CMR #01 トヨタ セリカXX #03
※2025/11/21誤字脱字修正しました
※2025/11/26伏せ字を取りました
これがセリカXXの心臓部…エンジンです。2.8L直列6気筒…聞きなれない単語が並びます。2.8リッターというのは、この内部にある燃焼機関に吸い込む気体の総量が2800ミリリットル、地球環境単位で消費するという意味です。直列…というのはこのように……縦に垂直に並んでいる、ということを示しています。このように縦に並んだ装置が六個あります
-シャーシから降ろすときは細心の注意を払います
-エンジンは非常に重く取り扱いが難しい装置です。持ち上げ機、もしくは念動力、重力制御、空間制御がない場合は無理に取り外そうとはせず、車に装着した状態のまま、整備しましょう。やや狭いところを細かくやることになりますが、重い装備品を外す手間は省けます。そうでないのなら専門の業者に頼むのが一番です
-ボディを先に取り外しているため、その点では楽に行えます
では、整備するとともに分解していきます
-エンジンの分解には手順があります
見てわかるとおり、このエンジンにも多数のボルトが使われています。この前面についているプロペラ? というものも破損は厳禁です…このマシンのものは大丈夫そうですね。その周りについているこの…囲いがラジエーターです。これらの装置を使ってエンジンを冷却していました。爆発を引き起こす関係上、エンジンは非常に高温になります。温度が一定以上、高くなると錬成鉄が膨張、変形を起こし、挙動に影響を与えます。これを避けるためにこのような装置が必須だったのです
エンジンはその構造上、いくつかの部位によって分割製造されています。EFIと刻印されているこれがエアインテークマニホールド…気体の取り入れ口で、反対のこちら側から排気ガスが排出されます…いまは本来ここにあるはずのエキゾーストマニホールドといわれる……これです、はこのように外してあります。エンジンの上部…ここに複数、設置されているのがスパークプラグ……点火装置です。これで火花を散らし、燃焼の揮点にしていました。ここからこう伸びているラインがこちら…ディストリビューターという装置に繋がっています。このようにテラン産のエンジンは複雑な構造をしており、初心者が簡単に手を出せない要因のひとつとなっています
-エンジンそのものもこのように複数の構造物からできています
エンジンはこのように…上部と下部、ふたつの製造物を……見てください、このようなボルトでそれぞれ連結し、ひとつの装置にしています。テラン産のエンジンはこのように、内部の構造に従ってそれぞれを製造しているのが特徴です。その間は…このような、ペラペラした、ガスケットという、漏れを防止するためのシーリングというものを敷くことで圧着しています。この隙間から液体や気体が漏れて、事故や故障、問題が起きないようにしていました。一つのエンジンにとてつもない苦労の跡が見えます。その途切れることのない精密な情熱がこのような素晴らしいマシンを作り上げた一因でもあります
-マシンに使われているシールは全て交換します。表面上、なんでもないように見えても、使用目的に適したものにしなければなりません
エンジンの上部と下部を繋いでいるボルトは特に長く、破損、折ることは厳禁です。この部分で折れてしまったが最後、これを取る苦労は…計り知れません。最悪の場合、作り直すだけですが…挙動に関して元通りになるかどうかわかりませんから、なるべく避けます。このマシンのものは…大丈夫なようです。安心しました
-分解する前にやっておかなければならないことがいくつかあります。これを怠ると大変な事態に陥る可能性があるからです
そのひとつがタイミングベルトとクランクシャフト、ピストンを正しい位置へと持っていく作業です。内部を見るとわかる通り…このようにエンジンにはシリンダーといわれる空洞と、その内部にセッティングされたピストンという部品があります。ほとんどのテラン産のエンジンは、このピストンを、シリンダー内で行った爆発で上下させ、その運動エネルギーを回転エネルギーへと変換することで、推力を得ています。その変換は…ここ、この下にあるクランクシャフトといわれる部品で行われます。これらの位置はきちんときれいに動作するように決まっています。ピストンが全部、一度に上下すると、元の位置に戻る時に使われるアネルギーのロスが多くなり、伝わる動力に空白の時間が生まれます。クランクシャフトに伝わる力が一斉に一気に掛かるようになるため、その耐久性にも問題が生じます。その無駄を排除するのと同時に効率化を図るため、これらの開始位置はきちんと決まっているのです
-それを決めてくれるのがこのタイミングベルト、というわけです
-物理的な相互影響による各部位の衝撃緩和、という意味がこれには含まれています。古典的ですがしかし、一概に、無駄、というわけでもありません。現在使われている、粒子的、跳躍的相互縺れを使用したタイミングの合わせ方には問題があるのも事実です。これらは本来、共存させ、複数の安全性を担保できるようにするべきです
見てください。ここに小さな穴がありますね? この奥に…こう、マークが来るようにギアを静かに回します。そうすると…このように……上下のマークが合います。わかりますか? この穴の正面にマークが合うようにします。これが正しい位置にピストンとシャフトがある、という証拠です
-残念ながら、これらを自動的に整列させてくれる装置はありません。これほど発展した科学なのに、昔のものを簡単に修繕できないとは驚きです
-大型の内包型全自動修繕装置があればその問題も解決するかもしれません。しかしわたしはどうしても、手を掛けたくなってしまうのです。リビルダーのサガ? というものでしょうか?
サガ? というのがどういう意味なのかわかりませんが…とにかく、ピストンは正しい位置に揃いました。これでエンジンを分解できます。なぜこんな面倒なことをしたのかというと…記録させるためです。エンジンの各部位が揃っている状態を記録させることで、これを直すときの手間が省けます。間違う気はさらさらありませんが…もし万が一、取り間違いを起こしたのなら、補助装置が助言してくれます。安全策は二重、三重に施しておくに越したことはありません
では…ボルトを取り外していきます。これの破損も厳禁です。このボルトの順番、場所も間違えてはいけません
-この長いボルトを収める位置はそれぞれ、決まっています。間違えないようにそろえて、それぞれを専用のものに収納しておきます。分解の工程、それぞれのボルト、ピストン、そういったものを自動的に把握し、どれがどこにあって、どうすればいいのか? 自動的に指示、教えてくれるのでなんら問題はありません
現に、間違ったところに差し込もうとすると……
▽▲ 接続位置が間違っています 確認してください ▽▲
このように教えてくれます。これで取り間違うことはありません
-現在のメンテナンス・ルームでは様々な安全対策、構築対策を考慮し、設置するのが一般的です。熟練のカン? と知識だけでは継承ができません。いけそう缶という密閉容器がどのようなものかわかりかねますが、対策は打っておいて損はありません。自分の手でこれらを修繕した、という実感を得たい方でも併用するのが良いでしょう。バレなければ、称賛されます
-ピストン位置やクランクシャフトに拘ったのにも理由があります。これらはエンジンの振動を決める大切な要素です。再現はクライアントからの要求です。これらを満たすためには、きちんと元の状態にまで戻す必要があります。もっとも、エンジンをもとの状態に戻したとしても、それを移動を行うために使用するかといわれたら、しないのですが
-ここで問題が発生しました
通常のこういったエンジンにはオイルといわれる潤滑油? が使われています。しかし、このエンジンは長い間使われていなかったために、少々、問題があるようです
-オイルとはギアやシリンダー、回転する箇所の動きをスムーズに、そして設定以上に加熱しないようにするための粘性の液体のことです。テラン産のマシンにはよく使われており、ギアやシリンダー、ほかにベアリングというものも存在します。そちらに使う場合にはグリースといい方が変わりますが…用途は変更ありません
エンジンの下にはオイルパンというこういった…クランクシャフトを冷却するのと同時に回転をスムーズにする、やや大き目な箱が取り付けられています。この中にはオイルが入っており、メンテナンスを行う際には真っ先に空にし取り外します。液体流動は死地めんどくさい制御になります。できることなら余分な労力は避けるに越したことはありません…死地に赴くには面倒が伴う。正直遭遇したくありません
スキャンでもって確認したこの中は…空、となっています。表示でもそのようになっています。が、見てください。ボックスを外してみると…底に変色したオイルがこびりついて固まっています。これは危ないところでした。このようにスキャン、分析だけではわからない点があることも事実です。何事も過信は禁物です
-後方にはディファレンシャルというリアの駆動を行う制御ボックスがあります。そちらも内部は空、とのスキャン結果が出ています。オイルが使われている箇所はどれも早急に調べる必要が出てきました。資料館ですべて取り除いていたと思っていたのですが…どうやら早とちり? だったようです
早とちりとは…流行ってしくじる、という意味です。流行に乗ろうとして失敗する。教訓にしましょう
-いまやオイルを使用した推力獲得機関の潤滑というシステムは珍しいものです。しかしこれは見過ごせません。早急に取り除く必要があります
イマークがマシンの始動テストをしてこなくてよかったと、感謝し褒めなければいけなくなりました。もし、無理にでも始動させて乗りたがったのなら、エンジンや駆動系のほとんどはおしゃか、壊れて使い物にならなくなっていたところでしょう
-オイルは液体です。もしこの作業場が無重力であったのなら、液体の流動制御をそれぞれに設定しなければならず、余計な時間と労力を必要としていました。流体制御は難しく、下手をすると、あっちこっちへと飛び散り、悲惨な状況になっていたかもしれません。メンテナンスをする際には、一概に無重力状態がよい、とはいえないのです
-オイルが硬化したものは市販されている融和剤で、十分に除去できます。自宅でも簡単に行えます。ですがこの廃液をそのまま廃棄、流すことはできません。廃液は有害で、自然環境に影響を与えます。かならず凝固剤を使用し、固めてから、それぞれの決まりに従って廃棄しましょう
-このようにエンジンの修繕は困難の連続です。簡単な補修、手直しぐらいならよいのですが、分解、整備を行うには、専門業者に任せてください
ほかの…このエンジン周りある、ラジエーター、クーラー…操縦席内環境の温度や気体濃度を制御するシステムのことです、フライホイール、クラッチディスク、トランスミッション、ギアボックスなど、さまざまな装置もそれぞれ確認し、修繕が必要か確認していきます
-エンジンにはボディと同じく大きな腐食は見られません。この部分はボンネットの下に位置し、自然環境からの直接の影響を受けづらいようにできています。多少の腐食、錆びは先ほどと同じ要領で修繕しておきます。こちらのほうはかなり簡単に補修できました
エンジンにはこのあと、分子結合飽和成というコーティングを行います。それから…できるのなら塗装もしなおしたいですね。これには少しだけ時間がかかります。なので…ここで一息入れましょう、ティータイムです
-映像資料ではよく、コーヒー? というものを飲んでいたようでした
コーヒー? とは、特定の植物の種を収集し、熱焙煎という芯熟処理を施し、それを粉末状にまで細粉したものを、煮沸消毒した自然水で抽出する、珍しい飲料です。このように…かぐわしい匂いとほろ苦い……独特の風味があります。うん、美味しいです
-本来ならこの時間も補修に費やしたいところです
しかし根をつめると失敗する、というテラン産の諺? があるように…根というのがなんなのか、判りかねますが、それだけに集中しすぎるとよくない、ということなのでしょう。諺? というのもテラン産の…こう、アドバイス? というものになるのでしょう。よい言葉です……あ、しまった…これはいけません
-ついうっかり、カップに汚れをつけてしまいました。白いものを使用したのが災いしました。この汚れはそう簡単には落ちません。作業場で一息つくにはこのような失敗があることを肝に銘じておきましょう
次からは黒い色のものを用意しましょう。それで万事上手くいきます…万事とはすべての物事が、という意味らしいです
-では…リフレッシュもできました……多少の失敗はありましたが…問題はありません。エンジンの再現に挑みましょう
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クライアントは、このエンジンを前の、地球環境で使っていたように戻して、体感したいそうです。しかし、今現在、ガソリンを含めた古生液体燃料を使用することは就連邦規則、およびほとんどの集惑星法律上でもできません。内部燃焼機関であるこのエンジンをそのまま、使うことはできません
説明したとおり、このエンジンは、ここ…シリンダーといわれるところで、ガソリンと酸素を混合し…これ、この点火プラグというものから火花を発生させ、爆発燃焼。その威力によって、シリンダー内のピストンを動かして、前進するための推力を得ていました。テラン産のエンジンのほとんどすべてはこの…爆発-熱エネルギーを、位置-運動エネルギーに変換し使用していました。原始的で古いのものです。惑星環境下…重力下での使用ならこの方法で推力を得ることができます。しかし、惑星外環境ではこの方法ではいかなる推力も得られません。しかも見たとおり…この狭いエンジン内に新たにジェネレーターを内蔵するような隙間はありません。ピストンなど…この部分、全部を刳り貫いて、取り除くことで、そこに設置する、ということは可能ですが、それではクライアントの希望していることと違った修繕になってしまいます。エンジンはこの内部構造を維持したまま、修繕する必要があります
-問題になるのは内部駆動システムです
この内部で発生したエネルギーは、この下…このクランクシャフトといわれる軸に伝わります。これがこの外にあるプルーリー、プロペラ、フライホイールを回転させ、各部に伝わります。内部でピストン運動を起こさない以上、シャフトをシリンダー側から動かす動力は得られません。本当にそうでしょうか?
-発想を転換すればよいのです
なら、このクランクシャフト、そのものが回転運動をしてくれればいいだけです。そして、その回転運動をピストンに伝え、シリンダー内を移動すれば、依然とまったく同じ挙動を再現できます。簡単ですね?
こちらが新しいクランクシャフト、フライホイール、プルーリーです。バーサディリピュサー・オプティカル・ギアといわれ、層磁極性合製材を用いた新しい素材でできています。このギアの特性は、エネルギーを受けると特定方向へと自動回転することです。回転方向も指定できます。まさにうってつけ? です
-層磁極性合製のギアからは軸を中心とした磁成線が発生しています。交換するフライホイール・ギアはエネルギーを受けると、特定方向へと円運動します。フライホイールから得た回転エネルギーは、クランクシャフトの磁成線を回転させます。一度得た回転運動はそれを止めるための制動エクセルギーが邪魔をしない限り、ほぼ半永久的に回転し続けます。ダークプラネットと同じ原理です。あとは、フライホイール、プルーリー、それぞれの運動を制御し、アクセルを踏んだら、つまりスピードを上げたら回転数を増やし、ブレーキを踏んだのなら運動力を減少させるように調整、設定するだけです。マシンの移動はこのエンジンから得るわけではないで、推力を考える必要ありません。この方法でエンジンを動作させます
-本来なら元のクランクシャフトを使用し、なるべく、以前の状態に戻したかったのですが、それをするためにはエンジンの挙動を諦めなければなりません。このふたつを両立させるためにはこの方法がもっとも適しています
ギアを新しいものに取り換えたので…エンジンの復元をしていきます。ここで先ほどのマーク位置が役に立ちます
-先ほど申し上げたとおり、エンジンはピストンが交互に移動することでその挙動、振動を発生させています。これを再現するためにはその元の通りにピストンが上下するようにしなければなりません。厄介な難問です。現在、セリカXXのエンジンタイミングを記録、記述しているものはありません。動作状況を記録している映像媒体がないからです。いま行っている記録、記憶でも作動している状態を保存してはいません。元のように実際に動作するかどうかは、このメンテナンスにかかっています
-エンジンの再現には専門の技術者か、念のために撮っておいた記録と映像から元に戻していくしか手段がありません。このようにエンジンの整備には、かならず、記憶を取っておくことをお勧めします。一度分解したが最後、どれがどこに、どうしなければいけないのか、分からないようになることだけは避けなければなりません
長年の勘? というものは充てになりません。勘? とは…見た瞬間にビビビ、と来る感覚だそうです。はじめてテラン産のマシンに遭遇したときの感覚がそうでした。あれなら何度も遭遇したいものです
-ボディの修繕に比べたら、あっという間に以前に近い状態にまで、エンジンの修繕がすんでしまいました。外したのと逆に組み立てていくだけですから、手順さえ間違わなければ容易いものです
-エンジンの修繕は、テラン産のマシンの中でも最も楽しい部分のひとつです。時間はすぐに経ってしまいます。本当はもっと携わっていたいのですが、修繕しなければならないものは山ほどあります。エンジンにだけ関わっているわけには行きません
-修繕する際に他の細かい部分の修繕も並行して行っていきます。新しい素材の方が耐久性が良いからです
この…内部に入れるピストンは常に上下に動くため、他の部位より、より破損、損耗が激しい部品です。これ以降もそのように挙動するため、ここは新しい、複構膨鋼素材のもので作り直しています。その際には…このような、シリコンゴム…パッキンといわれる部品も新しい素材にしておきます。作動させてからの不具合でまた分解する…という手間はなるべく省きます
-これらの間には潤滑油たるオイル…グリスを塗っておく必要があります
これらも…従来のテラン産のものを使用したいところですが、その品質にはやや問題があるため、新しい…粒子流動性質のものをオイル状に転化した液体で代用します。エンジンの再構築はこれで完了です…スムーズに動くことを期待しつつ、次の作業に移ります
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エンジンにはシリンダーヘッド、バルブカバーといわれる…このようにそれぞれの上に乗せる覆いと…スパークプラグ、オルタネーターといわれる、発火タイミングを決める装置を取り付ける必要があります…このエンジンにはいりませんが、見た目的に同じにするのを前提に、これらも装着します。映像資料を見ていると…このオルタネーターをこんなふうに無造作に手でまわして……その着火位置を直し、点火タイミングを修繕する、というなんともすごいやり方で修復していることもあります。しかもそれで直るのです。信じられません
-シリンダーヘッドと吸気バルブも大事な部品です。バルブの収納位置は間違っていませんね? 元通りの場所に収めましょう
バルブというのはこのような長い…蓋と同化したような部品です。これは古生燃料と気体酸素を混合する役割をする大事なものでした。このようにふたつずつ、きれいに並ばせます。地球ではこれを、ツインカム、もしくはダブル・オー・バーヘッドカム・シャフトと呼んでいました。地球の、V、という文字もここから取ったのでしょうか? よく似ています
さらにエンジンのこちらの位置にはこのような…空気を取り入れるエアインテークマニホールド……エアマニと、排気ガスを排出させるルートである、エキゾーストマニホールド…エキマニといわれる装置が装着されます。エアマニは…このように大きい箱のような形をしています。この下にはエアコンが、そしてこちらにはエンジンを冷やすためのラジエーター、スターターといった、様々な装置が設置されます。これらのうち、もういくつかは使用しません
-使わないといってもそれは本来の使用目的に即して、という意味だけです
本来のエアマニは空気…酸素をエンジンに取り込むための装置です。このエンジンはもう、気体混合をする必要がありません。しかしエンジン内でピストンが挙動する関係上、シリンダー内には膨張圧と圧縮圧という現象が発生します。これはエンジン内…シリンダー内に気体が含まれなければ、減少させることができます。残念ながら、上下することによるp摩擦熱は発生します。この熱は電子振動が原因であるため、除去するのは容易ではありません。エンジンはそれなりに冷やす必要があります
-エンジンの熱を除去する目的で備え付けられているのがラジエーターと冷却液です
ラジエーターは他の目的に使用する予定なので、従来の冷却には使用できません。もっとも…空気の気化性熱収奪とその冷却性溶水を使用した、エンジンを物理的に冷やす、という方法そのものが、惑星環境圏外では困難であるため、その代用を考えなければなりません
-エンジンの爆発も再現する必要があります
これは最重要課題です。この爆発がないと、振動に違和が生じるでしょう。もっとも従来のセリカXXに搭乗して動かしたことがある、という方のほうが少数ですから、どう違うのか? と問われると答えられません。がです、再現できるのならしなければなりません
-これらをひとつひとつ、解決していきます
ではまずもっとも簡単に解決できる…爆発からです。これは…この小さなスパークプラグをこちらの……爆発に似た振動を発生させるものに交換するだけです
-実際にはこの新たなスパークプラグに似た装置は振動を発生させません。エンジンそのものにそれと同じ周期振動を与えるだけの、単純なものです
これらはそれぞれ…シリンダーと同じ六つ、装着できます。その分、細かい挙動を制御できるということです。素晴らしい
-さらにこのスパークプラグにはエンジン内の数値、温度、振動度合い、そのほかの観測できる情報を収集する機能も備わっています。これでエンジンの挙動そのものは解決しました
-スパークプラグだけで、排気ガスが通ることによる振動を再現するのは不可能です。同じように、空気を取り込む再現もできません
排気ガスが引き起こす振動については、マシンの下、排気管といわれる部分内にその再現をする装置を組み込みます。エキマニは手つかずのまま、装着することになります…それはもったいないですね? ここにもなにか…内包することにしましょう。ふう…忙しいです
-エアマニとエキマニは、従来、空気が出入りするためのものです。その両端は空間に対して空いています。これは気密性という問題をはらんでいます
クライアントが気密…特定の気体を必要とする知的交渉体なのかどうか、イマークから聞いていません。しかし、マシンの修繕目的から、あらゆる状況を想定して補修しなければなりません。呼吸を必要とするか、しないかに関わらず、それには対応できるようにしておきます。エアインテーク、エキゾーストは密閉する必要があります。その他に…いたるところもそのように施す必要があります。もちろん…もっとも気密性を保持しなければいけないのは、操縦席とその空間です。ガラスを使用している以上、ここの気密性は厳密にします。それは後で行うこととして…いまはこのエアマニとエキマニに内包させるものと、その形状を変更する作業です
-検討の結果、エキゾーストマニホールドには振動を発生させる補助装置を組み込むことにしました。これで、エンジンの爆発と、排気ガスが流動することにより発生する振動の、両方を同時に再現可能となりました
これは…このような周期振動を発生させる、アナログチックな物を使用します。これを…クランクシャフトから出るエンジン周期と同調させるように調整します。この機械は…エキマニと形状が合いません。形状の位相変位を使用して…こう、パイプ内に収まるように直します。ただし…これです、これらの装置はこのようなボルトで固定されています。これは変更しなければいけません
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このマシンには…このような六角形のボルトとナットという部品が、いたるところで使われています。これは、このねじ山で発生するp摩擦を使用して、両者を固定している、ということは前に述べました。このp摩擦は物性的相互干渉なので、その間は厳密な意味で密着、密閉されていません。この間から気体が洩れる、ということです
-これは由々しき事態です
気密というものは少しの隙間からでも発生し、気体…単原子を流出させます。心肺内器を使用して呼吸をしている知的交渉体にとっては生命活動に支障をきたします。さらにこの気体は、惑星外環境下の低温、粒子衝突の一部を緩和してくれるという、優れた機能も併せ持っています
-また、外部と内部との圧力逓差にも影響を与えます
惑星外環境には、ほとんど気体が存在しません。気体に由来する気圧力、というものがほぼゼロであるため、内部との差により、マシンに負荷がかかり歪ませる原因になります。一度歪むと、そこから気体が洩れ易くなり、さらなる気体流出という悪循環に陥ります。マシンの気密は厳にしなければなりません…厳? とは地球の言葉で、さらに厳しく、という意味です。一部の集惑星銀河系内に店舗を構える、居酒屋? のことではありません
-エンジン内に使用したボルト以外はすべて対衝撃膨構鋼性を使用したものに変更します
このボルトは…こんな小さいものですが、優れた機能を携えています
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-ボルトの使用方法は同じです。まったく変わることがありません
これは…このように外側がやや黒く、頭…ボルトヘッドの中心に金属性反射が見られるものです。これもこのように…通常にねじ山に差込み、使用します。ここまではまったく同じです。奥まで入れ込んだら…この時もし、ねじ山に規定の圧力が設定されていたのなら、その圧力数値に従ってください。余分に力をこめると…ねじ受けの方の筋が壊れてしまいます。注意しましょう
-圧力規定はテラン産のマシンではよく使われています
そうしたら…このハンマーのこちら側…黒いほうでボルトの頭を軽く叩きます。軽くですよ? 軽く、音が変わるまで叩きます。これで完成です
-使用したことがないという方もいらっしゃるかもしれません。これは特殊な工具です
原理は簡単です。このボルトの周りにある対衝突材は特定波動周期の振動を受けるとその先に存在する自由結合子と分子結合を行うようにできています。ネジ受けのほうの内側が…このように黒いのもその理由です。この結合が行われることにより、ねじ山の溝に入ったネジは分子融合による電子結合へと変換され、微細な…気体が漏れ出すような空間が閉じます…正確には気体が洩れるような大きさのものにはならなくなります。これを使用し、セリカXXのそれぞれの箇所を閉じていきます
-外す時はどうするのでしょう? それも簡単です
その時はこのハンマーの反対側…こちら側でこの…頭の部分を叩きます。するとどうでしょう? 高い金属音だったものが鈍い音へと変化していきます。これでボルトとねじ山の間に発生していた分子結合が解消されました。あとは…ボルトを外す方向へと回すと…ほらこの通り、簡単に外れました
-ボルトはこのハンマーからの周期振動にのみ、作用するようになっています。ほかの衝突や振動では外れません
-一度、ハンマーの行方がわからなくなったことがあり、大変な目にあいました。そんな場合は、波動周期変更可能なものを使用しましょう。ボルトの周期波動を忘れていないことが重要です
セリカXXには多数のボルトが使われています。そのすべてをこちらのボルトに変換します。大きさがそれぞれで異なるので…気は抜けません。しかしこれで気密に関する厄介事の数を減らせるのなら、容易いものです
-エキゾーストマニホールドには振動を発生させる装置を組み込みます
これが元のボルトを使用したのなら、その振動で破損したり、歪んだり、緩まったりする可能性がありました。このボルトならその心配はありませんね?
-ボルトは、一般に使用されている対衝撃膨構鋼材をこの形にしてもらったものです。一般の店舗では購入することはできないかもしれません
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さて、ここまででエンジンのほとんどの組み立ては終わりました。確認する時にはかならず、ダブルチェックを行いましょう。これは古来からの習慣? です…映像資料でもそのようにしていました。シリンダーヘッド、それに伴う吸気バルブも、元と同じように補修して、装着しました。ここの作業は神経を使いました。最期にバブルヘッドを取り付けます。プロペラシャフト、クーラーなどは、コーティングが終わった後です
-コーティングに出す前にやっておかなければいけないことがあります。きちんと起動して動作するか? 確認します
楽しみです。この時ばかりは心が躍ります…心臓はいつも通りに動いてくれているので……これが心理的精神的高揚感というものです
-こればかりは何度やっても慣れる気がしません
いま、エンジンはこのような…特殊な台に固定してあります。余分な…前面のプロペラや壊れると大変なものはご覧の通り、はずしてあります。スパークプラグからディストリビューターまで、余分なラインが伸びています。スパークプラグは再現、収集装置です。それを…こちらのディストリビューターで受け取り、爆発の制御と再現を行います。そしてインナーパネル…操縦席へと送信するようにします…いまはありませんが。このラインは以前と同じような…このような伸縮性素材を使用したもので繋いでいます。見た目も大事ですからね?
-では慎重に…エンジン始動です
!
ストップ、ストップ。どこかタイミングがズレてるね? 異音がしてる。これはどこからだ? そうか…ああわかった、これを直そう、こうだね? ありがとう
では…始動です
!
成功です。軽快に動いています。高い音がしていますが…これはどこからでしょう? 少し挙動が大きいような気がします。ピストンが上の部分で正常に止まれず、微小跳躍してしまっている? 確かにそんな感じです。これらは早急に直します。エンジン自体の動作は安定しています。壊れたような異音は…ありません。フライホイール内に装着したバーサダイトギアが良い働きしてくれています…順調のようです……おおうっ! 回転数を上げすぎるのはいまは止めておきます…すごすぎますっ
-エキゾーストマニホールドに取り付けた装置が、少しだけ、振動数が違うようです。これでハウリングが起こり、エンジンに負荷がかかっていたようです。新たに取り付けたスパークプラグの設定が甘かったようです
原因がわかれば単純なものです。直すのも簡単です。あと…思ったよりも発熱しています。これにも対処しましょう
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始動テストは成功です。このエンジンは蘇りました。しかし本来なら、この状態を何十、何百と維持、保たなければなりません。また…惑星外移動時にもこの挙動の通りに行えなければなりません。いまだ作業は途中です
-シリンダー内は真空に近い状態にしました。エアインテーク、エキゾーストの両方からの気体の流出入はなさそうです。シリンダー内は真空ではなく、ある程度、膨張、圧縮に抵抗のある気体を使用し、充填させたほうがよさようです。ピストンが末端で跳ねて、エンジンに余分な振動を与える現象は抑えられるでしょう
せっかく取り付けたエアマニですが、これは外します。コーティングの邪魔になりますからね? エキマニも…コーティングしてもらうために一緒に送ります。出来上がりが楽しみです




