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隣の街へ

・・・はあ。

起きて早々、ため息が出た。

倉庫作り、私が思っていた感じとは違う事が・・・。

確かにね、くっつけないと家にはならないわけで・・・。

それは、私も思ってたんだけど、初めて作る家だから、すっかり忘れてたんだよね。

まあ、私が買いに行くしかないよねぇ・・・。

・・・ポジティブに考えよう。

その近くの街に行けば、村に何が必要なのかとか、一番最初に作るものは何かとか、街にはどんなものがあるのか・・・とか。

色々、街の人とかに聞き込みも出来るかも・・・なんて考えたり。

でも、やっぱり私が思っているのと違うなぁ・・・なんて・・・。

・・・うん。

こんな事を毎回思っていたら、きっと村づくりすらできないかもしれない。

村長だからこそ、根気強くやるのが一番大切なことなのかもしれない。

私は確信したことじゃないのに、なぜかそうだと思い、家から出た。


私が家から出るとルルちゃんがそこにいた。

「おはようございます。今日は隣の街に行くんでしょう?私のお金を使いますから、早く行きましょう。」

ルルちゃんはそう言い、スタスタと歩いていってしまった。

・・・あれ?

私の考えすぎだったのかな。

昨日、ルルちゃんが何かを考えているように感じたんだけど・・・。

この感じは、いつものルルちゃんみたいだ。

・・・まあ、なにかあったら私に言ってくれるかな。

そんなことを思いながら、私はルルちゃんに「うん!行こう行こう!」と、元気よく言った。


・・・疲れたぁ・・・。

村を出てから、1時間は経ったよねぇ・・・。

座りた〜い・・・休憩したいよぉ・・・。

こんなに歩いたのに、隣の街はまだまだ遠いし・・・。

ルルちゃんは、

「ほら、村長、もっと早く歩かないと今日中につきませんよ。」

とか言うし・・・。

これ以上早くしたら、多分私が途中で壊れると思います・・・。

おかしいなぁ。

現実世界では運動もよくやってたのに・・・。

そういえば、ゲームばっかりやってたかも・・・。

うーん、でもでも・・・

私が1人で頭を抱えながら考えていると、ルルちゃんが

「着きましたよ。」

と言った。

「え?」

ついつい声が出てしまった。

隣の街まではまだまだあるし・・・。

どこに着いたの?

私が周りを見ると、ある看板が立っていた。

「・・・これなに?」

「これは・・・この看板に書いてありますが、馬車に乗ることが出来る場所ですね。」

ほんとだ。

ここの看板のところに馬車のマークとちっちゃい字で

『馬車乗り場』

と書いてあった。

見えないよ!

あのね。

なんかさ、実際に見ないとほんとにわかんないことばっかりなんだけど・・・。

これとか、ほんとに思ってるより小さいの!

てか、私誰に言ってるんだろう!?

・・・落ち着こう。

きっと、疲れて頭がおかしくなってるんだ。

でも、もう少しで疲れが取れる〜・・・。

「・・・馬車、いつ来ますかねぇ。」

ルルちゃんがそんなことを呟いた。

いや、え?

えーと・・・、これは、来る時間とか決まってないのかな?

・・・見る限り、時刻表のようなものはない。

「ルルちゃん、馬車がいつくるかわからないってどういうこと?」

私がそう聞くと、ルルちゃんは「そんなに座りたいんですか。」と、呆れ顔で言ってから説明をしてくれた。

私、そんなに変な顔してたかな?

・・・ちょっと恥ずかしくなってきた。

「ええとですね。まず、来る時間を決めてしまうと、それぞれ皆さん行き先が違うので、遠い人と近い人がいるんです。」

うんうん。

確かに、皆同じ行き先・・・とかはないかも。

馬車だし。

「なので、私たちの前が近い人だったら、馬車はすぐに来ますが、遠い人だったら・・・。」

ルルちゃんはそこで話を止めた。

きっと、私に向かってもう分かりますよね?と、合図を送っているのだ。

・・・それぐらい、分かるもん。

要するに、前の人が遠いところに行く人だったら、馬車がこっちに戻ってくるのはかなり遅い・・・ということ。


「・・・日が落ちてきましたね。」

私とルルちゃんが馬車の来る時間の話をしてから、結構時間が経った。

あれから、馬車は来ていない。

あきらかに、私たちの前は遠くに行く人だ。

私が絶望感に浸っていると、遠くからパカパカ・・・と音が聞こえた。

「あ!」

私が指さした方には、馬車があった。

ようやくだ〜・・・。

馬車は普通に布で出来ていて、馬は茶色い。

馬を動かしている?人はゲームでよくいる太った男の人だ。

「どちらまで向かいます?」

「ここから見える、あの街までお願いします。」

太った男の人とルルちゃんが話をしている。

私は少し待って、ルルちゃんに手招きをされて、馬車の中に入った。


馬車に入って何分かしてから隣の街についた。

ルルちゃんは太った男の人に大金を払って、ホテルの中に入った。

ルルちゃんは1回ここに来たことがあるのか、店の場所を把握しているみたい。

ホテルもすぐここに向かったし。

ルルちゃんがホテルの部屋の手続きをした。

私とルルちゃんは、ルルちゃんの希望で別室。

私は自分の部屋に入って、自分の荷物を置いて、すぐにベッドの中に入った。

今日は、1日が長く感じたな・・・。

疲れたからかな?

そんなことを考えていると、私はすぐに眠くなった。

明日も、上手く行きますように。

私はそんな事を思った。

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