表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
配信始めました 〜ダンジョン編〜  作者: ばっつ
第一章 そうだ 探索者になろう
7/116

第7話 探索者になるには?⑤ ヒロイン(仮)再び

思ったより長くなっちゃったんで、二つに分けます。

あと、ちょっと文章書き直しました

 今日は魔法の授業がある日だ。最初の一時限目は座学でそして休憩を挟み、そのまま実技講習に移る。物理攻撃の授業は散々だったから、この授業は気合い入れて受けるぞ。何事も起きませんように。

 俺はそう祈りながら教室のドアを開き、そしてそっと閉めた。その直後、ドアが開き美少女が声をかけて来た。


「ちょっとアキくん、なんで閉めるの!」

「いきなりあだ名呼び!?それと俺の名前“あきつぐ”じゃ無くて“しゅうじ”なんだけど」

「え〜良いじゃん、秋って字が入ってるんだし。それにシュウくんだと語呂がどうしても・・・ね」

「あー、なるほどな。それなら仕方ないか。実際、アキ、って呼ばれる事もあるし。それより、小野寺さんもこの属性を選んでたんだな」

「当たり前じゃん!基本だよ基本。それより〜、苗字呼びなんて他人みたいじゃない?名前で呼んでよ。はい、り・ん・ちゃ・ん、言ってみて?」

「・・・・・!」(ゴスッ!)

「痛〜、アキくんひどい!」

 思わず、無言で脳天に手刀を落とす。そう、そこに居たのは小野寺りんだった。物凄く良い笑顔でウザ絡みしてくる。くっ、やめろ!その笑顔を向けるんじゃ無い。俺にとってその笑顔は破壊力が凄すぎるんだ!例え物凄くウザくても!

 しかしまあ、この前の時の様な陰がある感じじゃ無いようなので、言い合いながらも内心ホッとしていた。人間、心の陰が前面に出過ぎると、負のエネルギーで自分だけじゃ無く周りも不幸になるしな。

 そう思ってると中から声をかけてくる人がいた。小野寺さんの東京での友達らしく一緒にここに入学した様だった。


「何々、りんの新しい彼氏?」

「えー、りんこっちで新しい彼氏作ったんだー!ねーねー、紹介して?」

「どれどれ?あ、この人?んー、悪く無いけど、フツメン?」

「いやいや〜、彼氏って言うよりも、この前激しくやり合った関係、って感じかな〜」

「「「きゃ〜〜〜!りんってばエッチだー!!」」」

「誤解される言い方するな!」

 

 もう一度脳天に手刀。ツッコミ疲れたわ。それになんかキャラ変わってないか?坂井悠太と何かあったのかな。見た感じ、何かがあって吹っ切れた様だけど。まぁ、友達同士仲良さげで楽しそうだし、多分ナイスアシストしてくれた友達だ。だから冗談も言い合えるんだろう。兎に角、良い方向に進んでる様で安心した。


「冗談はさて置き、貴方なんでしょ?りんに説教して目を醒させてくれたのって。あの坂井悠太って男、あんまり良い話聞こえてこなかったからね、りんに忠告したんだけど、舞い上がってて全然聞く耳持たなかったから。どうもありがとうね」


 小野寺さんの友達の一人がお礼を言ってきた。この人がナイスアシストした人か。黒髪長髪で切長の目でキリッとした顔立ち。如何にも剣士って雰囲気だ。なるほど。冗談は言うけど、曲がった事が大嫌いって感じが出ている。


「あー、いや、聞いてたら段々腹が立ってきて、つい言っちゃっただけだから、別に気にしなくてもいいよ。っと、そろそろ授業の時間だな。それじゃあ」

「うん。じゃあね」


 小野寺さん達と別れて席に座り、授業が始まるまで水属性について考え事をしていた。


 ーー水属性ーー


 ダンジョン内に於いて、非常に重要な存在である水。魔法による攻撃や飲み水生成だけじゃ無く、武器についた血糊や傷口を洗い流したり体を拭いたり、人によっては風呂を沸かしたり火魔法と組み合わせて料理をしたりと、攻略する上で無くてはならない属性だ。そして、水は命を司る属性でもあるから、回復系の魔法の効果が高くなる。なので火属性と人気を二分する属性でもある。


 授業が始まる時間となり、講師の先生が入って来た。物理攻撃の先生は如何にもって感じの格好だったから、魔法の先生もそんな格好なのかなと思ったら、普通にスーツだった。


「はい、それでは授業を始めます。ここに居るみんなは入学時にこの属性を選択した訳ですが、まずは魔法の基礎知識を学んでいきます。そしてこの後の授業で実際に魔法を使ってもらいます。まずは魔力とは何かですが、教習本『魔法の基礎知識』の魔力の項目を開いてください」


 教本には、魔力とは物質や空間といったこの世の全てに満ちており、ダンジョンが初めて確認されると同時に観測された未知のエネルギーと書かれている。人の意識や思念などを乗せることが出来、物質や空間の形や性質をも変えると云った干渉能力を有するこのエネルギーは、次世代エネルギーとして早くから注目されてたが、未だにその正体が分かっていない。

 しかし、活用方法が解明され、魔石の項目でも触れていた「魔石燃料」としての活用の他に、魔法を使う際のエネルギーとしても利用されている。と言うより、魔法を使う時のエネルギーだから魔法を使う力として、魔力、と名付けたとも書いてあった。


「・・・と、この様に魔力自体の事はよく分かっていないのですが、活用方法は確立しているというのが現状ですね。世界中の研究者の方々が日々調べているので、いずれは魔力そのものが解明されると思います」


 ほんと、魔力って何なんだろうね?


「次は魔法についてです。教本の『魔法とは』を開いてください。魔法とは魔力を消費して様々な現象を起こす事を言います。そして魔法を発動させるには重要な要素があり、それが魔力感知と魔力操作になります。読んで字の如く魔力を感じたり操る能力ですね。これが出来ないと魔法が使えないという訳ではありませんが、出来ると出来ないとでは威力や精度や安定性などが格段に違ってきますし、詠唱の必要がなくなります。つまり魔法というのは、いかに自分のイメージをより正確に魔力に乗せるか、そしてどれだけの魔力に乗せられるか、という事です。なので、絶対ではありませんが、覚えておくと便利な能力です」


 おー、詠唱をしなくてもいいのはいいね。戦闘中に詠唱なんて言ってる暇なんか無いから。しかし、そうなるとこの後の授業では呪文を唱えて魔法を発動させるのかな?それはそれで問題がある様な気がする。他の生徒もそう思ったらしく・・


「先生、質問いいですか?」

「いいですよ。何ですか?」

「次の授業で実際に魔法を使うって言いましたけど、多分、魔法詠唱で発動させるんだと思いますけど、そんなに直ぐに発動出来るんですか?もし発動出来たとして、簡単に発動するんじゃ、一般の人も簡単に魔法が使えて危険なんじゃ無いんですか?」

「いい質問ですね。結論から言うと、一般の人は簡単には魔法は使えません。理由は・・・」


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ