番外編 舞踏会のスイーツの前に現れたのは誰。
それは、いつもの…つまらない開始の挨拶だった。
せいぜい若造となめられないように、いつものように余裕ぶって尊大に、ただもったいぶって挨拶をする。
いつものことだ。
いつもと違うのは、あいつがここにいるということ。
挨拶を終え、上段から俺の…王の纏っている色と同じ色を探す。
事前に俺がどんなものを着るのか知られていたのだろう、会場には青を纏う人間は少なくすぐに青いドレスの主は見つかった。
青いドレスによく似合うその姿は追い求めていた輝きではなかった。
本当に探していた人物は、まったく違う色のドレスを纏っていた。
軽い反抗に、思わず目が大きくなる。
本当に、面白い。
そして、俺はいつもと違う行動に出る。
ゆっくりと、ただ一人を目指して上段から階段を下りる。
いつもと違う行動に、広間に降りれば、我先と群がってくる美姫とよばれる人間たち。
そのほとんどが甘い蜜に吸い寄せられてひきよせられる毒蝶、宰相に視線をやると涼しい顔で知らぬふりを決め込んでいる。
近くに控えるマシに視線を投げかけると、いつものように面白そうに皮肉な笑みを浮かべている。
この程度のことが、あしらえないようでは、こいつらは…国は動かせない。
これも、いつものこと。
「踊っていただけますか?…我が姫。」
慇懃に腰を折る。
そこには薄いピンク色のドレスをまとったロザリアがいた。
贈ったはずの青いドレスではないと咎める気持ちより先に、ただただ賞賛の声をあげたくなるほどの姿だった。
金の髪の輝きだけではない
思わずかくしたくなるほど…白い肌が、さらに透き通るような印象を与えるピンク色のドレス。
今までドレスに興味はなかった。
脱がせ易ければいいと思う程度だったはずなのに…次は俺が選ぶ。




