村長っぽい?
・・・おはよう。
誰に言っているのか、自分でも分からなかったが、起きると自然に言ってしまう。
今日は、ナギサさんの村人さん達に事情を説明して、ナギサさんに村長って具体的に何をするのか聞いて・・・。
私がそんなことを考えながら家を出ると、そこにはルルちゃんがいた。
「おはよ〜。」
「おはようございます。では、行きましょうか。」
ルルちゃんってさ、美人でルックスも良いのに、なんか、淡々としてるんだよね〜。
一番最初はもうちょっと元気があった気が・・・。
ようやく新しい村長が出来て、あの時は嬉しかったのかな。
まあ、これから、私も頑張らなきゃいけないんだけどね・・・。
私たちが隣の村につくとナギサさん達は朝礼をしていた。
今は、ナギサさんが話している。
「・・・なので、私たちは隣の村、レスト村に住むことになったのねぇ。皆も、レスト村の村長さんと仲良くなれると思うわぁ。」
村人さん達がザワザワする。
まあ、そりゃそうだよね。
いきなりそんなこと言われたらビックリするよね・・・。
「・・・あら、ファインさんじゃなぁい。この方が、さっきお話した隣の村の村長さんなのねぇ。」
「よろしくお願いします!」
村人さん達がシーンとする。
・・・この挨拶、ダメだったかな?
「・・・よろしく!」「よろしくね」「頼むぜ!」
皆が私に、よろしくと言ってくれた。
「・・・じゃあ、とりあえず、レスト村に向かいましょうかねぇ。あ、荷物は、また後で村に戻ってくるから、その時に取りましょうねぇ。」
ナギサさんが、テキパキと皆を動かしてくれる。
今まで、こうやって村長さんやってきたんだろうな。
皆が、私に続いてレスト村にやってきた。
「・・・ここがレスト村かぁ」「なんか、普通じゃない?」「なんだかなぁ・・・」
いろんな声が、村に響く。
・・・うん、そうなるよね。
まだ、私とルルちゃんしかいないし・・・。
「えっと、この村はまだまだ建物が増えていくと思います!でも、その為には材料が必要で・・・皆さんにも手伝ってもらいたいと思っています!」
私は、思っている事を全部、皆に伝えた。
・・・うーん。良かったのか、悪かったのか、よく分かんないなぁ・・・。
「・・・まあ、私たちの村も元々こうだったからねぇ・・・。手伝うのも、悪くは無いんじゃないかねぇ?」
村の人達が、「ナギサさんが言うなら・・・」「確かに・・・」
と、納得の声をあげる。
「お願いします!力を分けてくれませんか!」
私がそうお願いすると、一人の男の人が前に出た。
「・・・そんなに言われたら、やりたくなるかもな」
へへへっとイタズラな笑顔を浮かべる。
すると、その男の人に続いて皆も、
「うん!」「やってみるのもいいかもな!」
と言ってくれた。
「ありがとうございます!」
「では、まずは建設班と材料班を分けたらどうでしょう?」
「うん、そうするよ!」
えーっと・・・
ルルちゃんとナギサさんは外して・・・
私は、どっちにも入るから・・・
建設班
ファイン
男2人
女2人
材料班
ファイン
男2人
女2人
これが一番いいよね。
「よし!じゃあ、これで具体的な人を決めていこうか!」
そこからは、もう、皆の団結力って言うのかな。
建設班と材料班はすぐ決まっちゃったの!
「じゃあ、まだお昼だし・・・木を持ってきてくれないかな?今日は、初めてだから一緒に行こっか!村は、ルルちゃんが見張っててね!」
「分かりました。」
「ナギサさんは、私の部屋で休んでてください!」
「ほほほ、ありがとのぉ。」
「よし!それじゃあ、行こっか!」
私が歩こうとした時に、材料班の女の子が、
「・・・あの!これ、斧・・・余っているので、皆で使いませんか・・・?」
「わあ!ありがとう!」
斧を皆に配って、私たちは、早速森へ向かった。
・・・もちろん、皆の案内でね。
いや、どこの木を切っていいのかとか分かんないし!
「ここですよ!」
「おおー!」
そこには、いっぱいな木があった。
「ここは、木が自然に生えてくる場所なんです。毎日、何本か生えてくるんですよ。木を切る場所は、ここがいいですね。」
私は、説明を受けながら、夕方になるくらいまで木を切った。
「・・・そろそろ帰るか〜!」
皆がぞろぞろ集まってくる。
「・・・皆いる?」
皆がそれぞれの確認をする。
「全員います!」
一番前にいた人が声を出した。
「よし!じゃあ帰ろっか!」
私たちは、無事、レスト村に帰ってきた。
「おかえりなさい。」
・・・あっ!
ベッド作ってないじゃん!
皆、ごめん・・・。
「ナギサさんには先に帰ってもらいました。皆さんも自分の村へ一旦帰って頂いて・・・明日は、自分の荷物を持ってきていただけるとありがたいです。」
ルルちゃんが、村人さん達に説明をして、村人さん達を隣の村に着くまで、ちゃんと見ていてくれた。
「・・・ルルちゃん!今日はありがとうね!」
「何がでしょうか?」
「色々してもらっちゃったから!」
「・・・大丈夫ですよ、村長も大変ですもの。」
ルルちゃんが、ふっと笑みを浮かべた。
・・・かわいいぃぃぃぃ!!!
いや、分かってたけど!
元々顔立ちがいいからさ!
笑ったら超可愛いのは分かってたけど!
あぁぁ・・・癒されるなぁ・・・。
「それでは、また明日。」
「うん!おやすみ!」
私は、ルンルン気分で自分の部屋に帰った。
「・・・おおお・・・。」
ついつい、声が出てしまった・・・。
なんか、綺麗になってる・・・。
きっと、ナギサさんが綺麗にしてくれたんだろうな〜。
明日、お礼を言わなきゃ!
私は、お布団の中に入った。
・・・なんだか、いきなり村長っぽくなってきた気がする!
明日からは、家づくりとか、家の振り分けとかあるけど・・・それはそれで頑張らなくちゃ!
私は、明日も楽しみだなぁ・・・と思った。