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配信始めました 〜ダンジョン編〜  作者: ばっつ
第二章 配信者になりました
29/128

第29話 初めての配信、終了

 ーside-智子ー


 はい!唐突に始まりました『りんのイチャラブを勝手に中継』の時間です。実況はわたし、折井智子がお送りします。解説はお馴染みの【疲れてるからパス】〈アタシも〉はい、解説はいません。では行きましょう。

《うわっ、いきなり智子ちゃんのドアップで何かが始まったぞ!?》

《イチャラブ? あ! りんちゃんと主が抱き合ってる》

 そう! アレこそがわたし達のからか・・・コホン、愛すべきバカップル! なので覗き・・・実況するのだ! 

《本音が漏れんてんぞー》

 うっさい! 良いんですー。わたし達はは良いんですー。

《逆ギレ智子ちゃん、可愛いー》

 きゃー、可愛いなんて、智子照れちゃうー。

《本性知ってんぞ》

 チッ、バレてるのね。まあ良いか。

《と言うより智子ちゃん。本名言っちゃってるよ。いいの? 変な輩が来たらどうするの?》

 探索者配信なんてやってたら、いずれバレるんで良いんです。あと変な輩が来たら、オーバーキルで返り討ちにするから、覚悟してね⭐︎(キラリ)

《智子ちゃんの笑顔が怖いんだが!》

 ではでは行きましょう。りんがアキくんに駆け寄って行きましたね。さっき、自分から飛んだとはいえ、派手に吹っ飛んでたからね。心配にもなるってなもんでしょ。

 おっと、そのままの勢いで抱き付いた。アキくんも抱き返してる。なんか言ってるぞ。絶対勝つと信じてた、だって? かー、アンタはどこのスポ根漫画のヒロインだってーの。

《なんか智子ちゃん、面白いんだけど》

《見た目可愛いのに毒舌なんだね》

 動きがないんで、今日はこの辺で。実況はわたし、折井智子がお送りしました。ではまた会う日まで。しーゆーあげ

《ちょっと質問いい?》

 何かな? 答えられる範囲で答えるよ。

《いつもこんな事やってんの?》

 前にも誰かに言ったけど、アキくんと出会ってからだね。昔のりんってね、なんか周りに流されてるなって感じでね、見てるこっちが心配だったんよ。でもアキくんと出会って、すごく明るくなってさ、心から嬉しいし、幸せになって欲しいんだ。ホント、色々あったからね・・・。

《友達思いなんだね》

《主がりんちゃんを泣かしたら?》

 場合によってだけど、許さん!【制裁を加える!】〈アレを切り落とす!〉

《紫乃ちゃんが一番怖い!》

《でもこんな事はやるんだね》

 それとこれとは話が別だよ!【〈そうそう〉】

《コイツら面白いなー》


   〜   〜   〜   〜   〜


「ふー、お疲れ様。みんな無事で何よりだよ」

「アキくんもお疲れー。こっちは四人だったからね。苦労はしたけど、まあなんとかなったよ」

「アキくんの方が一人で大変だったよね」

「私は苦戦しなかったけど、二匹ってのが面倒だったかな。あとは白狼ズの援護してた」

《なんかすげーのを見た気がする》

《偶然だね。俺もだよ。聞いたことない技がどんどん出て来て、何が何やら》 

《けど! 一番凄かったのはユキちゃんの人化!!》

《主! 次は人の姿のユキちゃんを希望する!!》

「それも面白いかもな。どんな戦闘スタイルがいいかな」


 ボスを撃破すると入り口が開いた。やっぱり、そういうギミックだったんだな。生きるか死ぬかだなんて、恐ろしすぎる。

 部屋を見渡すと、オークの死体が消えていて、ドロップ品と宝箱が二つ置いてあった。ドロップ品の内容は、中級ポーション二個、マジックリカバリー一個。そして一つ目の宝箱の中身はと言うと、


「騎士剣、ロングソードだね。これは紫乃ちゃんの装備品だな」

《紫乃ちゃん、装備してみて》

《刀身が白銀に輝いてて中央の溝に模様が彫ってある。それでいて、余計な飾りが無い。ずいぶん綺麗なロングソードだねー》

「うん。よっと、見た目と違って、意外と軽いのね。何の素材で出来てるんだろう」


 出て来たのは騎士剣、所謂ロングソードだった。視聴者が言う通り、飾りっ気が殆ど無く、刀身に少し細工してある程度だ。剣そのものの美しさと機能を追求した、日本刀に通ずる美しさだ。紫乃ちゃんの凜とした雰囲気と相まって非常によく似合う。

 紫乃ちゃんが盾を置き、両手でロングソードを振っていた。余程軽いのか、ヒュッ、と風切り音が聞こえてくる。しっかり刃を立てて振ってる証拠だ。少しでも刃が立ってなかったら、ブォン、となるはずだ。

 今度は盾を持って片手で振っている。こちらも綺麗な風切り音だった。完全に使い熟している。


「これ凄いね。すごく手に馴染むよ。まるで手の延長みたい」

《銘を考えないとね》

「面倒だから、アタシの名前から取って、ヴィオレットソードでいいよ」


 そして、二つ目の宝箱の中身は、ドレスアーマーと脛当て、胸部アーマーにガントレットの四点セットだった。女子の防具なので、当然四人の中から選ぶんだろう。


「これはりんかなー。後方のわたしじゃ意味ないし」

「うん、そうだね。ナイフ使いで斥候のあたしよりも、槍使いのりんがいいと思う」

「アタシはこれ貰ったしね」

「私も、りんお姉ちゃんが似合うと思うよ」


 満場一致で決まっていた。早速りんが装備している。今日のりんの格好は、ショートパンツにニーハイソックス、それに脛当てだ。上は長袖のアンダーに胸当て、ネックガード、肩当て、ガントレットだ。これを、ドレスアーマー四点セットに着替えて、その場でクルッと回っていた。

《りんちゃんカッコいい! ファンタジーの女戦士みたい》

《惚れてまうやろー》

「ふふ、私はアキのだから、惚れちゃダメだよー」

《これがバカップルと言うやつか。だが俺は推す!!》

《このバカップル、いっそ清々しいな》


 さて、そろそろ帰る準備をやるか。流石に帰りはイレギュラーは起きないだろ。と言う事で、みんなに声をかけた。


「よし、そろそろ休憩終わって帰るか」

「そうだね」


 俺たちは帰り支度をして、ボス部屋を出た。

 紫乃ちゃんが、帰りは任せて、と言って来た。多分ヴィオレットソードの試し斬りをしたいんだろう。なんせ、素材からして謎なのだ。そのため、実際使ってみる、と言う結論に至った。

 結果は大当たりだった。盾を俺が預かり、紫乃ちゃんはヴィオレットソードを両手で持って魔獣に突っ込んで行き、一刀両断していった。


「これすっごく良い! すっごく軽くて取り回しも楽だし、すっごい斬れる! なんか楽しくなってきたー。あっははははは」


《紫乃ちゃんが壊れた! 魔獣さん逃げてー》


 なんかホントに壊れてるっぽいな。アレ、呪いの剣じゃないよな? 鑑定してもらった方が良いんじゃないかな? 紫乃ちゃんが出てくる魔獣を悉くぶった斬って行くので、俺たちは何もせずに一階層まで戻って来た。もう直ぐ出入り口だ。


「えー、途中、死にそうなイレギュラーがありましたけど、なんとか無事に戻ってこれました!」(パチパチパチ)

《おつかれー。結構見応えあったよ》

《だよなー。変異種のボスが五匹とか恐ろしすぎる。でもそれより! ユキちゃんだ! 可愛かったし、それでいて強い》

《それなー。銀狼の時も綺麗だけど、人化したらあの妹的な可愛さ! お兄ちゃんって呼ばれたい》

《分かる!》

《魔獣ってどうやって使役するの?》

「えっとね、これは私の場合だけどね、お互いの合意があれば契約できるはずだよ。だから、ある程度の知能がある魔獣だったら大丈夫だと思う。因みに、知能のある魔獣は、いきなり襲わなくて、相手の出方を伺ってるから、それである程度は分かるかな。でも実力差が有り過ぎると無理だから、気を付けてね。あとは瀕死に追い込んで契約させるの。でもこれも頭の良い魔獣にしか通用しないからね」

《しれっと、とんでもない情報が出て来たぞ》

《魔獣の事は魔獣に聞けって事だな》

《でも、こんな所でそんなこと言ったら、ヤバい輩どころか組織に狙われるんじゃ》

ミオ:《ユキちゃんは私達が守る!》

トシ:《うんうん》

《アンタら何もんだよ》

ミオ:《正義の味方よ!》


 あながち間違っちゃいないな、美桜さん。確かに表面上は正義の組織だもんな。裏は知らんが。でも、情報局が守ってくれるならユキも安心だ。ここまで高い知能を持って、しかも人間になれる魔獣なんて聞いたことないし、考えてみるとヤバいもんな。でも、これがきっかけで魔獣との共存なんて事になったら、それはそれで面白そうだな。

 さて、あんまり話してると収拾が付かなくなるので、そろそろ締めないとな。


「それじゃエンディングです。今日は三人かな? 見てくれてありがとうございました。メインは動画投稿なので、ライブは偶にしかしませんが、良かったらこれからも宜しくお願いします。ではまた、次の動画で会いましょう」

《面白かったよー。智子ちゃんが》

《あとユキちゃん可愛かったよ》

《俺は女子四人組が良かったなー。みんな可愛いし》

「俺の評価が一個もないな・・・」

《主は規格外のフツメンだから、評価のしようがない》

「そ、そうですか」

「アキが一番カッコよかったよ」

《ここでもバカップル発揮か。あ、チャンネル登録したからね》

「では、また今度ー」


 ここで配信を終了した。ふー緊張したわー。見てくれた人が少なかったから、この程度の緊張だったけど、多かったらもっと緊張してたかも。でもまあ、こんなもんかな。今後もこんな感じでのんびり・・・だったかな? まあ良いや、のんびり行きますかね。

新作 と言うか、番外編を始めました


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です。よろしくお願いします。

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