CMR #02 ジャガー Eタイプ #06
-整備要領書は役に立ちます。ただし、それは通常に補修、調整をする場合です。今回のようなリメイクの場合にはあまり有益とはいえません
内装の取り外しが終わったのでエンジンを……
聖勇者「これをやるのか? すごいな」
……いえ、次はマシンの下を確認し、取れるものを取ってしまいましょう
聖勇者「ということは持ち上げるのか? くれーんをやるのだな?」
そうです
聖勇者「まかせろ、スイッチを押す、やらせるのだ」
ええ、どうぞ…ただし、押しすぎないこと、指示には従うこと、遊びではありません。それを肝に銘じて…肝って何でしょう? 何かの肝、とはよく聞きます
聖勇者「エイドンはよくそんなふうに疑問に思うのだな?」
思いませんか? 知らないことを知る、ということは楽しいですよ
聖勇者「なるほど…そういうふうに感じたことはなかった」
-感じたことがない? 本当に不思議な言い回しをする子です
では…持ち上げます。いいですか? 聖勇者さま、必要以上にはしない、では、ボタンを押してください
聖勇者「わかった…おお、これは楽しいな」
-ただ上に上がっているだけです。下げたり上げたりを繰り返さないでくださいと、今、いいましたがしたくて仕方ないようです
それぐらいでOKです。では見てみましょう
聖勇者「うわっ、なんだこれは? こんなになっていたのか? 知らなんだ……」
-モノコックのアンダープレートは傷だらけ、サブフレームやトランスミッション、エキゾーストパイプの間には乾燥した泥、植物片、大小様々な傷、こびりついたオイル、そんなので酷い状況です
聖勇者「曲がっておるな」
ええ、そうですね…それにこれは……
聖勇者「どうしたのだ?」
エンジンのここにあるはずのプレートがありません。どうして外れたのか?…不思議です。ここはそう簡単に外れないようになっているのに…それなのに、この中はきれいなままです。なにか…あとからここだけ外した? といった感じです。あと、ここが曲がっていますね? データがなければどうにもならなかったでしょう。上から見たとおり、ステアリングピニオン周りは全部ダメ。シャシもここで曲がっていて、トランスミッションはかろうじて大丈夫ですが、ここにまで傷がついてます…こんなところに傷はできません
-事故の影響は複雑です
聖勇者「い、いろいろあるのだな」
それにこちら…タイヤを外す時、上手にできなかったのでしょう。無理に外そうとして…センターナットごとホイールを切り落としています。右前のサスペンションは折れています…事故なので仕方ないですが、ジョイントまでが変形しています。右後方はウィッシュボーンごとありません
-無事なのは左後ろのみです
聖勇者「ダメなのか?」
いいえ、好都合です。この周りは全部交換しますので…大丈夫です
聖勇者「そうか…よかったのだ」
………、あと……
聖勇者「このハイキコウ? も取るのだろう?」
そうです…よく覚えておいでで……
聖勇者「なんといったかな? エ…エギ…違う、エキス…ええと……」
エキゾ
聖勇者「皆までいうな、いま、でるところだった……エキゾースロトークだ」
-何を話すんでしょうか?
惜しいですね、エキゾーストパイプ、エンジンにつけるところがマニホールドです
聖勇者「そうか…難しい名前だな」
そうですね…では接続周りや外すところの汚れを落とします。根気がいりますよ? 大丈夫ですか?
聖勇者「おお…任せるがよい」
とはいえそんなことを聖勇者さまにはさせられません。何より…高さが足りません
聖勇者「そんなことはないぞ? ほれ、台を下げれば……」
それではわたしやワルグがしゃがまなければならなくなります。わたしたちの効率が落ちます。できることをできるものが行う、これが共同作業の基本です。わかりますか?
聖勇者「わかった、では我れはなにをすればよい?」
-そこで座ってみててください…とはいえません。それでは聖勇者様のプライド? というかやる気をそいでしまいます。それはいけません
では…先にいくつかパーツを取り外すので……それを手伝ってください。ボルトのほかに…このような切断するところもありますよ? 怪我をしないようにしつつ、周りに気を配りつつ、できますか?
聖勇者「もちろんだ、やってみよう」
-なんだか幼等教育か初等教育をしている先生の気分です
---インターミッション----------
-初等教育なら、組成素量子学か原子分子工学を教えなければいけません、が……
聖勇者「………、……」
wrg、kリアを呼んできてくれるかい?
わかった……
-急に訪問し、そのまま、マシンの修繕の手伝いです。力を使い果たしたのか? 大人しくなってきました
なんだい?
聖勇者さまをどっか…オフィスかレストルームで休ませてやって
えー? あたしがこいつを担げるわけないじゃん。そんなことさえわかんないの? バカなのあんた?
-kリアラは仕事はできるんですが一言、多いことが難点です
んーと…そこの台車とかで連れてったら……ダメだよな?
-でも、面倒見はすこぶるいいのです……
イマークらは帰ってきてない?
まだ、どこほっつき歩いてんだか? あいつ……
そうかい…じゃあ、wrg、分析素成から塗料の除去剤を割り出して作っておいて
もうできてる
そうなのかい? じゃあ…修繕用のクロムジェンと錬成鉄の分析、創成を……
できてる
-優秀な助手です
じゃあ、聖勇者さまをレストルームまで……
………………
できるわけないじゃん、それぐらい気がつけよ
-勢いで、できる、とかいってくれると思ったんですが、甘かったようです
………、わかった、聖勇者様は僕が連れて行く。kリアはそれを手伝って、wrgはエンジンを降ろす準備をお願い
OKェ~
わかった……
あんたその汚いかっこで聖勇者さまを運ぼうってんじゃないよね?
………ダメかい?
-よく気が利くスタッフです
ダメに決まってんだろうが…それにwrgもさ? もうその喋り方はいいんじゃねえ? もう他に居ねーし……
………
ワルグがどうしたって?
こいつ、撮影にビビッてんのさ、映るのに慣れてねーから、どうしていいのかわかんねーんだよ
………
誰もがkリアラみたいに熟れてるわけじゃないからね、気にすることはないよ、ワルグ
なんかいまババアみたい、っていわれたような気がすんぞ? おいっ
-本当によく気が付くスタッフです
じゃあ…それが終わったら話を聞こう。イマークは帰ってこないし…エテオにもそう伝えておいてくれるかい? ワルグ
わかった
じゃ、あたしらは聖勇者さまを連れてくか? レストルームにいいベッドって……
ゼイvlrス「それには及びません」
ゼイvlrスさん?
-どこにいたんでしょう? いつ帰って?
ゼイvlrス「殿下はわたくしが運びます。皆様はお気遣いなく」
ええ…イマークは?
ゼイvlrス「登録作業が終わりしだい、行くところがあると、外出しております」
連絡もなしに?
ゼイvlrス「ええ…なんでも急ぎの御用があるとのことです」
分かりました…ではゼイvlrスさん、聖勇者さまを頼みます
-頼みますといういい方も変ですが……
ゼイvlrス「承知しました」
kリアラ、場所を教えてあげて
えー? あたしがあ?
ゼイvlrス「申し訳ありません。ご面倒をおかけいたします」
は? はあ……
-なんでしょう? ゼイvlrスさんの様子が少しおかしいです
あ、あと、取れるようなら食事も取らせてあげてください。もしかして何も食べてないんじゃないかと思って、心配だったんです
ゼイvlrス「お心遣い、ありがとうございます。EoDMさま…ただ、わたしはこのあたりに不慣れなもので……どのようなお料理をご用意できますでしょうか?」
お料理?
んなのねーよ…近くに食いもん屋があるから、あそこら辺からとるしかねーよ
ゼイvlrス「そうですか…申し訳ありませんが、所有しているキャッシュがございません。ご融通していただけるとありがたいのですが……」
はあ?
………
どうしたんですか?
ゼイvlrス「申し訳ございません…アクセス権を停止されてしまったようでして。こちらでは現実物金融紙幣取引が基本とお伺いしておりますれば…そちらも所持しておりません。故に、イマーク様からはみなさんにお伺いするようにと、言付けられてございます」
あいつ…あたしらに押し付けやがった
………
まあまあ…、………、どちらにお住まいでしょうか? 近くならお送りして……
ゼイvlrス「申し訳ございません。申し上げられません」
………
は? 近くとか遠くとかじゃなくて? 申し上げられないって? どういう意味?
kリア……、では…? 今夜の宿泊は? どこにお泊まりになられているんでしょうか?
ゼイvlrス「ございません」
………
宿無しかよ
-なんだか理由がありそうです。それにきちんと資金はもらっています……
もしかして…もらった資金以外、余裕に持ってきていない? のですか?
ゼイvlrス「左様でございます」
………
金無しかよ…あたしよりひでーな……
………
じゃあ、kリアラ、レストルームに案内してあげて。あと、食事も…みんなの分も頼んでくれるかい? こっちで持つから
やった! いいもん頼もう……
………
ゼイvlrス「ご配慮、感謝いたします」
いいえ…一応お聞きしますが食べられないものとか…食生とか? ありますか?
ゼイvlrス「特には…わたくしは食事を摂ることはいたしません故、殿下のものだけで結構です」
は、はあ? 普通のもん食えるの? なんか…豪華なものじゃないとダメだとか?
ゼイvlrス「いいえ…ございません」
そうか、じゃ…アタシのおすすめをお勧めしてやる
ゼイvlrス「おありがとうございます」
じゃあ、kリア、頼むよ…あ、レストルーム、そのまんまだね。片付けないと……
あんた…ほんとデリカシーがねーな? よく生きてられんな? それで……
ゼイvlrス「それはこちらで片付けいたします。kリアラさま、ご案内できますでしょうか?」
え? ああ、ご案内できますです。こっちだよ、付いておいで
ゼイvlrス「では皆様、失礼いたします」
………
-なんだかいろんなことが同時に起こっているようです
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あの執事ボット、いつからいたんだろう? まったく気がつかなかった
ロボット、だからか? 気配が、希薄だった
希薄? それよりも…
-わざと気配を消していた? というような……
オレが、気がつかない、とか、かなり、いいマシンだ
そうかい?
-wrgがそういうのならそうなんでしょう
それよりも、どうする? 進めた、ほうがいい? オレは休まなくても、いい
うーん…一旦クールタイムを入れよう。連続してやってきたからね、休憩にしよう
わかった…kリア、に食事を頼んで、よかったのか?
? …大丈夫だよ、さすがに…ゲストに出すのに変なものを頼むってことはないよ
どうかな? アイツのスキなもの、は大体、味より色
………
-仲間思いのスタッフです




