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配信始めました 〜ダンジョン編〜  作者: ばっつ
第一章 そうだ 探索者になろう
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第3話 探索者になるには?③

「次はドロップ品について説明します。教習本『魔獣の基礎知識』の魔獣の落とす物の項目を開いてください。」


 ドロップ品とは、知っての通り魔獣を倒した際に落とすアイテムの事だ。俺もよく見る動画配信サイト『High-scene』でもドロップアイテムの有無は撮れ高にも影響を与える。しかもレア物が出てきた場合は相当な視聴率及び、再生数を稼げる。これは、ドロップ品の買い取りと合わせて収入にも直結するので、疎かには出来ない項目なのだ。なのでしっかり勉強して覚えておこうと思う。


「魔石とドロップ品は別物と扱います。何故かと言うと、魔石は必ず落とす物で魔獣本体と言える物であり、対してドロップ品は、魔獣を倒した事の褒美の様なものです。そして落としたり落とさなかったり様々ですが、よく落とす物から滅多に落とさない物、所謂レア物と呼ばれる物があり、ある程度の傾向があるものの、魔石の様にこの魔獣からこの魔石と云った決まり事の様なものはありません」

 

 先生がホワイトボードにドロップ品に付いて書き込んでいく。その内容はと言うと・・・


「ドロップ品は、大きく分けてに四系統に分かれます。ポーションなどの薬類。次に剣や防具、衣服などの装備品類。そして魔獣の身体の一部や偶に落とす金属類などの素材類。最後に食料品類、に分かれます」


「まず薬類ですが、一般的に有名な回復薬である『ヒールポーション』通称ポーションや、毒消し薬の『アンチドーテ』、そして魔力回復薬の『マジックリカバリー』などがあり、他には異常状態を治す薬『ディスペル』や病気を治す薬なども落としたりしますね」


 薬類はドラッグストアでも見かける極々ありふれたアイテムだ。下級〜特級までランク付けされていて、下級の薬類だったら数百円〜数千円程度で売っていて生活に無くてはならない品になっているが、上のランクになる程値段も跳ね上がって、一般人は精々中級位までしか使えない。特級になると、それこそ一本一千万越えは普通にあるしね。使うとなると金持ちか、本当にどうしようもない生命の危機の時位しか使えない。使い所を間違えると、色んな意味で大変になるのが薬類だったりする。


「次に装備品についてですが、近接武器や遠距離武器、杖などの魔法支援武器と云った武器類、鎧や盾などの防具類、そして、ローブや軽装備や帽子などの衣服類などがあります。これらの見た目のデザインや性能などは、落とす魔獣によって変わってきます。つまり強い魔獣ほど高性能のアイテムを落としやすいと言うことになります。が、低性能の武器でも、魔獣が落とす素材を使って鍛え直せば、限界は有るものの性能を上げることが可能です」


「これは武器だけに限らず、防具類や衣服類にも言えます。なので、例えばスピード重視だったり、防御力重視だったり、一撃必殺とかだったり、他には能力的に劣ってる部分を補うためとか、自分の戦闘スタイルで装備を決めるのが一般的ですね」


 なるほど。と言う事はお気に入りの装備を長く使い続ける事が可能って事か。見た目が好きとか性能が気に入ってるとかあるからね。これは結構いい事を習ったな。


「そして素材類ですが、これはさっきも言った通り魔獣の身体の一部で、骨や牙や鱗などの他に、内臓や血液等も素材扱いとなります。装備品を鍛え直す際にこれらの素材を混ぜる事により、硬度が上がったり魔力を通しやすくなったりと、必ずとは言えませんが様々な効果を付けることが可能となります」


「また装備品だけではなく、薬を作るときにも使用され、適切な量と配合やでドロップ品の薬類を上回る効果を持つ薬を作ることが可能となります。これは強い魔獣の素材を使えば強力な薬が作れますがそれだけでは無く、弱い魔獣の素材でも組み合わせや相性などで相乗効果を生み出し、高い効果を生み出す事があります」


 と言う事は、いざという時は現地で薬を調合できるのかな。だとしたらポーションとかの薬類を買わなくても済むかも?


「薬を調合するには、『調合』や『錬金』のスキルが必要となります」


 そうそううまくは行かないかー。


「素材の金属類は、弱い魔獣からは銅や鉄などのそれなりの金属、強い魔獣からはミスリルやアダマンタイトなどの貴重な金属や貴金属が落とされる事がはっきりと分かっています。因みに、みんながよく耳にするオリハルコンは銅とミスリルとチタンの合金で、ヒヒイロカネは銅とアダマンタイトとベリリウムの合金なので魔獣が落とす事はありません。この事からも分かる通り、魔獣が落とす金属は単一種類の金属であり、合金そのものは落としませんが、すでに武具になってる合金は稀に落とします。ミスリル合金製の武具なんかが有名ですね。他にも色々な合金製の武具も発見されています。」


 へぇー、アレって人が作った金属だったんだ。知らなかったなぁ。てっきりドロップ品だと思ってたわ。勉強になるなぁ。・・・・・・そう言えば金属素材工学科の友達がそんなこと言ってた様な気が・・・・・・。って言うか、ベリリウムなんて初めて聞いたわ・・・って思ってちょっと調べたら、習ってたわ。『水兵リーベ・・・』の『ベ』がベリリウムだった。身近な様な身近じゃ無い様な不思議な感じだな。


「最後に食料品ですね。魔獣は倒された時、系統に沿った肉や体の一部を落とします。それらは毒は無く食べられるため、高値では有るもののかなり市場に出回っています」


「穀物類のドロップ品はありませんが、ダンジョン内で自然繁殖していた穀物類が見つかってます。これらも市場に流通しており高値で取引されてます」


 ダンジョン産の食べ物って美味いんだよなぁ・・・高いけど。調味料や香辛料をダンジョン産に変えるだけで味が一段アップするんだよな・・・やっぱり高いけど。でもやっぱり美味いから需要は高いんだよな。


 キーン コーン カーン コーン・・・


「えー、チャイムが鳴ったので今日はコレで終わります。次の授業がある人は遅れない様に、終わりの人は気をつけて帰ってください」


 卒検まで残りわずか。頑張らないとな。

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