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Classic Machine Re:Makers  作者: 桜葱詩生
CMR #02 ジャガー Eタイプ シリーズ3

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CMR #02 ジャガー Eタイプ #33

※申し訳ありません #32後に入るはずのギャグエピソードが丸々 抜けておりました ログライン後になってしまいますが ここに足させていただきます

※本編とは まったく関係ありません やはり 平屋一軒家は デフォだと思います


---????---------------


「ファNキーpが捕まったようだなっパ」


真っ暗な部屋の中、円形に座ったものたちのうち、ひとりが勿体ぶるように、そう話しはじめた。片目、その反対の目には黒い眼帯が掛けられ、闇の中で不自然に鈍く光っている。頬には深いギザギザの傷跡、昔ながらの…どこから手に入れたのか皆目見当もつかない違法密売品の葉巻を咥え吸い込むと、プハー、と白い煙を吐いた。口元には立派な髭、その下からは二本の立派な牙が上へと生えている


「そうみたいだなっピ、あんな奴でも少しは役に立つと思ったんだがっピ、やっぱり駄目だったなっピ」


真横に座っている優男がそれに反応して、そう答えた。首には不自然に重力を無視して後ろへと伸びるマフラー、頭には大き目のサイズの合っていないレーサーゴーグルを嵌め、そこにある髪の毛は逆立たち、前の方へと尖がらせている。優男は、その髪の毛を整えるために何度も、何度も櫛を通しつつ、気障ったらしく、斜に構えて座る


「あいつはわが家族(ファミリー)で最弱っプ、いなくなったとこでなんの影響もないっプ」


その正面。やや小太りの人物が、小さな唐揚げをいくつも口に頬張りながら答える。そのものの前には大量に積み上げられた唐揚げの皿。食べ終わるたびに、小太りは後ろへと気にせずに食べ残った骨を放り投げた。床にぶつかった骨は、カラン、と軽い音を立てたのち、不自然に空中へと浮かび、その脇にあるゴミ箱へと入っていく。油のいい匂いと湯気、誰かの腹が、クゥ、と鳴る。鳴らしたのはその小太りだ


「しかしっペ。家族(ファミリー)の評判が落ちるのはいただけないっペ。アイツにはそれなりの罰を与えないといけないっペ」


優男の隣、これまた他のものとは大きく違う、ひょろ長い人物がそう付け足す。眼鏡、神経質そうな目元には隈ができ、薄い唇に薄ら笑いを浮かべている。男は眼鏡を、クイッと中指で持ち上げると、なにやら目の前のマシンに入力をし始めた。画面には…お尻、お尻、ヒップ、お尻、お尻、ヒップ、お尻、お尻、ヒップ…と綴られていく。その文字が…不思議なアートを描き、優美な曲線を持ったその名の通りの形状へと並んでいく。男は満足したように気持ちの悪い笑みを浮かべると、それを即座に消去した。また、同じような…今度は反対向きのそれを打ち込み始めた


「そんなことをいっている場合じゃないっマ。わたしの可愛いプギャrちゃんが捕まったっマ。なんとしても取り返さないといけないっマ」


円卓の一番端…円卓に端というものがあるのだとしたら、ひげを蓄えた男の反対側しかないであろう。そこに座った、豪奢な色の悪い広いつばのあるご婦人用の帽子をかぶり、三角に尖った眼鏡をかけ、厚い唇に長いパイプを燻らせた、片腕に嫌がって小さな腕を伸ばす小動物を抱えた人物がそういいきる。眼鏡が不自然に光る。どこの世界でも一番下というのは可愛いものなのである


「ええーっプ? ママン、あんな奴放っておけばいいのよっプ。いつもいっつも失敗するような子は、すこし懲らしめてやらないといけないっプ」


「そうだっペ。アイツとは趣味が合わないっペ。尻の曲線美を理解できない奴はどんなことになっても仕方がないっペ」


「まあっマ? ポrjラちゃん、ヒネrクちゃん、なんてこというんだっマ。可愛い弟のことが心配でないんだっマ?」


「そんなこといってもねえっプ?」


「そうだっペ」


「まあまあっパ、二人とも、今回のことは大目に見てやるっパ。いつも失敗ばっかりしているかもしれないけどっパ、アイツもたぶんっパ、反省してるっパ」


「「そうだといいけどっプ」ペ」


そこまでいうと優男が、待ってましたとばかりに、バッ、と立ち上がった。髪の毛を梳かすことを止めずにちゃぶ台に足をかけて、優男は上の、どこかを斜め見て、こう宣言した


「それならっピ。このオレサマがアイツの尻拭いをしてやるっぴ。アイツの失敗はオレが取り戻してやるっピ」


「あんちゃんっプ」


「アニキっペ」


「そういってこの間っプ、貸した金返さないつもりだっプね? そうはいかないんだっプ」


「はあっピ? な何をいってるんだっピ? あれはくれるっていってたっピ。間違えるんじゃないっピ」


「あーっプ! また有耶無耶にして逃げるつもりだっプ。そうはいかないんだっプ」


「そ、そんなことはないっピ……そうだっピ、オレはこの後用事があったっピ。こんなことしている場合じゃないっピ」


「あっプ、ちょっとどこ行くっプ? 金、返すっプ」


真っ暗にした四畳半とキッチンだけがある家。真ん中に円形のちゃぶ台を置いただけの部屋に住む五人はそんなことをいいつつ、それぞれがそれぞれに興味のあることだけをやり始めた。あるものは唐揚げを食い、あるものはアスキーアートに夢中。あるものは金の勘定をしだし、あるものは逃げ出す。最後のひとりだけは我が子の心配をしつつ、どうして自分はこんなに不幸なんだろうと嘆いて、ハンカチで目元を拭いて、泣く真似をする。まるで誰かが何かを上手くやってくれるのを待っているかのように


窓の外では小隕石同士が衝突し、粉塵をまき散らしている。ゆっくりと回る小惑星群のただ中、それらが流れながら辺り一面を不規則に、異なる方向へと漂っていく。部屋は外から見ると小さな平屋の一戸建てだ。そんな惑星環境外に対応した建築物。小さな隕石がその平屋へと近づくと、何か不可視の障壁に阻まれて、砕け散った。残った破片と粉塵が、あらぬ方向へとはじけ飛んで行く


小惑星帯の中でもかなり大きな小惑星の上に、ポツンと平屋の建物が建てられている。その小惑星の真ん中には大きなすり鉢状の穴が設けられ、その真ん中はなにか、知的交渉可能体のもののような眼球が動く。上下左右に自動的になにかを監視するような動きをしながら、辺りを窺い、時折、ぶつかりそうになる隕石に瞬きさえする。その横でハッチが開いた。イオニックエンジンの尾を引いて、一台の惑星間航空機が飛び立っていく。搭乗しているのは先ほどの、斜に構え髪を逆立てた優男だ。向かう先も当然、自身の弟を捕まえたにっくき場所。ただ残念なことにこの優男は方向音痴だった。今まで彼が行きたいと願ったところへと、辿りついたことは無い。目的地の真反対へと飛んで行った航空機は、キラッと光を放つとどこかへと消えていった



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