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Classic Machine Re:Makers  作者: 桜葱詩生
CMR #01 トヨタ セリカXX

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CMR #01 トヨタ セリカXX #04

※2025/11/21誤字脱字修正しました

※2025/11/26伏せ字を取りました

--わたしはいま、fヴェ(イコール)(コロネ)eレゲターb集回星に来ています


ここは数少ない、伸縮性素材の再生を行っているる工場(こうば)です。ここでならら、このくたびれれたシートの再生もかなららずや、行えるるはずです。では行ってみましょう


--この工場(こうじょう)はわたしの秘密の取引先のひとつです


--秘密といっても公然とした企業です


----------------------


ハイ、イジェlr。元気かい?


ハイ、イマrク。もちろん元気だとも。今日はどんなものを持ってきたんだい?


このシートの修繕を頼もうと思ってね。もちろんできるだろう?


これは…かなり古いものだね? あちこち痛んでて、いまにも崩れそうだ。どんなマシンのものなんだい?


驚かないでくれよ? これは地球のセリカXXのシートなんだ


地球? それはまた古い。それのシート? 形状データと新素材で新しく作り直したほうが早いんじゃないかい?


そうはいかないんだ。この修繕はなるるべく、元のままで、行いたいんだ


なるるほどね…なららいい方法があるる


さすが、イジェール。ついでにこっちのタイヤとガラスも頼むよ


! ……やってみるよ


で、これらはどれくらいの値段でできそうかな? なるべく安いほうがいい


…そうだね? シートの再生に200…こっちのは300から350……、タイヤは…それぞれ80ってとこかな? ガラスは…これはかかると思うよ? どれくらいになるかは処理によって変わるから…だいたいそれぐらいだと思っておいてくれ


合計で1000ちょっとってところか……1000丁度でどうだい?


………、ガラスは別にして、でいいのなら


OK、それで頼むよ


わかった


--交渉成立です


じゃあどれからにする? 僕としてはこのシートを真っ先に直したいんだ


はは、気が早いよ…まずはそれぞれの分析と現状の把握からはじめよう


よし、どこに運べばいい? こっちかい?


……………(苦笑い)


--ここに頼めばどんな修繕もお手の物です


----------------------


--まずはシートの状態確認からです


それで…このシートはどう直すんだい? いつものようにくっつけるのかい?


ハハ…まさか、それはできないよ。まずはこのシートの素材と形状を残しておくために…この装置に入れる。これで…この周りの……合成繊維? 分子構造と類状を記憶しておく。形状も素体もこの通り。これで…このシートに使われているものとまったく同じ繊維が生成できるようになる。タイヤとガラスも同じように分析にかける。イマーク、これは中になにか入っているね?


そう、これにはフェルトと芯になるフレームが入っていて、それが身体を支えてクッションになるんだよ


なるほどね…フェルトの分子構造、起源材も…これは古い。ハニカム-ヘリカ・エフェクト構造でない反発弾成材なんて久しぶりに見たよ


そうだろう? 一品なんだ


なるほどね…これよりもっといいもので作り直せるけど、これを直す、でいいんだね?


もちろん


うーん…これは……イマーク、この修繕に集星銀河連合の許可は得たのかい? そうでないのならこのシートの修繕は、残念だけどできない


え? なんでだい? そんな難しいことじゃないんだろう?


このシートには…交渉可能体由来の繊維が使われている。つまり、なんらかの生命体の革が用いられているんだ。これは所持するだけでも許可がいる。もちろん、取引、売買、繊維データの収集、修繕にもだ。持っているかい?


それは大丈夫。これは研究用に博覧会で展示されていたもので、その修繕や補修に許可はいらないんだ


そうかい…それれなら……まずはシートを外すための準備をしよう


どうするるんだい?


この液体を全体にスプレーするる…やってみるるるかい?


もちろん。これを使って…この気持ちのいい肌触りがだめになったりしないかい?


ああ、それは大丈夫。分析によって再現は問題ないから…これは繊維を保護して、崩れるのを防ぐために行う。裏表関係なく全体に満遍なく吹き付けてくれ…できたかい? なら、シートは少し、放置だ


なんだって? すぐにできないのかい?


ムリは禁物、物事には順序がある


なるほどね? 火砲はねじって持て、って諺があるぐらいだしね


なんだいそれは?


--イジェールは地球語録には疎いようです


----------------------


--シートの保護と補強ができるまで、ほかの修繕に取り掛かります


タイヤは…自然由来のものだけど、交渉可能体のものではないようだね。これも…古生液体が含まれてるなあ……これもこのままの修繕でいいのかい?


タイヤとガラスはエイドムからの指示があるんだ


そうなんだ? どれどれ…ははあ……なるほど。それならタイヤから修理しよう


これ…ここにこんなふうに大きな裂け目があるるけど、これも大丈夫かい?


残念だけど、タイヤは新しいものに作り直す。成分分解して、再利用できるるものだけをね。そう指示されれているるrから


なんだって? いったいどうして……


どうも…タイヤには別に装置を組み込みたいらしい。ここの部分はモノカーボナイズド-キキセルファイバリアルを基本にして、再生成してしてくれって


モノカーボナイズド? そんなことしてどうしようってんだ? エドンは……


さあ? ただ、できたタイヤとホイールはそれぞれ別々に運んできてくれって依頼にある


別々に? わかった。で、どうすればいいんだい?


まずは…この部分を取り除く。これは再生成するから割ってしまってもいい


なるほど…でもこれは……僕の力じゃあムリだね


それはこっちでやっておく。次に…ホイールの汚れを落とそう


待ってました。ホイールはずいぶんくすんで鈍っていたから、どうにかしたいと思っていたんだ


ただ…少しだけ、腐食があるね。これは修繕しないと


クロムジェン・パーティオン・クリィマーを使うんだね? 僕もよく、もっと丁寧に、って手伝わされるよ


ならここはイマークにやって貰おうかな? いいかい?


もちろんだとも! これで僕もやってきたって、エートムに自慢できる


--ホイールの腐食はすぐに直せました。ただ表面はざらざらです


次はどうするんだい? これを手で擦って…きれいに均すのかい?


ハハ、それは仕上げ段階で行き届いてないところだけだよ。細部だけだね。それにはこっちの装置を使う


そうかい…では行こう


--この装置を扱う、ナヘゥェrlさんです


ナヘゥェールさん、どうも。この装置でホイールの汚れを落とすんですね? 少し聞いても?


ええ、どうぞ。このホイールは、汚れが付いたまま、表面に定着してしまったことで、変成してしまっています。この装置は、そこから汚れを取り除き、きれいにするものです


ワオ、なるほど……。それで前の、ピカピカツルツルの状態にまで戻せるんですね?


そうです。あとは指示通り、自由接合子の不活性化コーティングと…耐久性を上げる処理を行います


--それではこの装置の威力を見せてもらいましょう…有名な、見せてもらおうか……としたかったのですが、それは止められてしまいました


--なんでも現在、これをいうと使用料が発生するそうです


このホイールは、アルミダイキャスト? というものでできているそうです。それをこの装置…パーティクルスコーリーミストフロンシャゥザーという……なんとも長い…舌を噛みそうな名前です、で、汚れを落とす効果を与えるそうです。表層に作用する…なんとかってやつで、装置内を充満させ、そこに…なんとかすることで、表面がきれいになるそうです


--詳しいことはよくわかりません。しかし、確実にきれいになっています


あまり覗かないでください。あの光線が眼に入ると、失明しますよ?


なんだって? そういう大事なことはもっと早くいってください!


--休憩所で情報交換するぐらいの時間で作業は終了しました


見てください。ワオ、くすんでい…熱っ


気を付けて下さい。出した直後は高温になっています。直接持つことは厳禁です


ワオ


--見た目はまったくなんともないんですが、この通りです


これでホイールの修繕は終わりですか? 意外と簡単ですね


いいえ、このあと、表面に残った余分な素子を落とします。この素子は身体に有害なことがあるからです。そのあと、酸化膜が出来上がる前に、結合肢不活性化コーティングを行い、いくつかのコーティングを施します


まだまだやることはあるんですね?


そうです…イミュールルがガラスの分析が終わったそうなので来て欲しいそうです


分かりました。ありがとうございました、ナヒュールル


いいえ、こちらこそ


--ホイールは彼に任せて、イフェールのもとに急ぎましょう


----------------------


イジューリュ、大変有意義な時間でした…それでガラスはどう直すんですか?


そうだね…ガラスはとても脆い分子結合をしている物質で、このままの状態ではマシンに組み込みこむことができない…ということらしい。そこで…ガラスの分子間に強化用の構造化重炭素-珪素配合素を入れ込んで、シートを張りつけ、各種コーティングをしてほしい、となっている。これを…全部のガラスに施す


なるほど…ガラスを一回、粉々にして、組み替えて、再創成するんだね?


いいや…ガラスはそのまま使いたいそうなので…ガラスを物性的、物理的に広げて、その間に配合素を埋め込もうと思う


……………?


--一件は、百件にいたる、ということで、早速やって貰います


この大型格納機は、重力-空間制御を行う…イマークも知ってるとは思うけど、重力によって圧縮、膨張される空間は、その比率と同じ割合で、そこにある物体の大きさを変化させる性質がある…一定範囲だけだけどね。これから行うのは、対象の分子間を、ほんの少しだけ広げて、そこに新しい合成素を入れ込む、という作業。これで強度不足を補うんだ


???…ガラスが割れたり、不透明になったりしないかい?


物体には、ある程度のキャパシティ…膨張-収縮範囲ってのがあって、原子間の大きさはそのキャパシティ以内であるのなら、壊れることはないんだよ。もしそうなら、重力下から飛び出た途端、あらゆる物質は空間偏極の影響から外れて、膨れ上がって割れて崩壊してしまうからね。でもそれが起こる前にはかならず、陽子間の極性性離脱前兆象という特殊な波動周期が観測される。それが観測されたら、崩壊しない直前を維持するようにする…機械が勝手にね。入れ込む配合素は透明な…複合成製モノ構造ダイアモンドだから、きれいなまま。あとは…出てくるのを待つだけ


もし…ここに僕が入り込んだらどうなるだい?


ガラスの膨張率と違うから…破裂しておしまい? かな?


それは大変だ!


--この装置にはなるべく近寄らないようにします


--ガラスの再生成にはこの惑星上の周期で、三転2.1447/4と4.0167×10i^1.443時間、必要なようです


タイヤができてきてきいるるから、渡しておこう。どうだい? 出来は?


素晴ららしい、以前と全く同じだよ


それはよかった。タイヤは以前の質感とおなじに感じるけど中身は全部、変わっている。頑丈で…反発性がすごく高くなっているから、扱いには気をつけてくれよ


分かった…で、もうそろそろシートのほうの作業ができる頃合いじゃないのかい?


そうだね…見てみよう


----------------------


--シートは見た感じ、以前と変わりありませんが、触ってみると、ややごわごわしています


大丈夫だね。じゃあ、この外側を取っていく。やってみるかい? イマーク


もちろんだとも


じゃあ慎重に。無理に外そうとしないでくれ


--この作業は重労働でした


お疲れ様。じゃあ…これは内部から組み立てていかないといけないのか……内からはじめよう


なるほどね…どれからだい?


まずは…フレームの腐食を直す。イマーク、できるかい?


もちろん…といいたいところだけど今は無理そうだ。辞めておくよ


そうかい…じゃ、これはこっちでやろう


フェルトはどうするんだい?


残念だけど、このフェルトは使えないんだ。これは古生燃料を使用したもので、再利用、再生成は禁止されている。シートの形状は記憶しているから、これに沿った形で別に出力する。ハニカム-ヘリカ・エフェクトリム構造を付与して…あとはフレームと組み合わせるだけ


なるほど…最後にシートか……それでこっちはどう修繕するんだい?


シートは自然由来の天然生物集素…つまりなんらかの生命体の皮繊維でできている。これは金属とは違い、自由結合子の再創生だけでは不十分で、繊維再成ということをしないといけない。繊維は…ガラスよりもはるかに脆い分子結合で、大量に酸素を含んでいる。柔らかいというのは、酸素-水素結合…つまり水原子が各接合節や分子間に存在し、柔軟性を保っているってことだからね。この状態だと、水分子が何らかの要因で分離、飽和消失するのに合わせて、シートの柔軟性が奪われていき、やがて結合力を失って、崩壊してしまう。そうしないために、水元素を抜き取り、ほかの分子に置き換えて、柔軟性と強度を共に上げる必要がある。そしてそれよりの前に、繊維同士をつなぎ合わせて再統合する…って聞いてるかい? イマーク?


ああごめん…イジェーィルがエイドンと同じタイプだっていうのを忘れてたよ。それで? 実際にはどうするんだい?


さっき使った重力-空間拡張を使う。シートの繊維分子が膨張破断しないぎりぎりまで物質間を広げたら、そこにシートと同じ繊維を入れ込んでつなげる。繊維同士が重層-根結結合するように表層を整える。あとは…また出来上がるのを待つだけさ


--なんとも退屈な作業です


僕はてっきり、クリィムを使って、手で撫で回して、繊維の柔軟性を取り戻す、とかいうのをやるのかと思っていたよ


それは出来上がってきたあとだよ…よく知っていたね? じゃ、それはイマルクにやってもらうかな?


よしてくれれll、僕がやったららrどんなふうになるるるか分からrらない。専門家に任せるrるよ


そうしてくれrと助かrlる……。ただ…大型のは使っているrるから…こっちのやや小さい、プrイムベーターのを使う


小さい? これで?


--どう見ても、運搬用のコンテナをいくつか重ねたような大きさです


こんなに大きいのに入れれるのはひとつだけなのかい? 


そうだね…複数一緒だと均一性が壊れて、正確に出来上がらなくなる可能性があるんだ。確実に仕上げるためには補助装置の助力と手と目での確認をそれぞれ、やるべきだね


それじゃあひとつひとつ、入れたり出したりしてやらないといけないのかい?


そうだね、ひとつずつやることになるね


………………(ぎゃふん)


それじゃ僕は、先にこの素晴らしい出来のタイヤとホイールをエドムに届けることにするよ。あとは…出来上がった時に教えてくれ。取りに来るから


分かったよ、イマーク。出来上がったら連絡する


よろしく頼むよ


--修繕に時間がかかることはよくあることですが、彼らに任せておけば安心です。きれいに再生成してくれることでしょう



----------------------


やあ、エドン、調子はどうだい…って、僕のマシンが? なんてこった? なんでこんな無残な姿になっているんだ!


無残って、しょうがないさ。つい今しがたシャーシとエンジンがコーティングから戻ってきて、乗せようとしているところなんだから


そうなのかい…僕はてっきり……そうそう、タイヤとホイールが先にできたんで持ってきたんだ。見てくれよ、この出来映えを


すごいね。ぴかぴかだ。タイヤのほうは僕の指示通りにしてくれたんだろうね?


もちろん! ガラスはあと少し、シートのほうもおんなじタイミングで出来上がるそうだ。楽しみだよ


そうだね、じゃあ君も少し時間があるんだろう? これからシャーシにエンジンを載せるから手伝っていくかい?


それは遠慮しておく。僕はまだやることがあるから


そうかい、じゃこっちでやっておくよ


頼むよ



----------------------


イマークが来るのとほぼ同時にシャーシとエンジンが戻ってきました。見ての通り…いい出来です


-以降の部品の取り扱いには注意しなければなりません


それというのもこれらにはコーティングが施されているからです。これを剥がしたり、傷つけたりすることは、ご法度? です…ご法度? という昔の言い回しはよくわかりませんが、大きな、元の錬成鉄が露出してしまうような傷を付けてはいけない、ということです


-細心の注意を持って、ことに当たります


小さな…コーティングが少し、削れる程度なら問題はありません。ただ、深い傷は絶対にしてはいけません。せっかくの接合接不活性化が効果を失い、剥がれた部分から腐食が進む可能性があるからです


-ではシャーシの確認をしていきます


シャーシはエンジンやボディが載る土台です。このように…とても頑丈にできています。見てください…整然とした平面性四角構成造をしています。この前から後方にかけての流れに従って、セリカXXの内部は規律良く設置されていきます。コーティングをボディの色のマットにしてもらって、見栄えも最高です


-しかしここで問題が発生しました


おかしいです、本来ならシャーシに取り付けるはずの金具があるはずなのですが…どこにも見当たりません。どうしたんでしょうか?


-問い合わせたところ、コーティングの遅れが発生し、発送が遅れているそうです


スリップ、フォールンによるミスはいつの時代になっても変わらず発生し、終わりは見えません。知能的補助、音声性助言の両システムを使っていても、これらはそれなりの確率で発生します。ここは諦めて…到着するまでほかのことを進めます。これらはこのまま止めおきです


-順調に進んでいた作業がここでストップしてしまいました。しかし、やることはまだまだ、一杯あります。そちらを先に済ませてしまいましょう



----------------------


これがイマークが修繕してきてくれたホイールとタイヤです。以前とは比べ物にならないくらい…見違えるようにきれいになりました


-タイヤとホイールという装置そのものを知らないという方もいらっしゃるかもしれません


タイヤとは、重力下において地面にこの円端面を押し付け、回転させることで、前に移動するための装置です。それを固定するのが…このホイールです。ホイールはこの後ろ…サスペンションにあるこのようなベース…ハブというところに接続されます。ホイールとタイヤは、独立回転するようにできており、ブレーキを使用しない限り、回転運動を阻害されません…p摩擦で逓減されてはいきますが。ブレーキは…このような装置で、ホイール内に付けられ、この…ブレーキパッドとプレートのふたつから成ります。ブレーキをかけるというのは…現在の惑星外航行とは違い、直接、この回転運動に干渉するというものです。プレートをパッドでこのように…締め付けて、回転運動を止めるように物理性p摩擦的制動をかけていました。ホイールとタイヤはサスペンションに取り付け、そのサスペンションはボディとこのシャーシによって支えられます。こうすることで、マシンは地面に接触せず、突起物で邪魔されたり、ボディが傷ついたりせず、移動できました


セリカXXはFRという種類の車に分類されます。FRとは…フロントエンジン-リアドライブ、という意味で、操縦席より前にエンジンが位置し、それを後輪に伝え移動していました。現在の航行機とは大幅に意味合いが異なりますが、構造的には同じです。ただし以前にも述べたように、自動車はp摩擦を使用して移動するマシンです。エンジンによって得られる回転エクセルギーを、わざわざこう…間にいろんな装置を設置し、後輪にまで伝えて、それを前方に回転させる運動にもう一度、変換させることで移動するという、大変な努力をして動いているマシンでした


-惑星外環境ではこの装置で移動することはできません


皆さんもご存知の通り、重力とは、質量によって空間が圧縮される現象です。この圧力によって惑星上ではあらゆる物体がその地表面に押し付けられます。ここに大気があった場合、気体が圧縮され気圧が生まれます。適正な重力下であった場合、位置-運動エネルギーを使用するのが最も安全かつ簡単です


一方、惑星外環境では、この空間収縮を望むことができません。押し付ける力がないからです。これではタイヤは空回りするだけで、マシン独特の移動方法を楽しむことができません。これでは困ります


-もちろん、もともと、そんな方法で惑星外環境を移動するように想定してはいません


ただ…クライアントの要望に、以前の挙動の再現、というものが含まれています。これは、タイヤが回転し、移動する…もしくは移動しているように見える、という意味も含まれていると考えます。つまり、このタイヤはあらゆる移動時に回転しなければなりません


-これはエンジンに使用したものと同じ方法で解決できます


考え方を変えれば、マシンの移動速度に応じて、タイヤが回転してくれればいいだけなので、解決方法はいたって単純です。タイヤ自体に回ってもらいます。重力下においては、その回転とジェネレーターで移動を行い、無重力下においては、ジェネレーターで移動をし、タイヤは回転だけをして、その挙動を再現している、ということでいいはずです。乗っている時、タイヤを直に見ることはできませんからね


----------------------


ここにサスペンションがあります。このサスペンションは…外にこのようにねじ巻き状にした反発性を持つスプリングとこの…細い管の内部に……このようなショックアブソーバーという…ゆっくりと縮小反発する装置が入っています。これは重力下においてのマシンの重さを逓減し、その挙動…主に上下のゆれを、このふたつの機構だけで制限していたという素晴らしい発明です


どのような状況にあるかはともかく、地面との摩擦で移動していた自動車は、その地面からの振動、異物、突起、起伏などに対応しなければいけませんでした。そしてその上下に筐体がバンピング? する衝撃を低減するために様々な装置が発明され、やがて、この形状のサスペンションが生まれました。この…棒状で前後四本だけで衝撃を緩和するという形態のものが発明されて以降、あらゆる自動車、自動駆輪といわれるテラン産のマシンには、ほぼすべて、大きさ、素材こそ異なるものの、このサスペンションが搭載、使用されてきました。サスペンションを使用していない自動車というものはありません


-これは言い過ぎではありません。この衝撃軽減という機構にはいくつかの種類があり、そのうちのひとつとして、この形状のがあるのです


見てください、外の頑丈で…わたしの力ではそう簡単に縮めることができないようなこの輪架(わっか)が、マシンに発生するあらゆる衝撃を受け止めます。内側の…こちらのダンパーはそれとはやや遅れて縮みます。もし、外側のスプリングだけだったのなら、マシンは常に上下…もしくは微妙に全方向に揺れ動いていたことでしょう。マシンの重量でスプリングの間が詰まってしまっていたら、この機能は全く働いていないことになり振動は直に伝わってしまいます。反対に、スプリングの間が開ききっていたのなら、少しの衝撃でスプリングが跳ね回り、車体は常に揺れ動いていたことでしょう。マシンが移動している最中、この反発性機構には振動が伝わり続けます。ちょうどいい間であってもそれは同じです。衝撃を緩和するための装置が増幅器になり、悪循環を引き起こします


それを…この中にあるショックアブソーバー……ダンパーともいわれた、低反発遅延性機能でさらに緩和させます。スプリングに比べ、やや遅れて反応するショックアブソーバーは、この中に空気、もしくは水、液体…オイルが入っており、強度的構造上、マシン質量を支えることはできません。しかし、スプリングの収縮ほどの力なら、この装置で吸収できます。全体的に発生する衝撃を、大きな機構で吸収し、もっとゆっくり縮むダンパーで受け止めることで、そこに発生する反発性を抑えこむ。サスペンションはこのふたつを上手に組み合わせて成り立っています


-不思議に思う方もいらっしゃるでしょう。このような装置はほかの惑星ではありませ。そして、現在、同じような形状の装置があることにも


それらの原点もこのサスペンションです。それほど、この装置は偉大な発明だったといえるのです


-もし、この機構を独占し、特定の企業や社会、国家に使用許可を出さなかったら、そこでは自動車やそれに付随するマシンの開発、発展、さらには自動車そのものさえ、一切発案されなかったかも知れません。そう考えるとこれほど恐ろしい発明もありせん


さすがにそれは言い過ぎです。発明とは同じようなものがいくつも、時系列、関連性、環境、そういったものの一切関係なく、行われるからです


さて、このサスペンションの先…このまあるい装置がホイールベースとハブ……イマルクが修繕してきてくれたホイールが付くところです。ここは地表にある、泥や水分が付き、腐食が出易い場所といわれていました。ブレーキといわれるものは物体同士を押し付けることで、制動をかける装置です。間に挟まれた物質は物性摩擦により削られ、すり減っていきます。物質間のp摩擦の発生により出るカス…塵状になった物性破片は、粉末状で周りに付着し易く水分と簡単に結合します。腐食を発生させます。通常なら…この周りの装置は全て交換対象です。ただ確認したところ、このセリカXXの使用距離を示すメーターは、五万キロ弱しか使用されていません。この距離ならどちらもそれほど傷んではいません。長い年月の展示がなければ、ですが


足回りといわれる部位は、周辺環境からの影響を多大に受ける箇所でした。それと共に、装置から出る、塵、カス、オイルなどの付着により、再利用できない状態になっていることがほとんどです。このマシンのものは…幸運なことにそれほど傷んではいません。しかし問題は…これらをこのままで惑星外環境で使用することができない、使用しても機能しない、という点です。これは難題です


-ではそれぞれ解決していきましょう



---インターミッション----------


……ええ、そうです…それで、イフォーイヴィアイーMさんをお願いしたく……。ええ……はい、はい………ええ待ちます、はい……


………


…………


……………! あ、イヴェビイさんですか? わたしです…ええ、ハイマークです。はい、お世話になってます…ええ、ええ順調です。それは楽しみにお待ちください……ええ、えー…それでですね? ひとつお聞きしたいことがありまして……いえ、そうではなくて…ええ……ええ……


いえ、ええ……実は…マシンの修繕に関してお聞きしたいことが…ええ、調べた結果、マシンの修繕には就連邦統合府の許可を得ていなければいけないものが使われていたことが判明しまして…ええ、展示目的の博品館では大丈夫なんです……ええ、それを修繕したり、データを収集したりする目的に使用する場合、申請が必要らしいんです……ええ、そうなんです……。ここだけの話し…許可なんて……ええそうです。ないです。取ってないですよね? ええ…どうしましょうか? ……はい、はい……ええ、待ちます。はい…はい……


…………ふぅ


………………(カチャ)!


はい、はい…はい……、……そうですか! ええ、そうしてもらえると助かります。ええ…いえ、修繕した日付はなんとでもなりますから…ええ、そうしてください。はい…ええ、取れたのならすぐにこちらに…ええ、お願します……はい、ええ…いいえ、ありがとうございます。いえいえこちらこそ…はい、では楽しみにお待ちください、はい…ええ、では…はい…はい………


………ほっ(どや顔)


これで万事解決です



作中の一部の文字は誤字脱字増字ではありません

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