CMR #02 ジャガー Eタイプ #09
---インターミッション----------
…………、エ………、エードン? エイドン!
ああ…イマークかい? どこ行ってたんだい? 相談したいことが……
そんなことはいまはいい。なんだってこんなとこで寝てるんだい? マシンの修繕は君しかできないんだ、こんな…これはマシンのシートかい? さすがにここで寝るのは…いただけないよ
ああ…そうか……いけない、食って休め、っていわれて…ここで横になったんだった…このシートは良いね、修繕する必要は全くない。いまでも完璧だ
なるほど…手を加えなくていいものがひとつ、できた。これで資金が浮く…というとでも思ったかい? マシンは? どこまで修繕できてるんだい?
どこまでって…パーツができてこないともう進まない状態だよ。今は…なにもすることがない
なんだって? もうそんなに? もっとかかるものだと思ってたよ
そうだね、僕もそう思ったよ。でもマシンの状態は思っているよりもいい。前方…エンジン、サブフレーム、フロントボディ、目に付く位置のものがダメなだけでほかはほとんど修繕する必要もないぐらいだ。なんで放っておいたのか…不思議だよ
そうなのか…それは安心した。ただそれだと僕は怒られ損だ
怒られ損? なんでまた……
淋しかったんだろうね? kリアに散々、怒られたよ、もっと早く帰って来いって…悪いことをした
そうかい…それよりも聖勇者さまたちは? 食事は摂れたのかな? kリアのおすすめは食べ慣れていないと困惑するから……
その点は大丈夫。ちゃんと食事もしたらしい。安心していい。いまはゼイバァスさんが見てくれている
そうかい……
でも大変だったんだよ? 急に、
「アクセス権限を制限されてしまいました」
とかいいだして…買い物も何もできなくなったって……就連邦に登録の直後だったからよかったものを、でなかったらあのメンドクサイ登録をやらなくちゃいけなかった。その点は助かったよ
できたのか…じゃあ……彼らは……
うーん、そこがいまいちはっきりしない。本物だろう…とは思うけど、どこの? と聞かれても答えられない。確証がない。でも確信はある。そんなところだ
イマークの鼻が利かなかったなんて…珍しいことがあるもんだ
僕の鼻が何だって? オークタタリント類種みたいに上を向いているっていいたいのかい?
いや…それで? パーツはできてきたのかい? タイヤは? あのスポークホイールの再現は一括では無理だ。だからといって手ではできない…そんな技術は残ってないからね。簡単にはできない。どうするのか…今でも悩んでいるよ
そうだ…そのためにある秘策を用意してきた。これでその問題は解決できる。安心していい。解析ができればすぐに取り掛かれる
そうか…じゃあ、もう少しだけマシンを……!
なんだ? 急に灯りが……
非常灯もつかない?
---ギャア、あたしのマシンがぁー
kリアの声だ、なにかやったな?
なんだい? この粒子光は? どこから……
技術室へ行こう、kリアとワーグにスキャンを頼んだんだ
スキャン?…なんのスキャンを頼んだんだい?
タタンレレだ
タタンレレ? ってなんだい? なんでそんなものを…kリア? wrg!
ワオ、なんてこった……
--タタンレレです。買ってきた装置から光が出て渦を巻いています
なんだってこんなことに……
いない…操作室か
でもこれじゃああそこまで行けないよ
ああ…粒子光が壁を貫通? 循環軌道を描いている? まずいぞ、イマーク
循環軌道? なんだいそれ?
ある一か所でエネルギーを入れて、出す、という現象が発生すると、こういう光子軌道を取るんだ。上下左右奥行きまで矛盾なく立体的な渦を作る。それ
わからないよ
簡単にいうと…この光がそのうち、光速度を超える。すると光に触れているものは全部、光子崩壊に巻き込まれて分解される。下手をするとこの辺一体、なんにもなくなる。全部、僕たちごと、エネルギーになって消滅する
ワオ、なんてこったっ…なんだってそんなことに……
わからないよ…wrg! kリア
大丈夫、それより、あれを、どうにか……
ああ、今見てきた、wrg?
だめだ…動けない、無理だ、身体が、重い……
質量暴走? でも僕たちには何ともない…どういう原理で……
なにをしたんだい? kリアラ
なんにもしてねえよ! スキャンをはじめたらいきなりぶっ飛びやがった。そしたら止まんねえんだよ、なんだってんだよ! これ? 端末がぶっ飛んだじゃねえか…くそっ
使えなくなったっていってたのに…なんでだい?
ああ? あたしのマシンは普通に使ってただろうが!
そっちじゃなくて、あの装置のことだよ
知らねーよ、そんなの…あんたが持ってきたんだろうが
とにかく装置を止めないと……
どうやって? あんたやって!
やってっていわれても……
ゼイvlrス「…これは珍しい。タータンレブレですか? よくこのような昔の装置がこのようなところで……」
ゼイvlrスさん? これを知っているんですか?
ゼイvlrス「ええ、イマークさま…それよりもお止めしないと周星どころか、衝周星群全体が消滅してしまいます…しばしお待ちください」
ええ? 止められるんですか?
………
ゼイvlrス「はい、エネルギーを与えている装置を…このように停止させますれば……停止いたします。少しの間は…このように動作いたしますが……永久機関ではございませんゆえ…この通りにてございます」
-あの光子乱流の中に入ってなんともない?
………
止まった?
ゼイvlrス「左様で」
-でも今…
なんなのよ? もう! ほんっと、あんたが買ってくるものには碌なものがねえな
いや、そんなはずは……
これは…どういう原理で動いていたんですか?
ゼイvlrス「原理…はわたくしたちでも知り得ません。ただ、これ…タンタルN^+サーブレ・エネルギー発生装置は少ないエネルギーで大きなエネルギーを発生させる、という触れ込みで販売がなされた装置でございます。ですが…使用していき、ある臨界を超えると制御できなくなり、消滅爆発を引き起こす、と伝えらえております」
消滅爆発……
ゼイvlrス「端的にいえば…ダーク・プラネットの臨界限度を超えた状態での空間内衝崩壊消……とでもいいましょうか。そのようなものでございます」
--まったくわかりません、分かりませんが……
もう大丈夫なのでしょうか?
ゼイvlrス「ええ、大丈夫でございます」
なんで動いたんですか?
ゼイvlrス「さあ? そちらの装置からエネルギーが提供されたから、としか……」
スキャン分析ので? それぐらいのエネルギーで?
ゼイvlrス「エネルギーの大きさではなく、質と指向性で、変換が行われるようでございます」
なるほど…分析の周波動とその指向性が一致して起動した、ということか……でもそれだけで? ほかになにか要因が……
こんな状況だってのになんだってあいつはああなんだよ
すまんね、昔っから知らないものを見つけるとああなんだよ
これは、どうすれば、いい?
そうだ、どうしよう? ここのスポークの並びがホイールに使えると思ってたんだけど…これじゃあできないや
ゼイvlrス「なるほど…装置を解析しようとしていた理由を理解いたしました。それでしたら…各方向から各部を撮影し、組み合わせて素立体モデリングを行えば、およろしいかと」
マシンがねーよ、今のであたしんのはダメだ、メンテしないと…データがどれだけ飛んだかわかんねえ…すぐはいやだね。予備だと…ああ、あんときのやつ、買っておくべきだった
ゼイvlrス「ではわたくしが補助をいたしましょう。それで演算の負荷分が減少するかと存じます」
まじか? あ、ガレージの知的補助AI見ねーと、おい、エードン、きちんと作動してるか確認して来い
ああ…あ? ああ、分かった
ありゃあダメだ…なんでもかんでもあたしにやらせんじゃねーよ……ったく、体がいくつあってもたんねーよ
………
--そんなことをいいつつ、なんだかんだ、やってくれるのがkリアラです




