新しい世界へ
私の名前は、ファイン。
私は、ゲームが大好きなの!
特に、ファインクラフトかな。
自分で自分好みの世界が作れるの。
例えば、自分の家を建てたり、自動施設を作ったり、後は・・・あ、店を作ったりして街を作ったり!
なんか、メイドさんがそこら辺にいて、メイドさんにお菓子をあげると、自分専用のメイドさんになってくれたり!その時には、ちゃんと、名前も決めなくちゃダメだよ?
あ、私は小学6年生なんだけど・・・
ちゃんと学校には行ってるよ?
学校って楽しいからね!
でも、やっぱり宿題とかあるからやる時間も限られるんだけど・・・
ちょっと空いた時間とかでやってるの!
それで、私の世界もすごい充実してきたの!
でも、なんだか、新しい世界をやりたくなってきちゃって・・・。
私は、新しい世界を作ろう!って思ったの。
まずは、ゲームモードはサバイバルにして・・・。
それで、この世界の名前は・・・
・・・
うーん・・・
『ドリームワールド』
・・・これでいっか。
夢の世界・・・まあ、いいでしょ。
新規作成っと・・・。
え?
いやー。
あれ?
なんで私、知らない村の前にいるんだろう・・・。
おかしいな、自分の部屋で、パソコンの前で、ファインクラフトをしようとして・・・。
あ、もしかして・・・
私、ファインクラフトの世界に来ちゃった?
「ようこそ!私たちの村へ!」
んんん?
「・・・」
私が黙っていると、私の目の前にいた女の人が、
「あ、そういえば、まだ村長の名前を聞いてませんでしたよね!」
こんなことを言った。
・・・いやいや、村長?
私が?
「いや、あの・・・ここって、村なの?」
「正真正銘の村です。」
村?ここが?人もいないのに?
私の周りにも、奥の方にも、村人と思われる人はいなかった。
「・・・ここの村の人は?」
「・・・」
女の人は、少し俯きながら、こう言った。
「モンスターに侵略されて、皆やられてしまいました。」
「・・・あなたは?」
「少し遠出をしていて、その場にはいませんでした。戻ってきたら、冒険をしている旅の方がやっつけてくれていました。」
そっかー・・・。
いわゆるミイラに侵略されたのか。
ミイラは、名前の通り、ミイラの見た目をした、敵モンスター。
村人が攻撃されると村人ミイラになっちゃうの。
「要するに、ここの村人はあなた一人しか残っていないと・・・。」
「はい。」
「で、なんで私が村長?」
女の人は、少し首をかしげてから私にこう言った。
「んー・・・。
ここの村の中にリスポーンしたから・・・ですかね。」
リスポーンとは、新しい世界を作って、その中のどこかに自分が生まれる。
父と母がいるわけじゃないけど、そこが自分が生まれた場所ってこと。
「・・・村長って具体的にどんな事を?」
「私もあまり知らないのですが・・・とりあえず、家や、コンビニなどを作ればいいのかな〜と思いまして。」
「そうすれば、自然に人も集まると?」
「今までそうでしたので。」
んー・・・まあ、それならいいかな、なんて思っている自分もいて・・・
ただね、私って自分で思っているくらい、好奇心旺盛なのだ。
・・・認めたくはないけど、皆に幼稚に見えるって言われるくらい・・・。
「いいよ!私がここの村長ね!あなたは、私の秘書。あと〜・・・あ、私の名前はファイン。よろしくね!」
私の前にいる女の人は、とってもビックリした顔をしていた。
「・・・そんな顔して、どうしたのよ。」
私がそういうと、女の人が、こんな事を言った。
「いや〜今まで、淡々と話していたのに、いきなり明るくなって・・・ビックリしただけです。あ、私の名前はルルです。」
・・・淡々と話してたのは、動揺してるのを隠すためだよ!!!
あと、動揺してたから淡々に話してたのもあるかもしれないけどね・・・。
それに、ルルちゃんも充分淡々としてるよ!!!
「えっと・・・まずは、この村の名前を決めよっか。何がいいかなぁ・・・」
うーん・・・何がいいかなぁ・・・
この世界の名前がドリームワールドだから、ドリーム村とか?でも、それだとなんかなぁ・・・
「そうだ、ルルちゃんは何がいいと思う?今までここに住んでたから、何かいい案とかないかな?」
ルルちゃんは、「う〜ん・・・」と、唸りながら、考えていた。
少し経ってから、「そうですねぇ・・・」と言ってからこう言った。
「ここの村は、有名なダンジョンが近くにある事で、旅をしている方がよく寄られる場所なんです。なので、旅をしている方の休憩所という事で・・・レスト村・・・なんて、どうでしょうか?」
レスト村かぁ・・・。
「・・・いいね!レスト村!旅の人達の休憩所!建物の作りがいがあるよ〜!何かあっても、村の名前って変えられるでしょ?」
「手続きはありますが、出来ますよ。」
手続きかぁ・・・。
まあ、その頃には簡単に出来るようになってるでしょ!
「いいよ!レスト村にしよう!」
私がそう言うと、
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レスト村に決定しました。
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おー。
・・・てかさ!すっごい話変わるんだけど!よく考えたら、これって、私に1番向いてるかも?
だって、今までいろんな建物を立ててきたし・・・。
だから、家を作るのとか慣れてるし・・・。
あと、幸運なことに、お父さんが大工で、お母さんが建築デザイナーだったから、どんな家があるのかとか、どういう作りをしてるのかとかがよく分かってるの!
・・・1番最初に作るのは・・・やっぱり、私とルルちゃんの家、だよね。
「ルルちゃんの家はあるんだよね?」
「はい。今まで住んでいた人の家もあるので、村長はそこに住んだらいかがでしょうか?」
今まで住んでいた人の家かぁ・・・。
とりあえず、そこは仮拠点って事で!
「ベッドは?あるの?」
「はい、1つだけですが・・・。あ、でも、あるのは村長に住んでもらおうと思っている家ですよ。」
1つか〜・・・。
ファインクラフトは、それぞれ村人にも仕事があるから、その仕事をするんだけど、何回か仕事をすると、疲れが溜まって、次の仕事が出来なくなっちゃうの。
だから、村人さんにもベッドを作ってあげなきゃいけないんだけど・・・。
あ、私がベッドで寝ると、疲れが回復するのと、夜だったら、次の日の朝になるよ!
夜は、いろんなモンスターがいて、怖いからね。
私は、そんな事を考えながら、ルルちゃんに着いて行った。
少しすると、少しだけ大きい家が建っていた。
「ここですよ。」
「周りの家と、少しだけ違うみたいだけど・・・少し大きいっていうか・・・。」
「そうですね、ここは、前の村長さんが住んでいたところです。なので、次の村長さんのファインさんが住むのが1番かと・・・。」
うーん・・・まあ、前の村長が住んでたなら、色々村長のことも分かるかも・・・。
「ありがとう!じゃあ、ここに住もうかな。ところでさ、ここ以外には、ベッドはないんだよね?今まで、どうしてきたの?」
そう、ルルちゃんは、この村に『1つだけ』ベッドがあるって言ってた。
なら、他の人はベッドで寝れないはず・・・。
一体どうしていたんだろう?
「あー・・・それは・・・」
ルルちゃんが言葉を濁す。
「・・・えっと、私の家にはあります。ですが、他の家にはないですね。まあ、きちんと言うと、前の村長はとてつもなくお金が欲しいっていう人だったんです。」
お金かぁ・・・。
私も、お金は欲しいけど、今はそれよりも村を復興しなきゃ!って思うけどな。
「・・・あ、この話は、また明日しますね。そろそろ夕方になるので、家の中も見てみたいですよね。私の家は、村長の家の右隣にありますので。また明日!」
「・・・はいはーい。おやすみなさーい。」
私たちは、そう言ってそれぞれの家に分かれた。
なんとなくね、話の予想はついてる・・・気がする。
まあ、ルルちゃんにはこれからもお世話になるし、色々前の村長の話とかも聞きたいし・・・。
なんか、この世界、どうなるんだろう。
今も、私がこの村の村長になって良かったのかなって思ったりして。
でも、私はこの世界を楽しむ!
・・・そんな事を思っていると、すぐに夜になってしまった。
「そろそろ寝なきゃ。」
私は、自分の部屋と思われる部屋に向かった。
・・・ちょっと迷ったけど。
「おやすみなさい。」
私は、そう言って、眠りについた。
この後、どうなるのかな〜なんて考えながら。