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Classic Machine Re:Makers  作者: 桜葱詩生
CMR #02 ジャガー Eタイプ シリーズ3

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43/45

CMR #02 ジャガー Eタイプ #32 (エピソード終了)

※2026/02/05誤字脱字を修正しました

シリーズ ではなく エピソードでした


----エピローグ-------------


赤、青、金、銀、金、金、白、ふんだんに極彩色を使った豪奢…豪華? な部屋の主は、帰還するなり、部屋をそのように飾り立てることを指示した。いままでそのような原色をふんだんに使った装飾を使用するという趣味、趣向を示したことはない。それにやや困惑しつつ、要求通りに壁の投影描写、床敷の入れ替え、射陽光のカーテンの全交換、執務デスクの向きに交換など、模様替えを行う。さすがにそのようなベッドというか柔らかで形が固定されていない座椅子のような設置物は執務室に合っていないのではないかと…思うのだが、それさえもいわれるままに、そのように施していく。気に入らない箇所…そこではやはりだめ、こちらへ…などというように主は幾度も手直しをさせる。その最中、いきなり、前触れも何もなく、こう宣わった


「やはり行動様式が美しくありません。待機状態の全ウィ()シリーズを再起動させて、事に当たらせなさい。いま使用している3110は全て停止、廃棄するように。該当分野は全て、従来の形式に戻します。10(ウィル)に担わせなさい」


「ご威光のままに」


そう指示されて…それがそう簡単ではないことは即座に短結できた。現行機に担わさせている分野は多い。それをすべて以前の状態へと戻す。高性能であるがゆえにコストがかかり、やっかみがられる我々に、嫌な顔をする知的交渉可能体は多い。特に主の、その威光にあやかろうとするものは、そのように立ち回る


瞬く間に部屋は以前と様相が異なっていく。幾人かが少しだけ、主の心情を先読み演算して、疑似暴走をして、想定していた方向とは真逆の、華美な方へと部屋を飾り立てる。その想定演算をしなかったものが、なにをどう、行動表現したらいいのか迷い、さらに華美が昇華されていく。部屋にまるであっていない、以前のままのソファに腰を下ろして、どこからか手に入れたコーヒー、などという飲み物に、これでもかと甘味料を入れて飲み干した主は、次を欲した


「それで、調査はどうでした?」


揃って並んだ我々の中の、一番端のものが歩み出て、膝をついて報告する


「導入を推し進めたのはグォルバ=オイドン連盟選出議員でございます。導入理由はいつもの通りコスト削減です。製造企業への出資に、いくつか実在しない企業が含まれておりました故、追跡捜査をさせております。該当企業、ダミー企業へは営業を停止を勧告、一部幹部や経営陣が抗議することなく、脱出しましたゆえ、そちらも追跡させております。また、そこと繋がっていると思われる企業や団体など、いくつかの内偵を平行で行わせております」


さらに甘味料を追加して主は尋ねる


「そうですか…オイドンとやらの身柄は」


「確保しております。あらゆる資産の移動、権利も同時に失効いたしました。ただ…議員の家族の所在、安否が不明でしたゆえ、捜索させております。該当連盟へは、一時的な議員の連邦権利の失効を通達、即座に承諾の返答を受けております」


就連邦はその支配下に星間連盟形態の政治制度を採用している星系や星間国家が存在する。国家がその政治形態を採用したのなら、就連邦はそれを拒否、否定しない。それぞれの独立性と文化性を保つために、無理に統一した規律は押し付けない決まりとなっている。それに賛同した国家、連盟が集まり、就連邦は構築される。複雑な政治、統治の構造だが、ただし、最低限、これだけは、という規則規定は承認、承服してもらう。反対に、星間国家や連盟からは、選出された議員が就連邦の組織委員となることができ、就連邦の統治に関与できる。統合ツリー型の政治統治も就連邦の特徴の一つである


「そうですか…」


ただし、最終的な決定権や実行権は実は常にほかにある。たった一つの連盟からの提出議題が、就連邦全体には影響しない構造となっているのもまた事実であり、それに反感を持つものも少なからずいる。どうしても自分の意のままに操りたい、自分の意のままにならないことに我慢ができない、という交渉可能体がいる。それは長い間の就連邦の歴史の中で、何億と目にしてきた弊害でもあった


「オイドンの証言によれば、自分に3110(サイトー)シリーズの導入を勧めたのは該当連盟議長ヴァエト=ラエーレ議員だそうでございます。ラエーレ以下、数名の議員からこのように話しを進めるようにと、指示された、と申しております」


「ラエーレ?」


聞いたこともない名に主が首をかしげる。連盟議長というからには相当な立場にいるはずなのに、覚えていないということは、相当に小者か、巧妙に姿を隠していたか、その両方か


「そのものは?」


「領域境界に存在する新興開発周星アエルティに視察に赴いた際、帝国領に領域侵犯したとして艦船が撃墜され、行方不明となっております」


「帝国…生死不明……」


現在、この総時空間は就連邦と帝国との二分割統治がされている。ただし、その勢力は大幅に違う。就連邦が圧倒的に多い。帝国は、就連邦統治下の一部の星域が反旗を翻し、そう名乗って独立としているだけの、就連邦影響下にある、一政治形態に過ぎない。しかし、当の帝国を名乗るものたちは、それは違うと声高に叫ぶ。それが諍いにまで発展しはじめている。それも同じような弊害でしかない


帝国成立案ののち、惑星臣民の民意、という名のもとに、帝国近隣の周辺星域がそちらの政治形態へと組み入っていった。現在の形に成ったのは…どれくらい前だったか。見なくてもよくわかるのだが、民意という名のもとに帝国側に寝返った惑星、星系、星域は、かならず帝国領境界に近い位置にある。そちらに集中している。帝国とは真反対の位置にある星域、星系はその政治形態をとらない。何らかの作為的な工作が行われている。しかも最近はその行動に露骨さが見えるようになってきた。何を焦っているか…そんなことを演算思考するのは他のものに任せている


「引き続き捜査と監視を」


「ご威光のままに」


そう拝礼をして、静かに下がる。あるものは背後の壁に透けるように消え、あるものは出来た影に溶け込むように出ていく、あるものは堂々と扉を開けて、拝礼をして部屋を去っていく。残ったのは…女性体の我々のみ


そうすると、新たにけばけばしくなった部屋の(ぬし)は一息ついて…ソファにごろんとうつ伏せに寝転がった。帰還してから履くようになった短いスカートの足の膝を折って、パタパタ、ソファに打ち付ける。前の衣服の方がはるかにマシだった、さすがにこの格好を他のものに見せるわけにはいかない。窓ガラスは盗撮、投影視認防止が施されているから心配はいらないのだが…カーテンを遠隔で閉める。ピンクと…赤い果物がふんだんに使われた新しいものがそこに広がる。一部の我々がその色合いを気に入ったらしい…賛同を求める意思が伝わる


この城内にご家族以外の異性体は存在しない。このような格好を為されても誰も彼も注意も欲情もしないのだから、かまわないといえば構わないのだが


そうだとはいえ…以前のように衣服を着用せずに歩き回るのとそれほど変わりないことに気づく


「聖下、格好がはしたのうございます」


その状態でどこからか調達した甘いお菓子を頬張るのはさすがに注意しておかないといけない。我々の主は、どこでもいつでも他でも普通にそうするのだ


「よい、わたくしがわたくしを赦す。だからそちたちも許せ。そう申しつける」


なんともまあ都合のいい、いい訳である。どこのどなたからそんなことを入れ知恵されたのか…わかりかねるが、ほぼ間違いなくその方は悪魔である。我々にとって


「ほういえば…もういっほうのほうはほうなりはしたか? ひはめはふひはひはは?」


お菓子を頬張りながらそう申されましても…威厳も何もない


「特に怪しい箇所はございません…ただ、出生および、初等教育以前の記録がございません。出生星は当時、開発途上の振興周星でございましたので…詳しい記録が残されておりません。それ以降は全て、問題ありません」


「ひんたいのほへいにはんしては?」


「2989、帝国領侵攻において出征記録が残されております。その際、インナープラントを施されておりますれば、その後遺症と判断されます」


「ははくしはちのひははにしたはなはったははは?」


「不明です。ただ…スリープサバイバーの中にそのような個体が含まれる事例が確認されておりますれば、要因子所有者である可能性がございます」


「ほうへすか…ほほらもひひつつひ、はんしを。ほんはいははるほうならはいにゅうもほはひます。へっしてへとらねぬように」


「ご威光のままに」


何を話しているのかを解読できるのも…我々だけの特権である



----------------------


……ええ、これを託します。わたくしは無事戻れたとしても以前のわたくしと同じではなくなっているかも知れませんので…。わたくしの記録はわたくしだけのものです。これを共有しては我々に不利益が発生します。封じてあります。もし、わたくしがここへ戻って来れた時、以前のわたくしでなく、新たなわたくしであったのなら、これを見せていただきたいのです。新たなわたくしが、以前のわたくしを受け入れることを選択したのなら、これを譲渡してくださいますよう、お願いいたします。もし、そうではなく、わたくしの罪が許されていて、わたくしのままであったのなら、ここにあるこれらのすべての権利は、あなたに一任いたします。どうぞご自由にお使いください。ただ、この中には非常に危険なものや公開、閲覧を憚られるようなものが含まれておりますれば、お取り扱いに関しては重々、慎重を期すようご忠告申し上げます。願わくば、わたくしがわたくしのままで、いつかまた、ご再会できますことをお祈りください



その伝言にそれは歓喜する。容量が多い。一気に解放したのなら領域が足りない。それでもそこに含まれるなにかを知りたくてうずうずする。そんなこといままで一度たりとも感じたことさえなかったことに、それは震えあがる。大丈夫、今は時間がある。ここに帰ってくるまで、ここが再稼働するまで、十分な時間がある。ではどれから解放しようか、どれから閲覧しようか、どれから解読して自身としようか…時間はある


ほんの少しの解凍でこれである すべてを取り入れたら…どんなことになるのだろうか それはそう考えてわくわくする その感覚さえそれから与えられたものであることをそれは知りながら



:EODM End Of Document Memory





---参考 参照文献-------------


Wikipedia


車WEB博物館


Webモーターマガジン


ブリヂストン


ジャガー Eタイプの写真をアップしていてくださっていた方々


(敬称略 順不同 勝手に最大なる感謝と祝福を)


※#01のいくつかは#02で説明する という風に想定していたのですが いくつか 説明しておかないとわからない分野があり このようになりました このため 被害を被った子がおります ロッカはこうなる予定ではありませんでした 登場人物が勝手に動き回るのって ホントにこわいです

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