私の天使様
そんな訳で、色々素っ飛ばして、私は大いに母の再婚を応援した。
何故って?伯父に会う機会が増えるからに決まってる。
普通なら、3親等で駄目なんだけれど、義理父方の伯父なら、血も繋がってないので大丈夫!
つまり母が再婚したって、私に障害は無い!
私はきっとこの初恋を成就させるの!
・・・・・・なんて思ってたら、ひとつだけ障害があったわ。
伯父さんね、バツ1だったの。
しかも子持ち。
女の子。
くっ・・・・・・そりゃそうよね、だってこんなにかっこいいんだもの!
奥さんがいたっておかしく無い。
・・・・・・でもなんで、別れちゃったんだろ。
母達の様に、何かあったのかも知れない。
そう考えると、つい先程まであった恋心が急激に萎んでしまった。
そんな私の恋心を再び膨らませてくれたのは、伯父の娘。
そう、新しい姪になった「心ちゃん」だった。
心ちゃんは4歳になったばかりで、お母さんが恋しい時期なのである。
伯父が仕事の時は私の家で、心ちゃんを預かる事になり、幼稚園へのお迎え役として、最も時間に都合の付く私が抜擢されたのだ!
バイトは止めないといけなくなったし、友達と遊んでる暇もない。
ハッキリ言うと不満だった。
私の大切なお小遣いと、時間は何処にいったの!!?って感じ。
でも、唯一の救いは、心ちゃんが私に懐いてくれたのだ!
初対面ではちょっと人見知りかなーってぐらい私と顔を合わせることもできなかったのだが、初めて幼稚園へお迎えに行った時、私を見た瞬間に走って胸の中に飛び込んで来たときの衝撃は忘れない。
・・・・・・そのまま、後ろに倒れちゃうぐらい、凄かったからね。
でも飛び込んで来た後に「お姉ちゃん」って言うの。
堪らないよね!美羽も小さい頃はこうだったなーとか、でもここまで歳の離れた妹はいなかったからね、もう凄く感動、だって可愛過ぎじゃない?
その瞬間から、私は心ちゃんの叔母じゃなくって姉になったの。
話を聞いて見ると、今通っている幼稚園には母の再婚等と合わせ、伯父も近くに引っ越してきたらしく、その日が初めて通った日だったのそうだ。
心ちゃんにとっては、周りに友人も知っている先生もいなくって寂しかったみたいで、顔を合わせた事のある私を見て、安心したんだろうと伯父から聞いた。
「ありがとう」伯父のその一言で私の萎んだ恋心は再び火を灯し、膨らみあがったのだ!
私の恋に、再び火を灯す機会をくれた、心ちゃんこそ、私の天使様だよ!