表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SON遊戯〜あなたたちの食べてるそのお肉って〜  作者: 一年目の平凡な中小企業の社長


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/4

ギャルズミートの研修生グエッツの死

 深夜の養豚場。一人の研修生、グエッツは激しく肩を上下させていた。


「ハァ、ハァ、ハァ……。コノ、地下倉庫……ナンナンダヨ。声、キコエルヨ……」  


 静まり返った敷地内に、場違いな女の啜り泣きと、掠れた悲鳴が木霊していた。


「キャァ……助けて……誰か、お願い……」  


 恐怖に足を震わせながらも、グエッツは誘われるように階段を降りていく。暗い地下の奥、鉄格子の向こう側に、絶望に染まった女子高生が転がっていた。


「アシ、ナイよ……。あなた、ドウシタ……?」  


 グエッツは絶句した。鎖に繋がれた彼女の下半身は、無惨にも失われていた。


「助けて……っ、お願い、助けて!」  


 少女が縋りつくように叫んだその時、背後の闇から冷ややかな声が突き刺さった。


「グエッツ。なんで、こんなところにいるんだ?」  


 社長だった。逆光で顔は見えないが、その手には巨大な解体用ハンマーが握られている。


「シャチョ……なぜ、オンナノコ、コンなことスル……?」


「それはな……うまい肉を作るためなんだよ」


 言葉が終わるより早く、鈍い衝撃がグエッツの側頭部を襲った。


「グッ……! シャチョ……ナニ、スル? アナタ、おかしい!」  


 必死に頭を抑え、後ずさるグエッツ。しかし、社長の瞳には慈悲の欠片も宿っていない。


「はっはっはっ……黙れ! うまい肉を作るためなら、俺は悪魔にだって魂を売り渡すんだ!」  


 狂った咆哮とともに、ハンマーが何度も、何度も振り下ろされる。

 ――グシャッ、ミチッ。  頭蓋が砕け、脳漿が飛び散る生々しい音が地下室に響く。


「うぅ、ぅぅ……。ミンナ、ニゲロ……。ベトナムの、パパ……ママ……ゴメンナサイ……。オカネ……」  


 仕送りを待つ家族の顔を思い浮かべながら、グエッツは地面に突っ伏し、二度と動かなくなった。

「あぁぁぁぁぁぁ! 助けて、助けてぇ!!」  


 目の前の惨劇に、女子高生が狂乱の叫びを上げる。社長は返り血を拭いもせず、忌々しげに彼女を睨みつけた。 「お前の悲鳴がうるさいから、こいつが気づいたんだろうが。本当に、面倒をかけてくれる……。だが、タケルのためには、まだ生かしておかなきゃならんからな」

 社長は無造作にグエッツの脚を掴み、ゴミのように引きずり始めた。


「……そろそろ、タケルを呼んでくるか。こいつは細かくミンチにして、番犬の餌にでもしてやるよ」


 巨大なミンチ機のモーターが唸りを上げる。夢を持って日本へ来た青年の命は、ただの「廃棄物」として処理されようとしていた。


「タケルゥ! ほら、新しい『おもちゃ』があるぞ」  


 先ほど研修生を撲殺した男とは思えない、猫なで声が地下室に響く。


「あぁぁぁ、うわー! うわー!」  


 暗がりの奥から、歓喜の咆哮を上げてタケルが這い出してきた。彼は足元に転がるグエッツの死体など目にもくれず、その背中を無造作に踏みつけ、一目散に女子高生へと突進する。


「ギャァァァァァ! バ、バケモノ……ッ!」  


 恐怖のあまり少女が叫んだ瞬間、パァンと乾いた音が弾け、彼女の頬が腫れ上がった。


  「バケモノだと……? うちの息子になんて無礼なことを……!」  


 社長の猛烈な張り手が飛んだのだ。少女は衝撃で奥歯が折れ、もはや悲鳴を上げることすらできなくなった。


「ウヘェェェェェ……」  


 タケルは満足げに喉を鳴らし、自らのズボンを蹴り脱ぐと、抵抗できない少女にのしかかった。彼女の口に己の唇を強引に押し付け、獣のような舌で執拗に舐めまわす。脂ぎった手で全身をペタペタと愛撫し、タケルは自らのどろりとした欲求を少女へと叩きつけた。


「あっ……あ……」  


 焦点の定まらない瞳。少女の精神は、あまりの屈辱と恐怖に音を立てて崩壊し、ただの「肉の塊」へと成り果てていた。


「よし……タケル、もう満足か?」


「うわぁぁぁ!」  


 タケルが満面の笑みで応えると、社長は優しくその頭を撫でた。


「じゃあ、ミンチにしちゃうからな。危ないから、タケルは離れてるんだぞ」


 重苦しい唸りを上げて、巨大なミンチ機が起動する。まずは、まだ温かいグエッツの遺体が投入された。バリバリと骨を砕く不快な音が響き、出口からはドロドロの肉塊が吐き出される。社長宅で飼育されている八頭の獰猛なドーベルマンたちは、主人が投げ与えた「元研修生」の肉を、一瞬で平らげた。

 続いて、放心状態の少女もまた、生きたまま機械の闇へと飲み込まれていく。彼女の肉は明日の朝、他の飼料と絶妙な比率で混ぜ合わされ、豚たちの餌となるのだ。

 すべてを処理し終えた社長は、返り血を浴びた顔で、愛おしそうにタケルを見つめた。


「明日もまた、いい肉が仕上がるぞ……なぁ、タケル」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ