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結果よりも過程を望みます。  作者: 量産三型
第一章

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第5話 飛ばされた理由

真っ白な空間に、ふうまは立っていた


「何処ここ?」


ふうまは辺りを見るが、真っ白で方向感覚を失う。

自分の立っている所が縦なのか横なのか、分からなくなっていった。

ぐるぐる辺りを見回すと、白い格好をした人物がこちらを見ていた。

だがぐるぐると回っていた、ふうまは、急には止まれず、少し回転してから、その人物に向き直った。

よく見るとその人物は可愛らしい女の子であった


「すみません…此処は…」


女の子は周りを見て、此処に二人しか居ないことを確認するとため息を吐く


「貴方だけなのね…」


「?」


「…とりあえずはお疲れ様。…こういう時、どういえばいいんだっけ…」


女の子は眉間を摘み、悩んでいた


「お疲れ様ってどういう?」


「ああ、お疲れ様っていうのはここに飛ばされたって意味ね」


ふうまは頭の整理が追いつかず、一つの言葉しか思いつかなかった


「…自分はどうなったんですか?」


「あなたは、死ん…ではないか。…まあ簡単に言えば、巻き込まれたが正解かもね」


ふうまはある単語を思い出す


「転移?」


「!」


女の子は驚く


「よく知ってるわね、そんな単語」


「異世界系は特n……?」


ふうまは言おうとした言葉がこれ以上、思い出せなかった。

ふうまが悩んでいると、女の子は可哀想な目で見つめていた


「記憶が少しでも残っているなら、今後少しずつ思い出せるかもね」


「?」


異世界系でふうまは思い出す


「白い空間、1人の人物…もしかして、貴方は神様ですか?」


その問いに、恥ずかしそうに女の子はポリポリと頭を掻いた


「神様ではないわ。私はキューピッド、一般的には天使って所かしら?」


「キューピッド?じゃあ神様は居ないんですか?」


「ええ、神様は今…ラグナロクの真っ最中だから、ここ…うーん」


キューピッドはなんて言おうか腕組みをする


「ラグナロク?真っ最中?どういう意味だろう」


「ラグナロクは最終戦争のことね」


「!?聞こえないよう…え!?」


ふうまは頭の中で考えていた事が、そのまま出ている事に驚く。

その様子に、キューピッドは呆れる


「そりゃそうでしょ、貴方は魂だけなんだから」


「!?」


魂という単語を更にふうまの頭をこんがらがせる


「転移じゃないんですか?」


「魂だけ転移って形ね」


「それって転生じゃ…」


「…貴方が此処に来た経緯を説明するわね」


キューピッドは息を整える


「まず、貴方は通学中に刃物で刺されたわ」


「通り魔ですか!?」


「いいえ、私も信じれないけど…刃物を持った幼稚園児が、刃物を投げて、看板に当たって地面に落ちて、その刃物は近くの泥棒に拾われて、追ってきた警察に投げたんだけど、当たらずに通過して、近くにいた武術の達人が刃物を避けようと、刃物の柄にサマーソルトを繰り出し、近くのインド屋の看板に当たって、落下し、別の刃物の柄に向かって勢いよく落ちた衝撃で、その別の刃物は勢いよく飛びながら、貴方を刺したわ」


「…」


ふうまは突然の情報量に頭がこんがらがった


「それで…どうなったんですか?」


「刺さった場所は、貴方の脇腹だったから致命傷ではないわ」


ふうまはほっと一息をつく


「じゃあ、なんで此処に来たんですか?」


「今から言うわ…刺さった後貴方はショックで気絶したわ」


「気絶?」


「ええ、その後は…」


キューピッドは言いにくそうに、明日の方向を見る


「その後は?」


「…気絶した貴方は、あたし達の神様に亜人になるように魂だけ転移させたわ」


「!?」


「あたし達の神様は今、神様同士で戦ってるの、そこで貴方の世界の神様に不満を持った、あたし達の神様が、20人程度、こっちの世界の亜人種に変えたの」


「じゃあ自分も亜人なんですか?」


「そうなんだけど、貴方の場合は運が良かったわね」


「運?」


「ええ、殆どの人は記憶を持たずに、亜人になったわ」


「?」


「あたし達の神様は、貴方達の魂を一気に、亜人の身体に憑依させようと、一掴みでやったんだけど、貴方はその手から落ちて、ここに来たってかんじね」


「ここに来たことで、記憶が保てたんですか?」


「まあ、そうなんだけど、無理やり、貴方の魂を引っこ抜いたから、死ぬ寸前の記憶しか無いと思う。でも…転移という単語といい、普通に喋れてる時点で、記憶は保っている方ね」


「なるほど…それで、君達の神様は恨んでもいいですか?」


「いいわよ、無理やり連れてこられたんだし」


ふうまは頷いた


「それで、自分の身体はどうなりましたか?」


「今は…体だけが動いてるって感じ、死んではないわ」


「自分って、帰れますか?」


「神様がいないから、無理ね」


「…その…ラグナロクはいつ頃終わるんですか?」


「さあね、戦争の終着点なんてわからないわ」


「…そういえば、自分の世界とこっちの世界は…」


「こっちの時間軸は、貴方の世界よりも物凄い速さで回ってて、あっちが1時間だと、こっちは1年程かしらね」


「そんなに…」


ふうまは驚く


「そういえば、ここにいるのはキューピッドさんだけですか?」


「ええそうね」


「すみません、なんかこういう場面って、神様に近い人が喋るイメージがあって…」


キューピッドは申し訳無さそうに頭を掻いた


「実はね…私たち天使は、亜人種と敵対関係にあるの…だから…亜人種になる貴方達に関して、あんまり関わらないようにしているの」


「でも、貴方は…」


「…あたしは人間に結構、干渉してるから…それに、自分がもし、こんな立場になったら嫌だから…少しでも助けになればいいと思って…」


「…ありがとうございます」


逆恨みせず、感謝を述べたふうまに対して、キューピッドは更に申し訳なく思う


「別に…」


キーン!


辺りは白い光が強まる。


「そろそろ時間ね」


「時間?」


「ええ、私が隠れ家がバレたみたい。天使達が外で騒いでるわね」


「大丈夫なんですか!?」


「ええ、この隠れ家に来たらビンタかましてやるわ」


キューピッドは力こぶをふうまに見せつける


「んじゃ、そっちも頑張ってね」


「あの、自分はこれから何をすれば」


「何でもすればいいわ、第二の人生だもの。…それと、一つだけ忠告、貴方はこれから亜人種になるわ、だからこそ、私以外の大半の天使や人間は殺しにかかってくるわ、だからこそ、殺る時は確実にやりなさい。じゃないと貴方は、戻れなくなる」


「戻れなく!?」


「ええ、こっちで亡くなると、貴方の魂は行き場を失って、現世に戻れなくなるだから、生きて、生きて、貴方のやりたいようにすればいいわ」


「やりたいこと」


ふと、ふうまの記憶に後悔した、場面がフラッシュバックする


「後悔しないように」


「ええ、後悔しない人生を送りなさい。それと…」


キューピッドは肩にかけていた、弓に矢を込めて、ふうまに向けて放つ。

その矢はふうまの胸に刺さると、溶けるように消えていった


「それはモテモテになる矢よ」


「モテモテになる矢?」


キーン!


甲高い音が鳴り引き、白い光が更に強まる


「ええ、貴方の種族は、男性が多いから、男にモテるようにしたわ」


「え!?男に!?」


「大丈夫よ、天使の勘が言ってるもの!じゃ、そっちでも頑張ってね!」


「せめて、女の子に!」


キューピッドはウインクをして、ふうまに手をふった。

直後、辺りはキューピッドの姿が見えなくなるほど白い光が覆い尽くした。

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