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転生は無事に成功した。


478年後らしいが、誤差だ。


そして、俺の生まれはどうやら貴族のようだった。まあ、兄がいるし弱小貴族なのでそこら辺は割とどうでも良いのだが。


そんな事より紋様だ。


紋様が浮かび上がってくるのは大体6歳くらいだ。


魔法を紋様が浮かび上がってくる前の時に無理やり使うと紋様が変な風になるらしい。


だから俺は魔法を使用しなかった。


つまりその間暇だった。


やる事といっても体力を鍛えることくらいしかない。


生まれたばっかの体は貧弱だった。力の受け継ぎにこそ成功したが、体が貧弱すぎて俺本来の力の1割も発揮できない。


なので、日課のトレーニングしていた。


トレーニングが終わった所で母がやってくる。


「アリ、勉強の時間ですよ」


「はーい」


アリとは俺の名前だ。蟻みたいでなんか嫌だが、この時代の国では結構標準的な名前らしい。


……あのメイドに今の名前がバレたらどうなるだろうか……ぜってえ馬鹿にされるな。


俺に名前は『アリ・クレス』クレス家の次男だ。


母は金髪の柔らかい雰囲気の女性だ。


正直俺の好みだ。


胸がでかいし、優しい。


どっかのメイドとは大違いだ。


まあ、あいつ曰く『胸が小さい?はぁ〜これだから中年は、良いですか?私の胸は小さくありません。むしろ普通より少し位大きいです。そして、胸とは女のパーツではありますが、女ではありません。私の胸は私を盛り上げるための最高のこれ以上ないパーツなんですよ!』


とかいってたが、どうでもよかった。


「アリ様、本日は歴史についてのお勉強をしましょうか」


かなりの年だろう白髪の老人が綺麗な作法で歩いてくる。


執事兼家庭教師のセバスチャンだ。


「歴史?数学じゃなくて?」


「はい、アリ様の数学の学力は貴族院卒業生すらも超えております。私が教えられるのはここまでです。誠に申し訳ございません」


「ああいや、大丈夫だ」


流石に500年後の世界だけあって数学も進んでいた。魔法の公式を作る方が難しいから俺としてはこの程度楽勝だが。


「それに歴史には興味がある」


あのスペリオル野郎がどうなったのか興味がある。


「そうですか。では歴史を語る上で外せない『スペリオル・ウィザード』について語りましょうか」


いきなりだなおい。


「『スペリオル・ウィザード』とはその魔法の頂点に立つものの事です。今のスペリオル・ウィザードは6人中5人が500年も昔の人達なんですよ」


ああ……あいつらまだ生きてんのか、死ねよ。


「残りの1人は?」


「風属性の『スペリオル・ウィザード』ですね。500年前の方の名前は語られていませんが、今の風のスペリオル・ウィザードの名前は『イリナ・デリル』という方です」


ほ〜?成る程ね。


「500年前の風のスペリオル・ウィザードよりも強いと言われていますね」


ほおおお〜?


「では、彼らのした功績について語って生きましょうか——」





そんなこんなで時は過ぎて1年後、俺はとうとう自分の紋様を確認することになった。


「アリ、お前は何属性になりたい?」


少し茶が入った金髪のおっさん。


俺の父さんが話しかけてくる。


「風以外なら何でも」


ぶっちゃけ俺よりも強い奴に興味があるし、風でも良いと思っている。


「アリは何属性になるかしらね?」


母さんが朗らかに笑う。


「では、行きます」


目を閉じて体全体に魔力を通す。


すると、前世と同じ右の手の甲に反応があった。


「む?」


「あら?」


両親が驚いている?


どうなっているのかと手を見てみると。


手の甲が虹色に輝いていた。


「うそだろおい」


虹色の紋様、それは俺の知る中で最悪の紋様だ。


紋様は基本的に6つしかないが、特殊で1つ紋様がある。


特殊と聞けば聞こえはいいが、この紋様の効果は苦手属性がないという事。


これだけならば当たりの部類だが、それだけではない。

得意属性も無いのだ。


得意属性があるか無いかはでかい。事実俺は前世で虹紋様に苦戦した試しがない。


そしてこの虹紋様、100万人に1人いるかいないかという確率で出る。


俺は100万人の1人に選ばれたわけだ全く嬉しくねえ。


「むう……まあ、アリは学問の天才だ。魔法は使えなくてもいいだろう」


「そうですね……アリ、貴方には魔法以外にも道があるのよ?気を落とさないで」


「?はい」


どういう事だ?

確かに虹は弱いが、それは属性を極めたい場合だ。


虹の強みは臨機応変、ぶっちゃけそこらの魔法使いよりは全然強い。


俺の場合は魔法を極めるためだからこれはハズレなんだが……


何で魔法が使えないみたいになっているんだ?

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