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「《カマイタチ》」


風属性の中でもなかなか高威力の魔法、それを使い、雑魚たちを排除する。


目指すのはあのクソ野郎が踏ん反り返っている玉座、魔王。


人類の最強の敵だ。


俺がこいつをぶっ殺すと決めたのは人類の敵だから——


とかでは全くなく、喧嘩を売られたからだ。


俺は喧嘩を売らない主義だが、売られた喧嘩は買う主義だ。


つうわけで今あいつの前に来た。


「いや、早すぎませんか?私貴方に招待状出してからまだ1時間も経ってないんですけど?」


「遺言はそれで良いな?」


「え?ちょま——」









「はぁ……」


キコキコと椅子を揺らしながら窓を見てため息を漏らす俺。


「先生、溜息をしたら幸運が逃げますよ?」


自分の仕事すらしないで俺と談笑しやがってるメイド。


名前は……こいつの名前なんだっけ?まあ良いや。


銀髪赤眼のここじゃ珍しい色した美少女(自称)だ。


こいつは俺の元に居候している身なのにもかかわらず仕事をしない。


しかも勝手に俺の茶葉で入れた紅茶を飲んでやがる。


そんなこいつが俺にケチをつけやがる。


「うっせえ、お前は自分の仕事しやがれ」


ジト目で睨んでやると、大袈裟に『おおこわい』と手を広げる。


「まあまあ、で?最強の賢者様が溜息をついた真相とは?」


こいつ……


「別に何でもねえよ……ただ、俺ももう歳だからな、魔法を極めれなかったのを後悔するだけだ」


そう言いながら俺は右手に魔力を通して見る。


すると、右手のクリスタルの様な紋様が緑色に光る。


「90歳のおじいちゃんですからね。それに魔法を極めるって……先生は風属性ですよね?先生の言う極めるって先生の今の風属性並みの強さに全属性がなりたいってことですよね?ただでさえ一番強いのに、『スペリオル・ウィザード』の5人が泣きますよ?」


「はいはい、スペリオル、スペリオル。ったく、どこいってもそれだ」


「いえ、先生も『スペリオル・ウィザード』の1人なのですが……」


スペリオル・ウィザードは魔法属性の中で一番強い奴のことだ。


属性は火、水、風、土、聖、闇の6種類。


一応俺は風のスペリオルだ。


だがそれが気に食わない。


「っは!何が風のスペリオルだ。どうせなるなら魔法の真髄極めてあらゆる属性の最強になるもんだろうがよ」


まあ、それは無理な話だ。


人には紋様ってのがある。


この紋様は自分が何の属性が一番得意かがわかるって言う便利なもんだ。


俺が一番得意なのは風。


苦手なのは土。


はあ、こんなもんがあるから俺は魔法を極められねえじゃねえか……


「そう言っても……紋様が変わるなんて無理ですよ。生まれた時から紋様は決まってるんですし……生まれ変わることができれば別ですけどね〜」






「それだ!!」


いきなり立ち上がった俺にビビったのか、飲みかけていた紅茶を吹き出す。


「ゲホゲホ、おじいちゃん!体大事に!」


「誰がおじいちゃんだボケ。そうだ、転生だ!確か魔王を倒した時の戦利品にそんなのがあったんだよ」


「剥ぎ取ったの間違いじゃないですかねえ?」


そう言ってアイテムゲートから転生の図面を持ってくる。


「と言うよりも枯れた花みたいなおじいちゃんがいきなりスクスクして私びっくりです」


うっさいがほっとく。




ゴソゴソ漁ってると、転生の魔法陣が現れる。

昔はどうでいいから売ろうかと悩んでてが、売るのすら忘れてた俺に感謝だな。


よし!これなら今からでも転生できる!


「おい、俺今から転生するから他の奴らによろしく」


「身勝手ですねえ……それ何年後くらい何ですか?」


えっと、この魔法陣から察するに……


「500年後か?まあ、これだけ時代が進めば魔法の技術も相当高度になってるだろうし、俺より強い奴がいる可能性がある。いいな。転生を繰り返して魔法を極めるか」


「500年ですかあ……体改造してる他のスペリオルなら生きてそうですね」


「ああ、まあ向こうにまでいってあいつらに会いたくないから死んで欲しいんだがな」


「それ、他の人達も思ってますよ」


だろうな。俺たちはいつも犬猿の仲だし。因みに俺が一番嫌いなのは土野郎だ。


見かける度にうっかり殺しそうになる。


「じゃあ行ってくる」


「はーい」



あのメイド本当に大丈夫か?


まあ良いか。これから俺の新しい魔法の真髄へと至る道が開かれるんだ!

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