勝つ。
私は今、コロシアムにいる。そして目の前のクローズ・リッガーを見つめている。
話は少し遡る。
「はぁ! ?クローズ・リッガーが初戦の相手! ?あー、終わったわ、惨めに負けないためにも棄権した方がいいよな」
「ですね。三年対六年だったら先生方も了承してくれるでしょう」
「な! ま、待ってくれ。勝ちたいとは思わないのか!」
初戦の話をするなり、チームの二人は早々にどうやって尊厳を保つかを話していた。
「いやー、俺らは勝ちたいんじゃなくて負けたくないだけだからなあ……けど、ルージュさんがそうまで言うんならちょっとくらい頑張って見ますよ!」
「……そうですよ!私達で頑張りましょう!」
「あ、ああ。そうだな」
彼等にも彼等なりの考えがあったんだろう。こうなる事も読めてはいた。貴族で最も大切なのはプライドを守る事だ。誰も無様にやられたくは無いだろう。
だからこの時、私は彼等のことを信用していなかった。
「お嬢ちゃん、そっちは一人だけか?いやー、大変だなあ!」
私は一人でここに立っていた。




