アリス、戦いに目覚める!?
自分をかばって、傲慢のルシファーが捕まってしまった。アリスはまだ夢の中にいる。
ここはアリスの夢の中。
「ひよっ子」
夢の中でアリスは気を失っている。
(誰・・・私を呼ぶのは・・・。)
夢の中でアリスは謎の声を聞く。
「う・・・うん・・・。」
夢の中でアリスが目を覚ます。
「ここは・・・どこ?」
アリスが目を覚ましても、周りは真っ黒で何も見えない。
「ひよっ子」
またアリスを呼ぶ声が聞こえる。
「・・・私をひよっ子と呼ぶのは・・・あいつしかいない!?」
アリスの心の中に、傲慢のルシファーの顔が浮かぶ。
「ルシファー!?」
アリスは傲慢のルシファーのことを思い出す。
「どこ!? どこなの!? あいつは!?」
アリスは左右を必死に見渡すが、傲慢のルシファーはどこにもいない。
「おまえのことは俺が守るって言っただろ。」
傲慢のルシファーはアリスをかばって、天使たちに捕まってしまった。
「いや・・・。」
気を失った傲慢のルシファーが天使に連れ去られて行く。
「いやー!!!」
アリスは連れていかれる傲慢のルシファーを見ていることしかできなかった。
「はあ!? はあ!?」
アリスが目を覚ました。アリスは学校の校門付近で気を失って眠っていたのだった。
「アリス、大丈夫ですか!?」
運命の女神ディスティニーちゃんは、目を覚ましたアリスを心配する。
「アリスおばさん!?」
姪のマリーアントワネット・萌子もアリスを心配していた。
「あいつは!?」
アリスは周りを見渡す、しかしお目当ての人はいない。アリスはおばさんと言われると、いつもは怒るのだが反応しなかった。それほど必死にお目当ての人を探した。
「あいつ?」
ディスティニーちゃんは、首をかしげる。アリスが誰を探しているのか分からないのだった。
「傲慢な奴よ!?」
アリスは名前を呼ぶのは気が引けるので、ヒントを出す程度にした。
「ああ! 傲慢のルシファーはハッピーお姉さんと天使に連れていかれました。」
傲慢のルシファーはアリスをかばって負傷し、天使たちに連れ去られたのであった。
「なんですって!?」
アリスは傲慢のルシファーがいないことを知る。
「きっと今頃は天界の牢屋に入れられていますよ。」
運命の女神ディスティニーちゃんは、傲慢のルシファーが天界にいると言う。
「助けに行かないと!?」
アリスは傲慢のルシファーを助けに行こうと考える。
「ええ!? 悪魔を助けに行くんですか!?」
ディスティニーちゃんは、アリスの発言に驚く。
「だって、私をかばって捕まったのよ!? 私には助けに行く責任があるわ!」
アリスは傲慢のルシファーに助けられた恩を感じている。
「天界だろうが、どこだろうが乗り込んでやろうじゃないの!」
できれば戦いたくなかったアリスだが、戦闘モードのスイッチが入った。
「ところで、あなたたちはあいつの仲間でしょ!? どうして助けに行かないのよ!?」
アリスは側にいた不幸の女神アンハッピネスちゃんと悪魔7人に聞く。
「だって、私は不幸の塊なんですもの。傲慢のルシファーを助けることなんかできないわ。」
不幸の女神アンハッピネスちゃんの不幸的思考である。
「私はアンハッピネス様に従うのみ。」
憤怒のサタンはアンハッピネス様命。
「女以外に興味がない。」
色欲のアスモデウス。
「助けたって儲からない。」
強欲のマモン。
「お腹空いた・・・。」
暴食のベルゼブブ。
「やった! これで僕の出番が増えるぞ!」
嫉妬のレヴィアタン。
「面倒臭いのよね。」
怠惰のベルフェゴール。
「・・・。」
無のベリアル。
「なんなのよ!? あんたたちは!?」
アリスは悪魔たちの話を聞いて愕然とした。誰1人として、傲慢のルシファーを助けに行こうという人間がいないのだった。
「あなたたち、それでもあいつの仲間なの!?」
アリスは悪魔軍団をしかりつける。
「悪魔って、生まれながらの不幸なんです。」
悪魔たちは白旗を振って、運命に降伏している。ダメ人間ならぬ、ダメ悪魔どもだった。
「いいわ! 私が根性を入れ直してやろうじゃないの!」
アリスは気合十分で戦う気に満ち溢れていた。
「アリスが怖い・・・。」
アリスを見ているディスティニーちゃんはビビっていた。
「おばさんが燃えている!?」
マリーアントワネット・萌子もアリスの熱意に火傷しそうだった。
「アリス・ディスティニー・ナイト!」
アリスは運命の光に導かれ、運命の騎士ディスティニーナイトに変身する。
「やい! 悪魔ども!」
アリスは悪魔たちに呼びかける。悪魔たちは何事だという感じでアリスを見る。
「私があなたたちの不幸な運命を変えてあげるわ!」
アリスは悪魔たちに宣戦布告する。
「そんなことはできないのだ。」
アリスの前に不幸の女神アンハッピネスちゃんが立ち塞がる。
「私は子供の頃から、幸福の女神に生まれたハッピーお姉ちゃんに幸せを奪われ続け、ずっと不幸な人生を歩んできたのだ。お前如き小娘に、祓われるほど、私の不幸は軟ではないのだ!」
不幸の女神アンハッピネスちゃんは、幸福の女神のハッピーちゃんを姉にもったがために、不幸な目にばかりあってきたのだった。今も幸せになることを諦め、どうすればこれ以上不幸にならなくていいのかを考えている。
「それがどうした? 甘えるな!!!」
アリスには不幸の女神アンハッピネスちゃんの独りよがりの悩みなど、ただの甘えん坊の戯言にしか聞こえなかった。
「ディスティニーちゃんは、ディスティニーちゃんは、そんなお姉ちゃんの2人を見てきて、そんな運命を変えてあげたいと、運命の騎士ディスティニーナイトの力を与えてくれたんだぞ!」
アリスは運命の女神ディスティニーちゃんの想いを理解していた。そういえば、アリスは成績優秀で才色兼備な設定にしていてよかった。
「アリス・・・。」
運命の女神ディスティニーちゃんは、アリスの想いを聞いて、自分のことを考えていてくれたんだと涙する。
「ディスティニーちゃん・・・。」
不幸の女神アンハッピネスちゃんも、妹のディスティニーの想いを聞き感極まる。
「悪魔ども! 一列に並べ! 私が片っ端から運命を変えてあげる!」
アリスは運命の騎士ディスティニーナイトに変身し、剣と盾を持っている。
「人間の小娘の分際で生意気な! 俺の壁ドンとストーキングで地獄に落としてやる! くらえ! 色欲のアンハッピネス!」
血迷った色欲のアスモデウスがアリスに闇のオーラを放ち、アリスに襲い掛かる。
「あっそう、そっちがその気なら・・・。」
アリスは色欲のアスモデウスの態度にブチ切れた。
「痴漢撲滅! ディスティニー・ブレイク!!!」
アリスは剣に運命の輝きを溜め、闇のオーラ目掛けて必殺の運命の一撃を放つ。
「ギャア!?」
アリスの運命の一撃は、闇のオーラを切り裂き、色欲のアスモデウスの不幸な悪魔根性を叩き切る。
「はあ!? 俺は何をしていたんだ!? ナンパなんて最悪じゃないか!? これからは真実の愛に生きるんだ!」
色欲のアスモデウスを不幸な悪魔にしていた、不幸な運命をアリスの必殺の一撃が、色欲のアスモデウスの運命を変えた。
「運命が変わったのだ!?」
不幸の女神アンハッピネスちゃんは、目の前で運命が変わる瞬間を見た。あのスケベで遊び人で変態の色欲のアスモデウスが真人間になったのだ。
「どんなもんよ! 運命の変わりたい次の悪魔、来い!」
アリスは運命の騎士ディスティニーナイトとして目覚めた。これは傲慢のルシファーを助けたいからかもしれない。
「私の金運も上げられるか?」
強欲のマモンだった。
「もちろん。私に変えられない運命はない!」
アリスは強気だった。運命を変えるというチートスキルに目覚めたアリスに変えられない運命はない。
「いつも、こいつらの食費や破壊したものの修理代でせっかく稼いだお金が湯水のごとく消えてしまう。こんな運命を変えてくれ!」
強欲のマモンは、どんなに稼いでもお金が貯まらない不幸な運命を変えたかった。
「まかせなさい! いくわよ! 税金滞納! ディスティニー・ブレイク!」
アリスは運命を変えちゃう必殺の一撃を放つ。
「ギャア!?」
強欲のマモンの不幸な運命を切り裂いた。
「こ、これは!? こいつらが今までに私の金で遊びまくったという借用書!? これで取り立てれば、私にお金が戻ってくる! ありがとう! ディスティニーナイトよ!」
強欲のマモンの不幸な運命をアリスは変えることに成功した。
「どんなものよ。」
アリスはやってやったぜという顔を見せた。
「迷惑だ!」
悪魔たちからは苦情が殺到した。
「僕ももっとたくさんおいしいご飯が食べたい。」
暴食のベルゼブブだ。
「もっとたくさんご飯が食べられるようになればいいのね。」
アリスは暴食のベルゼブブの要望を確認する。
「そうなの、もっとご飯が食べたいの。よろしく、」
暴食のベルゼブブは不幸な運命が変わるようにお願いする。
「分かったわ。麻婆豆腐! ディスティニー・ブレイク!」
アリスの必殺の一撃が放たれる。
「ギャア!?」
暴食のベルゼブブの不幸な運命をアリスが切り裂いた。
「おお! ご飯が足らないんなら、もっと作ればいいんだ! なんで今まで気づかなかったんだ! ということで、マモンお金貸して。」
暴食のベルゼブブは今までのダイエットみたいな料理の量をやめて、もっと自分で料理して、もっと一杯料理を食べることを思いついた。
「嫌だ! 先に借金を返せ!」
強欲のマモンは断る。
「マモンの意地悪。」
それでも暴食のベルゼブブも強欲のマモンも、顔は不幸な運命から解放され、明るい笑顔になっている。
「次は誰!?」
運命を変えることに喜びを感じてきたアリスが言う。
「・・・。」
無のベリアルが一歩前に出た。
「・・・俺だって、普通に話したい。設定が無口でスマホばかりやっている現代の若者病なんて不幸なんだ。」
無のベリアルの本音である。もっと普通にみんなと会話がしたい。それができないのがスマホ社会である。コミュニケーションが取れない今の時代は、なんと不幸なのでしょう。
「OK! イージーよ! 口裂け女! ディスティニー・ブレイク!」
漢字でなくてもゴロが良ければそれでよし。アリスは細かいことは気にしなかった。
「ギャア!?」
運命を変える一撃、ディスティニー・ブレイクが無のベリアルの不幸な運命を切り裂いた。
「危ない!? 危ないじゃないか!? 剣なんかで悪魔を切ったら・・・な!? 声が出ている!? 俺は普通に会話ができるようになったんだ!? やったー! ありがとう! ディスティニーナイト!」
無のベリアルの運命が変わった。声が出ることの素晴らしさを無のベリアルは実感して喜んでいる。
「これで半分ね・・・はあ・・・はあ・・・。」
アリスはかなり体力を消耗していた。
「アリス、休みますか?」
運命の女神ディスティニーちゃんが、アリスを心配する。
「大丈夫よ。ここでやめたら、悪魔たちとアンハッピネスちゃんが不幸の運命のまま。絶対に、絶対に私が運命を変えるんだから。」
アリスは疲れていたが、ディスティニーちゃんのためにも、なんとしてもアンハッピネスちゃんの不幸な運命の呪縛から解き放ってあげたかった。
「アリス、ありがとうです。」
ディスティニーちゃんはアリスに感謝をする。
「次のあく・・・。」
アリスが力が入らなくなって、バランスを崩して倒れた。運命を変える必殺技を4発も打ったのである。疲れない訳がなかった。アリスの体は限界に達していた。
「アリス!?」
ディスティニーちゃんが必死にアリスの体を支える。
「やっぱり運命を変えることなんかできないのだ。」
アンハッピネスちゃんは倒れるアリスを見て、やはり自分は不幸のままなのだと感じた。
「アリス!? アリス!?」
ディスティニーちゃんはアリスを心配して何度も呼びかける。
「ご・・・ごめんね。ディス・・・ティニーちゃん。」
アリスは疲れで意識が朦朧としている。
「そんなことはないですよ!? アリスはよく頑張りました!?」
ディスティニーちゃんはアリスを労う。
「ごめん・・・。」
アリスは疲れて意識を失って眠ってしまう。
「ほら、やっぱり不幸な運命は変わらないのだ。」
不幸の女神アンハッピネスちゃんは、不幸な運命に呪われているとガッカリする。
「私がやる!」
その時、マリーアントワネット・萌子が大声をあげる。
「なに!? なに!?」
不幸の女神アンハッピネスと悪魔たちは驚く。
「マリモちゃん!?」
運命の女神ディスティニーちゃんも驚く。
「変な妖精のぬいぐるみちゃん! 私を運命の騎士ディスティニーナイトにしてちょうだい! 私があいつらの運命を変えてみせる!」
マリーアントワネット・萌子は本気である。
「でも、マリモちゃんは、まだ小学生よ!?」
運命の女神ディスティニーちゃんは小学生を戦士に変えていいのか迷う。
「私が運命の騎士ディスティニーナイトになることによって、自動アニメ枠にもなり、小学生にまでファン層が広がれば、小学校の休みの映画にだってなれるかもしれないじゃない!」
マリーアントワネット・萌子の言うとおりである。最近は、ファン層を広げたり、おもちゃやカードを売ることを考えた作品を書けなければいけない。
「わかったです。マリモちゃん、よろしくです。」
運命の女神ディスティニーちゃんも、マリーアントワネット・萌子を運命の騎士ディスティニーナイトにすることを決めた。
「よし! 私だってやればできるんだから!」
マリーアントワネット・萌子はやる気に満ち溢れていた。
つづく。