建設班
今日も、新しい朝がやってきた。
なんとなく、この村にも慣れてきたな〜と思う。
今日はいつもより早く起きたようで、ルルちゃんはその場にいなかった。
いっつも、何時ぐらいに起きてるんだろう?
そんなことを考えながら、ちょっと村の中を一周してみた。
昨日ルルちゃんが言っていたとおり、空き地に木材がいっぱい置いてあった。
倉庫も作らないと、置く場所がなくなりそうだなぁ・・・。
さてと、今日はどうしようか。
昨日みたいにナギサさんに話を聞くのもいいけど・・・。
なにか建物を作るのもありだな〜。
作るとしたら、私の仕事場か倉庫だよね。
他には・・・特にないと思うけど。
今日どうするかはルルちゃんに聞いてみてもいいかも。
私がいろんなことを考えながら、歩いているといつの間にか私の家に着いていた。
私の家の前にはいつも通りにルルちゃんがいる。
「おっはよぉ〜」
私が後ろから元気よく声をかけると、ルルちゃんは一瞬ビクッとして、こっちを向いて少し怒った顔になった。
「・・・驚かせないでください。今日は早いですね。」
「えへへ、ごめんごめん。今日は早く目が覚めちゃって。」
ルルちゃんは怒った顔を元の顔に戻して、
「今日はどうしましょうか?」
と聞いた。
「今日は、昨日みたいにナギサさんに話を聞くか、建物を建てるかで迷ってるんだよね。ルルちゃんはどっちがいいと思うかな?」
私がそう聞くと、ルルちゃんは少し考えてから、
「そうですね、今日は材料もあるので、建物を作ってみてもいいと思いますが。」
と言った。
そっかぁ〜。
ルルちゃんがそう言うなら建物を作ってみてもいいのかな。
倉庫もどうせ今度作るから、今日も材料班には行ってもらおうかなぁ・・・。
ただ、この頃ずっと行ってもらってるし、少しぐらい休憩日もあってもいいかもなぁ・・・。
「ルルちゃん、今日は材料班はどうしよっか?」
「そうですね・・・。もし足りなくなったら大変ですし、今日行ってもらって、明日お休みでもいいと思いますよ。」
そっかそっか。
確かに材料がなくなったら大変だもんね。
「じゃあ、とりあえず村人さん達全員を呼ぼっか。私がこっちの方を呼びに行くからルルちゃんはこっちの方を呼びに行ってね!」
建設班と材料班を呼ぶとなったら、村人さん達全員を呼ぶってことだからね!
ルルちゃん1人で呼ぶのは大変そうだから、私も手伝うよ!
・・・村人さん全員なら分かるからね!
私が皆の事を呼んで戻ってくると、ルルちゃん達は先に私の家の前に集まっていた。
「やっぱり早いね〜。待たせちゃってごめんね!それでは、今日も材料班には木を取りに行ってもらいます!明日は材料はお休みなので、頑張ってください!」
私が元気よく言うと、「はーい!」と、元気よく言ってくれた。
うんうん、元気がいいのはいいことだよね。
・・・前にも言った気がするけど。
「建設班には、倉庫を作ってもらおうと思います!」
私がそう言うと、建設班の皆は「おー!」「やっとかー」「楽しみね。」
と喜んでいた。
やっと村の事で仕事が出来るんだもんね。
よーし、頑張るぞ!
今回作る倉庫は、普通の木造の見た目は家。
中にはチェストをいっぱい置いて、収納を出来るようにするつもり!
屋根は普通に三角屋根かな?
えーっと、三角屋根っていうのは・・・なんだっけ。
なんか、名前があった気がする。
よくお父さんが言ってた気がするんだけど〜・・・。
・・・方形屋根・・・だっけ。
確か、そんな名前だった気がする。
・・・うん、まあ名前なんかどうでもいいよね!
窓は光を入れるためにつけなくちゃいけないから・・・。
・・・設計図はこんなもんでいいかな。
どうせ私が皆に指示するんだし。
で、木材の作り方は、木の周りを切って四角くして木材の完成!
私たちがいつも取ってる木って大きい木だから、周りを切ってもいい感じに真四角になって、しかも結構大きめにできるんだよね。
うん、倉庫作りの基本はこんな感じでいいかな。
「はいはーい!じゃあ、まずは木材を作っていこっか〜!」
私は皆を自分の周りに呼んで、皆が私が持っている木を囲んでみている姿勢になった。
「まず、空き地に木がいっぱいあるからその中の木を自分で2〜3本1度持ってきて、木の周り・・・丸くなっている所を切ります。試しに見せたいんだけど・・・、ルルちゃん、どこかに丁度いい大きさの切り株ってないかな?」
私が聞くと、ルルちゃんは「村の外ですが、あるにはありますよ。」
と言った。
「まあ、とりあえずは大丈夫だと思うよ。」
私はそう言って、ルルちゃんのところについて行った。
村を出てすぐの所に丁度いい大きさの切り株があった。
「うん、ここでいいよ!じゃあ、試しに見せるね。」
私はそう言って、切り株の周りを綺麗に平行になるように切った。
きちんと、真四角になるように4方面にもしたけどね。
「こんな風に、真四角に綺麗に切ってください。綺麗に切れないと、斜めになってしまうので綺麗な倉庫を作るためにも、綺麗に切ってください。とりあえず、こんな所かな。」
私がそう言うと、皆は「はーい」と言って、早速木を取りに行こうと動き出した時に、ルルちゃんが「ちょっと待ってください。」と言った。
「ん?どうしたの?」
私が聞くと、ルルちゃんがこう言った。
「ここの切り株は1つだけです。4人・・・村長も合わせるなら5人でやるには切り株が足りませんが。」
あー・・・。
考えてなかったわ!
どうしよっかな〜・・・。
確かに、そうだよね。
うーん・・・。
「他に、この大きさの切り株って・・・。」
「ありませんね。」
「お〜・・・。」
どうしよう?
・・・。
思いつかないなぁ・・・。
「村長、もう今日は遅いです。明日また話しましょう。」
「・・・うん、分かったよ。皆、明日には出来るように頑張るよ・・・。」
どうしようかな・・・。
どうにかしないと倉庫を作るまでにものすごく時間がかかっちゃうなぁ・・・。
私はそんな事を考えながら自分の家の前まで行った。
「・・・村長。私も考えておきますから。そんなに悩まないでくださいね。体調を崩されたら大変なので。」
ルルちゃんはそれだけ言って自分の家に入ってしまった。
・・・まあ、どうにかなるかな。
とりあえず、今日は寝よう。
明日なにか思いつくかもしれないし!
私は色々なことを考えながら、無事に作れるかな、と思った。