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配信始めました 〜ダンジョン編〜  作者: ばっつ
第一章 そうだ 探索者になろう
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第11話 男達の本音、女達のホンネ?

  ー食堂にてー


「俺は味噌ラーメンとチャーハン頼もうかな。シュウは何にする?」

「んー、カレーかな。チキンカツカレー大盛り」

「よし。んじゃ食券買って席確保しに行こうぜ」


 魔法の授業の後、ちょうどお昼だったので、二人で昼食を食べに来ていた。この後は座学が控えてるからな。小野寺さん達は、今日は終わりという事で、帰宅した。


 席に座り、番号が呼ばれるまでの間二人で話をしていた。授業の事や免許が取れたら、どこのダンジョンに行くとか、配信やるのか等々。


「そっかー、夏休みの間は残ってこっちのダンジョンに潜ってるのか。んで、出来れば配信もやりたい、と。でもよ、潜るのは兎も角、配信はどうだろうな。ダンジョン配信用のドローンって高いべ。買えんの?」

「まあ、無理だわな。ダンジョンのドロップ品を売ってお金を貯めてくしか無いなぁ」

「協力しようか?」

「いや、いい。友達とは言え金の貸し借りはちょっとな。んだから、のんびり行くわ」

「そっか」


 丁度番号が呼ばれたので、二人で取りに行き、また話を続ける。


「しかし、配信かぁ。て事は『High-scene』か。チャンネル登録は?内容決まってんの?」

「まだ全然。何も進んで無い。ただ、やってみたいなー、ってだけ」

「小野寺さんでも誘ってみたら?案外OKかもよ?あの天然美少女さんなら一気に有名人になるかもよ。おんなじ東京に居るんだし、良いんじゃね」

「まあなー、一緒に配信したら結構良いかもしれないなー・・・」


 実は考えた事あるのだ。小野寺さんと一緒に配信したら楽しいだろうし、あれだけの美少女だ、絶対注目される。それに、多分薙刀辺りの有段者なんだろう。槍を振るう姿は堂に入っていて、その見た目も相まって目を奪われる格好良さだった。まあ、そう思ったのは最初だけで、途中からは必死に逃げてたけど。だからもし良かったら、って思ったんだけど、


「でも、一緒に潜るのは兎も角、配信はやめた方がいいんじゃ無いかな。注目されて有名になるのはちょっとな」


 俺の中で結局はそういう結論になった。あんな事があったからじゃない。有名になれば周りに人が集まるが当然いい人ばかりじゃ無く、悪意を持った人も来る。その悪意に耐えられるかどうかわからないからな。ちなみに俺は、実害が無ければガン無視する。それに・・、


「なんで・・・って、なるほど、アイツか・・・。折井さん達の話だと、かなり酷い事言われたらしいけど、結局はあっちから離れていったんだっけか・・・」

「うん。でも有名になったら、又ちょっかいを出してくる可能性もあるし、いきなり襲ってくる可能性もある。まあ、仮に襲われても小野寺さんの実力なら、返り討ちに出来るとは思うんだけどな。でもああいう奴らって、何やってくるか分からないからさ、ちょっと心配なのよ」


 そう、問題は奴、坂井悠太だ。神鳥の言う通り、既に別れたと折井さん達から聞いている。でも、“有名人”と言う付加価値が付けば、話が変わってくる。ああ云う女性を欲望の捌け口としかみてない奴らにとって、この付加価値は無視できないくらい大きい。しかも、赤の他人じゃなく元カノなのだ。接触もしやすいだろう。となると、配信上とは言え小野寺さんを有名人にするわけにはいかない。なので、小野寺さんを配信の仲間に誘う事は、躊躇してしまうのだ。


「ふん。そうか、配信で有名になるとヤツラが絡んでくる恐れがあるってか」

「うん。可能性は無いとは言い切れないよな」

「・・・・・・・」

「何考え込んでるんだ?」

「あ、いや、何でも無いよ。大した事じゃ無い。それよりも早く食べようぜ。ここであーだこーだ考えてもしょうがないし、俺らは出来る限りの事をやって、後は成り行きを見守るしか出来ないから」

「まあ、それもそうなんだけどな」


 ご飯を食べながら話す内容としては、楽しい話題じゃ無いけど、心配だから仕方がない。そして神鳥も話をちゃんと聞いている。でも、神取に相談してもどうしようもない。いくら家が金持ちって言っても、人を排除なんて出来る訳がない。そもそも、会ったばかりの俺がそんな心配をする権利があるのか。でも、何故か気になるのだ。なんで何だろうな。


 

 ーside-女子四人組ー


 「ねーねー、さっき神鳥くんと“ツナメー”してたんだけどねー、武内くん、免許取ったら夏休みの間こっちでダンジョンに潜ってるんだってー。りんも一緒に潜ったらー?ダンジョン免許の交付って、運転免許と違ってどこででも交付されるんでしょー?二人で行って来なよー」


 智子がこんな提案をして来た。と言うか、いつの間に連絡先交換してたの? え、して無いの私だけ? もしかしてアキくんとも? あ、こっちはして無いのか、良かったぁ〜・・・何が!? いやいや、混乱してる場合じゃない。


「いや、うん、まあ・・アキくんとかー。まあ潜っても良いけど、うん、ちょっとなんか・・いや、まあ、ねー・・」

「あ・・・りん、ごめん! そうだよね! 武内くんも男だもん。やっぱり怖いよね! 変なこと言ってごめんね!」

 

 いや、別にアキくんとダンジョンに潜るのに抵抗や恐怖心は無い。無いんだけど、ちょっとなんか気恥ずかしい感じがする。何でだろう。この事を智子に言おうとしたら、紫乃がとんでもない事を言って来た。


「そうよ、智子。この間、坂井悠太とあんな事があったんだから、いくら好きな人と言っても同じ男だもん。抵抗くらいあるんだからね」

「うんうん。一目惚れしてても、ダンジョンで男と二人きりは、まだちょっと怖いよね」

「なあああぁぁぁっ! し、紫乃ぉ! 亜香里ぃ! 何言ってんの!? わ、私が、アア、アキくんを好き? どど、どうやったらそう見えるの?」


 本っ当にとんでも無いことを言って来た! なんで? そんなふうに見えてたの? ただちょっと戯れ合ってるだけじゃん! そんな訳無いよね。ね? 


「どうやったらも何も、そうとしか見えないんだけど。好きなんでしょ?武内くんの事」

「もはや夫婦漫才の域に行ってると思うな」

「はあああぁ?、そそそ、そんな訳無いじゃん!?出会ってまだ数日だよ? そそ、それに、私その時、彼氏いた・・し・」


 思い出したく無い事を思い出してしまった。でもいつかは自分の中で決着を付けなくちゃいけない問題だ。いつまでも目を背けてはいられない。そう言えばあの時、アキくんの言葉が浮かんできて、最後までしっかり気を保ってたし、なんか気を失う直前にも呟いてたらしいし。え? もしかして本当に? 私がアキくんの事を・・?

 そんなことを考えてたら、自分の顔が赤くなって行くのが分かる。ヤバイ、絶対突っ込まれる。何とか誤魔化さないと。


「まあ、いくら好きな人でも、いきなり襲ってきたら怖いよね。そんな時は槍で一突きすれば、おとなしくなるよ」


「亜香里!あんた怖いわ!」


 指を指してビシッと決めるも、三人共ニヤニヤしている。あわわわ、これ絶対誤魔化せて無いよー。




※ ツナメーとは?>>;「繋げるメッセージ」を略して「ツナメー」“繋げるメッセージ、人と人を”を謳ってるこの世界でのメッセージアプリで、人口の八割の人が使ってる人気アプリ。アイコンは羊の格好をしたマグロ。機能的には現実世界の「LI◯E」と思っていただければ。



次回から時間軸が戻ります。

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